大切な服にミートソースが飛び散ると焦りますよね。でも、もう心配はいりません。この記事では、創業80余年の歴史を持つ京都発祥の染み抜き・お直し専門店である「きものトータルクリニック吉本」さんに、外出先や帰宅後にすぐできるシミ抜き方法をお聞きしました。忙しくて時間がない方や初心者でも安心。誰でも簡単に、服を傷めずきれいに仕上げる方法を具体的に解説します。
【目次】 [hide]
ミートソースのシミは落ちる! 時間が経っても慌てない対処法
ミートソースが服についてしまうと、赤いシミが目立ちやすく、落としにくいと感じる方が多いです。しかし、適切な手順を踏めば時間が経った汚れでもきれいに落とせます。ここでは、状況別に適切な対処法を紹介していきましょう。
外出先で服にミートソースが! すぐできる応急処置とは?
外出時にミートソースが服についてしまったら、すぐに対応することが大切です。まずは、乾いたティッシュやハンカチで固形物を摘み取ります。水分が残っている様であればやさしく吸い取ります。このとき、決してこすらないように注意してください。汚れを広げ、生地の奥まで染み込ませる原因になります。残ったシミは帰宅後に処置しましょう。
着用した状態ではキチンとした処理はできませんし、中途半端な処置はシミを落ちにくくする事が多いので、落としたい気持ちをグッと我慢して応急処置をするだけに留めておきましょう。
帰宅後でも間に合う! 時間が経ったシミの落とし方
応急処置後にシミが残っている場合は、まず水で軽くすすぎ、汚れを落としやすくします。その後、液体の中性洗剤をシミ部分に直接塗り、5分ほどなじませます。この際、汚れを繊維の奥から浮かせるために、指の腹で軽く押し込むようにしたり、裏からも塗ると効果的です。
次に、ぬるま湯(約40度)に浸して10分ほど放置します。熱すぎるお湯は繊維を傷める可能性があるため注意が必要です。汚れが残る場合は、やさしく揉み洗いしながらすすぎ、その後通常通り洗濯しましょう。時間が経って固まったシミでも、この方法ならきれいになります。

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白い服についたミートソースをきれいに落とす方法
白い服にミートソースがついた場合、特に色素が気になりやすいので、より丁寧な処理が必要です。まず、粉末タイプの酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を少量のぬるま湯で溶かし、ペースト状にします。これをシミ部分に塗り、10分程度放置した後、洗い流します。
また、レモン汁と重曹を1:1で混ぜたものをシミ部分に塗ると、天然の漂白効果で赤みを薄くできます。どちらの方法も試した後、通常の洗濯を行えば、白い服の鮮やかさを保ちつつシミを落とすことができるはずですよ。
洗剤選びが大切! ミートソース汚れをきれいに落とすアイテムとは?
ミートソースのシミを確実に落とすには、適切な洗剤選びが重要です。成分や特性を知ることで、シミ抜きの効果を最大限に引き出せます。ここでは、読者が実際に手に取りやすい洗剤と、その効果的な使い方を紹介します。
ウタマロで簡単! 服についたミートソースの正しい落とし方
ウタマロ石鹸は、油分やタンパク質汚れをしっかり分解するアルカリ性の固形石鹸です。特に色の濃いミートソース汚れに適しており、手軽に使えるのが魅力です。
1. シミ部分を水で湿らせる(水分で石鹸を溶かしやすくします)
2. ウタマロ石鹸を直接こすりつける(たっぷり塗ることで汚れに届かせやすくなります)
3. 約5分放置して洗濯ブラシで優しく叩く(強くこすると生地が傷むため、軽く押し当てるイメージ)
4. ぬるま湯でしっかりすすいで通常洗濯
ウタマロスプレーでも同様の手順でシミ抜きが可能ですが、スプレータイプは広範囲の汚れに適しているため、食べこぼしが大きく広がった場合におすすめです。
オキシクリーンを活用した効果的なシミ抜きステップ
オキシクリーンは酸素系漂白剤の一種で、色柄ものの衣類にも安心して使えます。時間が経ったミートソース汚れにも対応できるのが特徴です。
1. 40度のぬるま湯にオキシクリーンを溶かす(1リットルにつき小さじ1が目安)
2. シミ部分を浸して30分放置する(繊維の奥に染み込んだ汚れを浮かせます)
3. 軽く揉み洗いしてから通常洗濯
オキシクリーンの泡が酸素の力で汚れを浮かせるため、シミが頑固な場合でも繰り返し使うと効果を発揮します。ただし、シルクやウールには使用できないため、洗濯表示を確認することが重要です。
家にある日用品で代用できる節約シミ抜きテクニック
特別な洗剤がなくても、家庭にあるもので応急処置が可能です。

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食器用洗剤(中性)
油汚れに強いため、ミートソースの脂分を分解するのに適しています。直接塗り、5分ほど置いた後に洗い流せば、簡単に汚れを落とせるでしょう。
重曹+レモン汁
酸性のレモン汁とアルカリ性の重曹を混ぜることで、発泡作用が発生し、汚れを浮かせやすくなります。ペースト状にしてシミ部分に塗り、10分放置してからすすぐと、自然な漂白効果が期待できます。
シミ落とし初心者も安心! よくある失敗例と回避方法
ミートソースのシミ抜きは簡単そうに見えて、意外と失敗しがちです。適切な方法を知らずに対応すると、汚れが落ちにくくなったり、服を傷めてしまうこともあります。ここでは、初心者がやりがちな失敗と、その回避方法を紹介していきましょう。
絶対NG! ミートソース汚れでやってはいけないこと
まずは、やってはいけない3点を紹介します。
1. 熱湯を使ってしまう
ミートソースの成分には油分やタンパク質が含まれており、高温の水をかけると汚れが繊維の奥で固まってしまいます。
→対策:40℃以下のぬるま湯を使用し、汚れを浮かせることを意識しましょう。
2. いきなりゴシゴシこする
シミをすぐに落としたい気持ちから、力を入れてこすってしまうと、汚れが生地の奥に入り込んでしまいます。特にデリケートな素材は、毛羽立つ原因になってしまいますよ。
→対策:叩くように処理するか、水を含ませて押し出すように優しく拭きましょう。

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3. 漂白剤をすぐ使う
白い服についた赤いシミを早く落とそうと、すぐに漂白剤を塗ると、生地を傷める原因になります。特に色柄ものは色落ちのリスクもあるでしょう。
→対策:まずは中性洗剤や酸素系漂白剤を試し、必要なら目立たない部分で色落ちチェックをします。
シミ抜き初心者が間違えやすいポイントと正しい対処法
多くの人が間違いやすいポイントを紹介します。
1. 乾いたまま洗剤を塗る
ミートソースのシミは乾いたままだと洗剤が馴染みにくく、効果が半減します。
→対策:少量の水でシミ部分を湿らせてから洗剤を塗りましょう。こうすることで洗剤が汚れに浸透しやすくなります。
2. 時間を置きすぎる
洗剤を塗ったまま長時間放置すると、繊維がダメージを受けたり、変色することがあります。
→対策:10分~15分を目安に置き、その後すぐにすすぎましょう。長時間放置したい場合は、適量の水と混ぜた状態でつけ置きをしておきましょう。
3. 洗濯機にそのまま入れる
シミ抜きせずにいきなり洗濯機で洗うと、汚れが残ったまま乾いてしまい、落としにくくなります。
→対策:洗う前にシミ抜きをして、ある程度汚れを落としてから洗濯機に入れましょう。
服を傷めない安全で効果的な汚れ落としのコツ
デリケートな素材や乾燥の仕方、仕上げについて紹介します。
1. デリケートな素材には、刺激の少ない洗剤を
シルクやウールなどの繊細な生地は、通常の洗剤ではダメージを受けることがあります。
→対策:洗濯表示を確認し、専用の洗剤や中性洗剤を使います。優しく手洗いで処理しましょう。
2. 乾燥機を使わず自然乾燥させる
汚れが落ちきっていない状態で乾燥機を使うと、熱でシミが定着し、完全には落ちなくなります。
→対策:洗濯後はしっかり確認し、シミが残っていた場合は再度シミ抜きを試してから乾燥させましょう。
3. 仕上げにアイロンを使うときは注意
アイロンの熱でシミが焼き付くことがあります。
→対策:シミが完全に落ちたことを確認してからアイロンをかけましょう。念のため、低温設定で当て布をするのが安心です。
最後に
ミートソースのシミも、正しい方法を知っていれば慌てることはありません。今回紹介した手軽な方法をぜひ試してみてください。大切な服を自分の手で守れる喜びを感じられるはずですよ。
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