綿や麻素材に付着したときの対処のコツ
綿や麻は繊維がしっかりしているため、ある程度の処理に耐える素材です。冷却やこすり落としに加え、消毒用アルコールや中性洗剤を使った方法も取り入れやすいでしょう。ガムが広範囲に広がっている場合は、ぬるま湯にしばらく浸けてから、ブラシや歯ブラシで優しく掻き出すのも一案です。
それでも残った部分は、粘着をゆるめながら時間をかけて落とすのが無難。繊維の奥に入り込んだガムは、一気に取ろうとせず根気よく対処すると仕上がりがきれいになります。
時間が経ったガムにはどう対応するか
時間が経過したガムは、表面が硬化して繊維の中に深く入り込んでいます。この状態では、単純に冷やすだけでは取りきれないことがあります。
まずは表面を丁寧に削り取り、残った部分には酢やアルコールをしみ込ませて柔らかくしていきます。繊維が湿ることでガムが浮き上がりやすくなり、爪楊枝やヘラの先などでそっと掻き出すようにすると落ちやすくなりますよ。摩擦を避けて繊維をいたわりながら、少しずつ除去する方法が安心です。
うまく取れないときの対処と防止策|クリーニングに出す前に
自宅で落としきれないときにどうするか? 最後の判断や今後の備え方について、現実的な視点から整理します。
どうしても取れない場合の最終手段とは?
自宅であらゆる方法を試してもガムが残ってしまう場合は、無理にこすらず専門のクリーニング店に相談するのが安心です。繊維に負担をかけ続けると、生地の変形や破れにつながることがあります。
持ち込む際には、いつ付着したか、どのような処置をしたかを簡単に伝えると、店舗側でも適切な対応がとりやすくなります。料金や素材対応の有無も事前に確認しておくと、依頼しやすいですね。
次からガムを付けないために意識したいこと
衣類にガムがつく状況は、ちょっとした行動の中に潜んでいます。ポケットにガムをそのまま入れない、座る前にベンチや椅子の表面を軽く確認するなど、日常のちょっとした心がけで防げることもあります。
子どもがいる家庭では、食べながら遊ばない、ガムをきちんと包んで捨てる習慣を教えると安心です。また、ニットやフリースなど毛羽立ちやすい衣類は、外出時の着用シーンを選ぶのも予防につながります。

応急処置セットに加えておきたいアイテム
外出先でガムがついたときのために、小さな応急処置セットを用意しておくと便利です。ポケットサイズのウェットティッシュ、ミニ保冷剤、使い捨てビニール手袋などがあると、早めの対応がしやすくなります。ティッシュに包んで圧をかけずに冷やすだけでも、硬化のきっかけになります。
旅行や公園、混雑する場所へ出かけるときに、こうしたアイテムをカバンに入れておくだけで、安心感がぐっと増しますよ。
プロはこうやって落とす
プロは剥がすのではなく溶かして落とします。
例えば「着物トータルクリニック吉本」では、ガムの樹脂は油分に溶けやすく、溶剤を使って溶かして流し出すことで生地に負担を掛けずに落としています。剥がし取る作業よりも生地に優しいので、デリケートな生地の場合でも跡を残さず綺麗にすることが可能です。
溶剤はベンジンでも代用可能ですが、取扱いが難しい部分もあるので「着物トータルクリニック吉本」をはじめプロに任せて頂いた方が安心です。
プロは油分を使った溶剤でガムを溶かし、生地を傷めずきれいに除去します。
最後に
POINT
- 素材別に適した処置が異なり、熱や摩擦に弱い繊維は冷やす方法が安心です。
- どうしても取れない場合はクリーニング店へ相談し、日常の予防や応急セットの携帯も役立ちます。
- 衣類を長く大切に使うためには「慌てず冷静に対処する」意識が大切です。
ガムが繊維に入り込んでしまったときは、あわてず状況を見極めることが大切です。自宅でも工夫次第で十分対応できるケースは多くあります。素材に合った方法を選び、無理をせず安全な対処を心がけましょう。日常の中でできる予防の意識も、衣類ケアには欠かせません。
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