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2024.05.30

「不徳の致すところ」は謝罪の場面で使う言葉|正しい使い方や例文を解説

 

「不徳の致すところ」は、「自分の不適切な行動によって、良くない状況を引き起こしたこと」を意味する表現です。謝罪や反省の気持ちを含むことから、ビジネス文書や謝罪会見で多用されます。本記事では、「不徳」の意味から実際の使い方、言い換え表現などを紹介します。

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ニュース番組などで、政治家などが「わたくしの不徳の致すところです」と謝罪をしている場面を見たことはありませんか? 聞き覚えはあるものの、実際にこの言葉を口にしたことがある方は少ないかもしれません。

「申し訳ありませんでした」「心よりお詫び申し上げます」など、さまざまな謝罪の表現がある中で、「不徳の致すところ」はどのような過ちを犯したときに使われる表現なのでしょうか? 本記事では、「不徳の致すところ」の意味や使い方、言い換え表現などを解説します。

「不徳」は徳が不足することを意味する

まずは、「不徳」とは何かを辞書で確認していきましょう。

[名・形動]
1 身に徳の備わっていないこと。
2 人の行うべき道に反すること。また、そのさま。不道徳。「―な(の)輩(やから)」「―漢」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「徳」に、打ち消し・否定の接頭語である「不」がつく「不徳」。人から尊敬されない行いや無価値な言動などをまとめて表す言葉です。「不徳な政治家」「不徳な輩」など「不徳な〜」という形で用いられることが多いですね。

■「不徳の致すところ」は謝る場面で使用する慣用句

続いて、「不徳の致すところ」の意味を辞書で確認してみると、

自分の不徳のため引き起こしたこと。失敗や不都合のあったとき、謝罪の意味で使う。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

となります。主に、謝罪会見などの場面で用いられる表現ですね。芸能人のスキャンダルや政治家の不祥事が話題になったときに、ニュース番組などで見聞きした経験がある人は多いでしょう。

「不徳の致すところ」は、謝罪に加えて反省の気持ちも含みます。つまり「良くない状況を引き起こしたのは自分である」と認め、反省の意思を持っていることを相手に伝えられます。

マイク

(c) Adobe Stock

「致すところ」は自分が引き起こしたことを意味する

「致す」と「ところ」を組み合わせた言葉が、「致すところ」です。「致す」は「ある原因によってよくない結果をもたらす・引き起こす」という意味の動詞です。

「ところ」は事柄を表す言葉で「内容」「場面」といった意味を持ちます。例えば「思うところ」「たずねたところ」といった表現と同質です。

2つを合わせて考えると「致すところ」の意味は「自分のせいで起こった事柄」です。「不徳」の後に続けることで「不徳によって引き起こしたこと」と表現できます。

使い方の注意点

「不徳の致すところ」は、自分の不道徳な行為によって、周囲に迷惑をかけた際に使われます。主に、政治家の不祥事や企業の謝罪会見など、深く謝罪をする際に使われるので、プライベートでのちょっとしたミスに対して使うのはふさわしくありません。また、家族や友人など親しい人に謝る時に使うのも仰々しすぎるでしょう。

「不徳の致すところ」の主な3つの使い方

「不徳の致すところ」は失敗や過ちに対する謝罪、メールや書面の謝罪文、謝罪会見といった3つの場面で使われます。著名人などの謝罪会見で使用されるイメージがありますが、ビジネスシーンでも使われる表現です。

仕事をするうえでは、自分のミスによって謝罪が必要になる場面があるでしょう。「不徳の致すところ」の使い方を知っておくと、謝罪や反省の意思とともに誠意を伝えたいときに役立ちます。「不徳の致すところ」の使い方を3つのシーン別に見ていきましょう。

失敗や過ちに対して謝罪をする場面

「不徳の致すところ」は、自分が引き起こした失敗や過ちに対して謝罪する際に使います。書き言葉としてメールや手紙に含めるのはもちろん、口語でも使用可能です。

ただし、「不徳の致すところ」だけでは謝罪の気持ちは伝わりません。なぜなら「不徳の致すところ」は、謝罪そのものを意味する表現ではないからです。「申し訳ございません」「ご迷惑をおかけしました」というように謝罪を示す表現を組み合わせるのが基本です。

メールや書面による謝罪文としても利用

「不徳の致すところ」は、ビジネスメールや始末書にも使用できるのでぜひ覚えておきましょう。なお「不徳の致すところ」は、自分よりも立場が上の人に謝罪をする際にも使える、かしこまった表現です。

しかし「不徳の致すところ」は、謝罪表現の中でも重みのある言葉なので、使い方には注意しなくてはなりません。かしこまった場面や重大なミスに対しては使えますが、些細なミスに対して使うと大袈裟な印象を与えます。ミスの程度に合わせて正しい表現を選びましょう。

政治家などが謝罪会見で頻繁に利用

政治家や芸能人などの謝罪会見も、「不徳の致すところ」が使われる場面の1つです。ビジネスシーン以外の公の場でも多用されることから、「不徳の致すところ」の汎用性がわかるでしょう。

謝罪会見の場合もビジネスシーンと同じく、自分の過ちを認める際に使用されます。しかし「不徳の致すところ」は、単なる謝罪や反省の意味ではないことがあります。というのも、政治家や芸能人は不祥事の詳細を曖昧にするために、「不徳の致すところ」を使って内容をまとめ、明言を避けることがあるからです。

謝罪会見

(c) Adobe Stock

「不徳の致すところ」を使った例文

「不徳の致すところ」は、謝罪の際に口頭と文章の両方で使用できます。以下に例文を紹介します。

・本当に申し訳ございません。調査の結果、我々の不徳の致すところにより発生したミスでございました。
・今回のミスは、弊社の不徳の致すところだと認識しています。今後は信頼回復に努める所存です。

失敗や過ちが起こった経緯を明らかにし、「不徳の致すところ」を使って謝罪するのが基本です。ただし前述のとおり、謝罪文に用いる際は、謝罪の言葉を加える必要があります。あわせて、信頼回復に向けて努力する意思を示すのもポイントです。

「不徳の致すところ」の類語3つ

「不徳の致すところ」は、謝罪の際に活用できる言葉ですが、同じ表現ばかりを繰り返して使うと、かえって謝罪の気持ちが相手に伝わらないこともあります。時には他の言葉に言い換えてみてください。

「不徳の致すところ」の類語を3つ紹介します。

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