Summary
- 「一報」とは、簡単な知らせや最初の知らせを意味する言葉。
- 「連絡」との違いは、「一報」は単発の知らせである点が挙げられる。
- 「ご一報させていただきます」は、厳密には二重敬語になる。
ビジネスメールや会話でよく見聞きする、「ご一報ください」「ご一報いたします」といった表現。よく使われるからこそ、ふとした瞬間に「この使い方、合っているかな…?」と不安になるものですよね。
本記事では、「ご一報」の意味や使い方を丁寧に解説し、場面ごとの工夫や避けたい言い回しまで幅広く紹介します。
「ご一報」とは何か?|意味や敬語の視点から丁寧に整理
まずは、言葉の意味から確認していきましょう。
「ご一報」の意味と成り立ち
「ご一報」とは、「一報」という名詞に丁寧さを加える接頭語「ご」をつけたものです。「一報」は、「簡単な知らせ」や「最初の知らせ」を意味します。辞書では次のように説明されていますよ。
いっ‐ぽう【一報】
[名](スル)
1 一度告げ知らせること。ちょっと告げ知らせること。簡単な知らせ。「とりあえず御―ください」
2 最初の知らせ。第一報。「現場から―が届く」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「ご一報」は敬語として正しい?
「ご一報」は、単独では丁寧な言い回しにすぎません。「お(ご)〜いたす」や「お(ご)〜申し上げる」などの動詞とセットで使う必要があります。
つまり、「ご一報」は単独では丁寧な言い回しに過ぎず、「ご一報いたします」や「ご一報申し上げます」と言った動詞を伴う表現になって初めて、敬語として使えるのです。

「一報」は、一度だけ・簡単に知らせることを意味。
「一報」と「連絡」はどう違う?
「一報」と似た言葉に「連絡」があります。ここでは、それぞれの意味を確認しながら、使い分けのポイントを整理していきましょう。
「連絡」の意味を改めて確認
日常的に使う「連絡」ですが、その意味をあらためて辞書で見てみましょう。
れん‐らく【連絡/×聯絡】
[名](スル)
1 関連があること。「一見何の―もない二つの事件」
2 気持ちや考えなどを知らせること。情報などを互いに知らせること。また、その通知。「―をとる」「本部に―する」
3 二つの地点が互いに通じていること。また、異なる交通機関が一地点で接続していること。「私鉄と―する駅」「―橋」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
つまり、「連絡」とは情報や意思を互いに伝え合うことを指します。
ビジネスシーンでは「上司に連絡する」「お客様へ連絡を入れる」など、相互のやりとりを前提にした言葉として使われますよ。
「一報」と「連絡」の違い
一方、「一報」は、一度だけ・簡単に知らせることを意味します。
つまり、「連絡」は、内容のやり取りが前提であるのに対し、「一報」は単発の知らせを指します。

「ご一報」の使い方を例文とともに確認
言い回しひとつで印象は大きく変わります。ここでは、「ご一報」を含む例文とともに使い方を確認していきましょう。
「ご都合のいい日時が決まりましたら、ご一報ください」
相手の予定に合わせて調整を依頼する場面で使う定型的な表現です。「ご一報ください」は「知らせてください」という丁寧な言い方で、連絡のお願いを柔らかく伝えます。


