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「平素」の意味とは?
平素は「へいそ」と読み、「常日頃」または「ふだん」を丁寧に表現した言葉です。 この熟語は「普通」や「何事もなく安らか」などの意味を持つ「平」と、「もとから」や「常に同じ状態であること」などを表す「素」から成り立っています。それぞれの漢字から考えると、平素の意味を理解しやすいはずです。
「平素」の使用シーンや使い方を解説
「平素」は主に書き言葉として使われ、文書の定型表現として用いられることの多い言葉です。挨拶文や書き出しで使うことが多く、主に「平素は」「平素より」という表現を用います。 ビジネスシーンでよく使われる熟語なので、とくに取引先とやり取りする機会の多い人は注目してみてください。
挨拶文や書き出しで使うことが多い
前述した通り、「平素」は口語より書き言葉として多く用いられ、企業間のビジネスメールや挨拶状などの書き出しに使われます。ほかにもお礼状・詫び状・案内状などで利用される表現なので、ビジネスシーンには欠かせない言葉です。
使用シーンからもわかる通り、「平素」は日頃の感謝を伝えるだけでなく申し訳ない気持ちを表現するときにも使えます。詫び状では冒頭に「平素より格別のご愛顧をいただき誠にありがとうございます」と入れることで、誠意を伝えつつお詫びの気持ちを表現できます。
主な使い方は「平素は」「平素より」
使い方としては、「平素は」「平素より」のように助詞や格助詞をつけて使用するのが一般的です。厳密な使い分けはありませんが、この2つは少しニュアンスが異なるため意識して正しく使うようにしましょう。 まず「平素は」は、過去を表す意味合いの強い言葉です。
例えば「平素は格別のお引き立てを賜り」の場合は、過去に受けた愛顧や支援を意味すると理解できるでしょう。 一方「平素より」は過去から今に至るまでの経過を表します。格助詞の「より」は作用や動作の起点を表す言葉。
例えば「平素よりお世話になっております」の場合は過去だけでなく、現在までの継続的な期間を表しています。 また、使用頻度は少ないですが「平素の努力」のように副詞としても用いられることもあるので覚えておきましょう。
「平素」を使う際の3つの注意点
「平素」には「初対面の人には使用不可」「砕けた表現は併用できない」「基本的には社内で使用しない」という3つの注意点があります。ビジネスでよく使われる言葉だけに、正しく使用しないと相手に違和感を与えてしまうので気を付けたいところです。 ここでは3つの注意点について詳しく説明していきます。
初めて接する相手には使わない
「平素」は初めての挨拶では使用できません。「常日頃」「普段」などの意味を持つことから、以前より面識のある相手に用いる言葉だからです。そのため会ったことのない人に「平素よりお世話になっております」と書くのは不適切です。
ただし自社のサービスを長く利用している顧客や商品を愛用している人など、面識がなくとも関係性を築けている人には上記の表現を使っても問題ありません。
砕けた表現をあとに続けない
「平素」はかしこまった表現なので、あとに砕けた文章を続けるのは避けましょう。例えば「平素より○○サービスを利用してもらって」のような使い方はしません。
上記のようにかしこまった言葉と砕けた表現が混在すると、文全体のバランスが取れないうえに相手へ違和感を与えてしまいます。「平素」を使うときは文章全体の雰囲気を統一させるのが基本です。