濃色・デリケート素材は色落ちに注意
濃い色の衣類や、ウール・シルク・麻といった天然素材は、色落ちや縮みが起きやすい性質があります。洗剤や漂白剤を使う前には、目立たない部分で試しましょう。
素材によっては、中性洗剤だけにとどめる必要があります。仕上がりを左右するポイントなので、素材表示の確認と試し洗いを欠かさず行うのが賢いやり方です。
洗濯機まかせにせず手洗いで確認を
シミがついたまま洗濯機に入れると、汚れが広がって他の衣類に移ってしまうおそれがあります。まずはシミの部分を手洗いし、ある程度汚れを落としてから全体を洗うのが安全です。
特に酸化が進んだシミは、部分的な処理をしておくことで、洗濯中の色移りや落ち残しを防ぐことができます。手間に見えても、このひと工夫が衣類の寿命を守ることにつながります。
こすりすぎや熱湯使用はNG。素材によって試し洗いを行い慎重に対応しましょう。
外出先や時間がないときの応急処置と工夫
すぐに洗えない場面では、ひとまず悪化を防ぐ対処が肝要です。外出先での対応や、忙しい朝でもできる工夫を紹介します。
ハンカチやティッシュで押さえる応急処置
外でお茶をこぼしたときは、慌ててこするよりも「押さえて吸い取る」ことが先決です。清潔なハンカチやティッシュで、シミの周囲から内側に向かって軽く押さえるように水分を取りましょう。こすると汚れが広がったり、繊維の奥に入り込んだりする可能性があります。
完全に落とすのは帰宅後になりますが、乾く前に応急処置をしておくだけで、あとからの処理がぐっと楽になります。

朝のつけ置きで時短を実現
朝は時間に余裕がないものです。そんなときは、前夜のうちにシミ部分を軽く湿らせて洗剤をなじませ、容器に入れてつけ置きしておく方法が役立ちます。
洗濯前に汚れをゆるめておけるので、朝はそのまま洗濯機に入れるだけで手間が省けます。
忙しい中でもムリなく取り入れられる習慣として、朝の支度を邪魔しない便利な時短テクニックです。
衣類選びでシミ対策になることも
シミの心配を減らしたいなら、日頃から衣類選びに気を遣うのも有効です。例えば濃い色や柄物はシミが目立ちにくく、外出時にも安心感があります。
撥水加工の施された素材であれば、液体が染み込みにくく、応急処置もしやすいですね。
すべての服で対策する必要はありませんが、外食や会食の予定がある日は、選び方を少し意識するだけでも後悔を減らせます。
プロはこうやって落とす
洗いをかけた後にタンニン抜きをし、漂白をするのは前述のとおりです。例えば「きものトータルクリニック吉本」では色物の場合も薬品の使用でひどく脱色しない場合、漂白してから、軽く色落ちした部分に色をかけて仕上げることができます。
デリケート素材や色落ちが心配なものはプロに任せて頂くと安心ですし、仕上がりもきれいです。
最後に
POINT
- お茶のシミは時間経過とともに酸化して定着する。
- 前処理+中性洗剤や漂白剤を使えば家庭でも対処可能。
- 繊維を傷めるNG行動(こすりすぎ・熱湯)に注意する。
お茶のシミは、時間がたつほど落としにくくなりますが、手順を押さえて丁寧に対処すれば自宅でも十分に落とせるケースがあります。焦らず、素材や状況に合わせた方法を選ぶことで、衣類を傷めず清潔な状態に保つことができます。日々の工夫と知識で、無理なく衣類ケアを続けていきましょう。
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