「ご愛顧いただき」の意味・定義
「ご愛顧いただき」はビジネスメールや手紙でよく見かける表現の一つです。具体的には、どのような意味で使われているのでしょうか？ まずは意味と定義を確認しましょう。
「愛顧」は「目をかけて引き立てる」の意
辞書を見てみると、「ご愛顧いただき」の「愛顧」には以下のような意味があります。
［名］(スル)目をかけ引き立てること。引き立てられる側からいう語。ひいき。「今後ともいっそうの御愛顧を賜りますよう」
引用：小学館 デジタル大辞泉
つまり「ご愛顧いただき」には「目をかけて引き立てていただき」「ごひいきいただき」のような意味があるといえます。ビジネスシーンでは一般的に、自社のサービスを利用してくれている相手に対して、お礼のような意味を込めて使われる表現です。
ビジネスでは利用客や取引先に対して使用する
「愛顧」には「かわいがって面倒を見る」といった意味合いもありますが、ビジネスシーンでは、自社のサービスや商品を利用してくれている顧客や取引先に対して使用されるケースがほとんどです。
特に、いつも商品を購入してくれるリピーターや、取引が長く続いている取引先に対して使うことが多いといえるでしょう。普段からサービス・商品を使ってくれる相手に対して「いつも利用してくれてありがとう」という意味を込めた言葉です。
「ご愛顧いただき」を使うビジネスシーンと例文
実際に、どのような場面で「ご愛顧いただき」を使うのでしょうか。おもな使用場面と例文を紹介します。使い方を覚えておけば、挨拶文やお礼の言い回しを考えるときに役立つはずです。
日頃の感謝を込めて使うケース
「ご愛顧いただき」は、日頃の感謝を込めることが多い言葉です。たとえば常連客に対するお知らせや、利用客に対するお礼文などに使われます。
普段サービスや商品、店舗を利用してくれている利用客や取引先に対して、「いつもご利用ありがとうございます」という気持ちを表現できます。
挨拶文や締めの言葉として活用するケース
「ご愛顧いただき」は利用客や取引先に対する挨拶文や、締めの言葉にも使われます。
挨拶文や締めの言葉として使う場合は、場面や前後の文章に合わせて「ご愛顧を賜りますよう」「ご愛顧いただき」「ご愛顧のほど」などの言い回しを検討しましょう。
「ご愛顧いただき」を使うときの注意点
「ご愛顧いただき」を使うときには、使い方や場面を把握しておきたいもの。使用時の注意点とポイントを確認しましょう。
自分が相手を引き立てているときには使えない
「愛顧」や「ご愛顧いただき」は、受け身の言い回しです。引き立ててもらっている方が、引き立ててくれている相手に対して使用します。
相手のサービス・商品を愛用している場合には使用できません。もし、取引先の商品を愛用していることを伝えたいようなときには、「御社の商品を愛用しております」「御社のサービスをいつも利用しております」といった言葉を使いましょう。
使う場面を検討する
ビジネスでの「ご愛顧いただき」は、あくまでも「当社のサービスを利用していただき」といった意味です。
「愛顧」に「かわいがる」「世話をする」といった意味が含まれているとはいえ、現代のビジネス用語ではおもに顧客や取引先向けの言葉であり、社内では基本的に使用されないといえるでしょう。
また、自分のことを引き立ててくれる上司や目上の人がいたとしても「愛顧」を使うのは不自然です。
ビジネス関係の相手であったとしても、個人間のコミュニケーションでは別の言葉に言い換えることを検討するのが賢明です。
