失礼にならない文末やつなぎ表現
「今後ともよろしくお願いいたします」
「引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」
「心よりお礼申し上げます」
敬語・フォーマル度を高める言い換えバリエーション
「大変嬉しく思います」は万能な表現ですが、状況や相手によっては、さらにフォーマルな表現や、異なるニュアンスを持つ言葉に言い換えることで、より的確に気持ちを伝えることができます。
「嬉しく存じます」など上位敬語との違い
「嬉しく存じます」は「思います」の謙譲語で、より丁寧に自身の感情を表現します。ビジネスの正式文書や重要な対外的文面で好まれます。「存じます」には謙譲と丁寧さが含まれており、「大変嬉しく思います」よりも礼儀正しい印象を与えます。
カジュアル・フォーマル別の言い換え例
カジュアル:「とても嬉しいです」
ややフォーマル:「嬉しく感じております」
フォーマル:「大変嬉しく存じます」
間違いやすい表現と注意点は?
「大変喜ばしく思います」と混同する場合がありますが、「喜ばしい」は自分以外の出来事にも使えますので注意が必要です。また、感情を強調しすぎるとビジネス文脈では軽く見られる恐れがありますので気をつけましょう。
関連表現とよく使われる類語・フレーズ集
「大変嬉しく思います」と似た意味を持つフレーズを理解することで、あなたのコミュニケーションはさらに洗練されます。
感謝・労いを伝える表現との違い
「大変嬉しく思います」は「嬉しい」という個人の感情を伝える表現ですが、「感謝」や「労い」は相手の行動や努力に対する評価を伝える表現です。これらは異なる概念ですが、ビジネスシーンではしばしば同時に表現されます。
・「大変嬉しく思います」:自分の心が動かされた喜びを表現。
例:「プロジェクトの成功、大変嬉しく思います」
・「感謝いたします」:相手の行動や援助に対するお礼を表現。
例:「ご尽力いただき、心より感謝いたします」
・「お疲れ様でした」/「ご苦労様でした」: 相手の努力をねぎらう表現。
例:「連日の残業、お疲れ様でした」
これらの表現は、単独で使うだけでなく、組み合わせることでより深いメッセージを伝えることができます。
例:「皆様のご協力により目標達成できたこと、大変嬉しく思います。心より感謝申し上げます」

「ありがたく思います」「心から嬉しく思います」などの使い方
「大変嬉しく思います」に加えて、以下のような表現も効果的です。
「ありがたく思います」
感謝の気持ちが強く込められた「嬉しい」の表現です。相手の厚意や配慮に対して喜びと同時に感謝を示す際に用います。
例:「この度のご配慮、大変ありがたく思います」
例:「貴重なご意見を頂戴し、大変ありがたく思います」
「心から嬉しく思います」
「大変嬉しく思います」よりもさらに、偽りのない、純粋な喜びであることを強調したいときに使います。真摯な気持ちを伝えたい場面で有効です。
例:「皆様の温かいお言葉に、心から嬉しく思います」
例:「長年の夢が叶い、心から嬉しく思います」
「大変光栄に存じます」
相手からの評価や機会を名誉に感じていることを伝える、非常に丁寧な表現です。特に目上の方や重要な場面で使われます。
例:「このような賞を賜り、大変光栄に存じます」
例:「この度の大役、大変光栄に存じます」
状況別・相手別に使える類語・関連表現
「大変嬉しく思います」の代わりに、あるいは組み合わせて使える表現を、状況や相手に応じて使い分けましょう。
【ポジティブな結果や成果に対して】
・「喜ばしい限りです」
・「感無量です」
・「期待以上の結果に感謝いたします」
【相手の支援や協力に対して】
・「大変助かります」
・「心強い限りです」
・「お心遣い、誠にありがとうございます」
最後に
POINT
- 「大変嬉しく思います」はフォーマルな感情表現。
- 相手や立場に応じ「嬉しく存じます」などに調整する。
- 「ありがたく思います」「光栄に存じます」との使い分けも重要。
「大変嬉しく思います」は、感情を品よく包み込み、ビジネスのあらゆる場面で活用できる万能な表現です。大切なのは、その場の背景や相手との関係性に合わせて言葉を整えること。メールや面接など、今日から意識して使えば、あなたの文章や話し方はより洗練され、好感度も高まるでしょう。
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執筆
武田さゆり
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
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