Summary
- 干し方マークの見分け方や正しい陰干し方法を知ることで、素材の傷みや色あせを防げる。
- 乾燥機は陰干し指定の衣類には基本NG、風と時間を活かした自然乾燥が安心。
- 素材や季節ごとに陰干しの工夫をすれば、乾きやすさと仕上がりが大きく変わる。
Contents
洗濯表示にある「日陰干しマーク」を見て、どう対応すべきか迷うことはありませんか? この記事では、日陰干しマークの意味や種類、素材別の扱い方、自宅でできる陰干しの工夫までを創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんにお聞きしました。
衣類を長く大切に使いたい方に役立つ知識をお届けします。
日陰干しマークとは?|正しく読み取るための基本知識
日陰干しマークの意味や見分け方を理解することで、衣類のダメージを防ぎやすくなります。ここではマークの特徴と、誤解しやすい点を分かりやすく整理します。
自然乾燥マークの種類とその中の日陰干しマークの見た目
自然乾燥の方法について表している洗濯表示は四角の中に縦線や横線、斜線入っているマークです。
「日なた干し」を示すマークは四角に縦線または横線が入っています。種類は、
四角に縦線1本でつり干し
四角に縦線2本で(脱水無しで)濡れつり干し
四角に横線1本で平干し
四角に横線2本で(脱水無しで)濡れ平干し
となります。その日なた干しマークの左斜め上に斜線が入っていると【日陰で干す】を意味し、一目で大変わかりやすい表示となっています。
線の数や配置によって内容が変わります。見た目がよく似ているため、形の違いに注目し、間違いのないようにしましょう。
陰干しの仕方
大切なのは「直射日光を避けて、風通しのいい場所で干すこと」です。室内でもベランダでも、日が当たらなければ陰干しの条件を満たします。マークが示す干し方の意図に目を向けることがポイントです。

乾燥機は使っていい? 避けるべき?
陰干し指定の衣類は、乾燥機の使用を控える必要があります。高温の風が素材を傷めやすく、縮みや変色の原因になるからです。特にニットやウール、プリント素材は熱に弱く、風の勢いによって型崩れが起きることもあります。
陰干しマークが付いている場合は、自然の風と時間を使ってやさしく乾かす方法が適しています。乾燥時間がかかっても、仕上がりの風合いや耐久性を守るうえで安心です。
日陰干しマークは直射日光を避けた自然乾燥を示し、形や線の数の違いに注目することが大切。
素材別・季節別で変わる陰干しの工夫
同じ陰干しでも、素材や季節によって適した干し方は異なります。ここでは、実際の家庭での工夫を前提に、具体的な対処法を紹介します。
ニット・ウール素材の陰干しで気をつけること
ニットやウールは、水を含むと重みで伸びやすくなります。ハンガーにかけると形が崩れやすいため、平らに置いて乾かす方法が向いています。バスタオルの上に広げ、通気を確保しながら干すのが安心です。
裏返して干すと、色あせのリスクも下げられます。湿気がこもらないように、扇風機や除湿機をそばに置くのも有効です。
夏の直射日光を避けたい衣類の扱い
夏は日差しが強く、衣類の色落ちや傷みが起こりやすい季節です。陰干しする際は、ベランダの壁際やすだれの裏側など、風通しのいい日陰を選びましょう。日差しが強くなる前の朝方や、西日を避けた夕方の時間帯も工夫のひとつです。風がよく通る位置に吊るすことで、短時間でもしっかり乾きます。
冬や梅雨時の陰干し|乾きにくさへの対処法
寒さや湿気の多い時期は、自然乾燥だけでは乾きにくくなります。除湿機があれば活用し、ない場合は扇風機やサーキュレーターを使うと乾燥が早まります。干す間隔を広めに取り、空気の流れを妨げないことがポイントです。窓を少し開けて湿気を逃がす工夫も、室内干しの効率を上げる方法として取り入れやすいです。

素材や季節に応じて干し方を調整し、衣類の型崩れや色あせを防ぐ工夫が重要です。
「陰干しできない」場面でどうする? 代替案と注意点
住環境や天候によって、陰干しが難しいケースもあります。ここでは場所が確保できない、日陰がないなどの困りごとへの現実的な対応策をまとめます。
日陰がない・干す場所が確保できないとき
日陰が確保できない場合は、日差しをやわらげる工夫が役立ちます。カーテン越しの窓際や、ベランダの壁に近い位置は直射日光を避けやすい場所です。突っ張り棒と薄手の布を使って簡易的な日除けを作る方法もあります。
室内であれば、光が入りすぎない部屋や、玄関近くの風通しがあるスペースも選択肢になります。熱がこもらないよう、窓を少し開けて空気を流すことも効果的です。


