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「お含みおきください」の正しい意味は?
普段何気なく目にしている、「お含みおきください」。そもそも、「お含みおきください」の正しい意味は何なのでしょうか?
「心にとめておいてください」の尊敬表現
「お含みおきください」は、「心にとめておいてほしい」気持ちを伝える尊敬表現です。「含みおく」とは、以下のような意味を持っています。
ふくみ‐お・く【含み置く】
心に留めておく。了解しておく。「以下の点、お―・きください」
【参考】小学館デジタル大辞泉
「お含みおきください」とは、「含みおく」に、尊敬語の「お」と丁寧語の「ください」を付け、やわらかいニュアンスを生み出したもの。目上の方に対する敬語として、正しく使用することができます。
「お含みおきください」の類語と言い換え
目上の方に使える「お含みおきください」は、以下の類語でも言い換えることができます。
「お見知りおきください」
「お見知りおき」は、「知り置く」の尊敬表現です。初対面で使用する機会が多く、「自分のことを知っておいてほしい」という気持ちを伝えることができます。
<例文>
はじめまして。この度のプロジェクトに参加する〇〇と申します。以後、お見知りおきください。
「ご承知おきください」
「これから起こることを了解し、そのための準備をしておいてください」と伝える尊敬表現です。ただし、「承知して」=「知っておいて」と伝えるのは、上から物を言うような印象を与えかねません。そのため、目上の方に使うのは避けたほうが無難だと考えられます。
<例文>
期日までにお返事いただけない場合、お時間頂戴することをご承知おきください。
「ご理解を賜れれば幸いです」
「こちらベストを尽くしても、相手に不都合なことが生じるかもしれない」。そのようなときに使用できる言葉です。「あらかじめ理解しておいてもらえるとうれしい」という気持ちを、丁寧に伝えることができます。
<例文>
この度、下記の期間を臨時休業とさせていただきます。お客様にはご迷惑おかけしますが、ご理解を賜れれば幸いです。
「ご容赦ください」
「どうか許してください」と願いをこめて使う言葉です。相手の希望に沿えなかったときのお詫びや、あらかじめ不備を断っておくための言葉として使うことができます。
<例文>
当日は十分な在庫を確保しておりますが、売り切れの際はご容赦ください。
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「お含みおきください」のシーン別使用例
前述したように、「お含みおきください」は「心にとめておいて」とお願いしたい気持ちを表す言葉です。さらに、「強くお願いしたいとき」「催促や抗議の意味を含むとき」などのシーンに合わせ以下のように使用できます。
強くお願いしたいとき
ビジネスでは、取引先に「強く心にとめておいてほしい」と伝えたい場面もあるでしょう。そのようなときにも、「お含みおきください」を上手に活用すれば、こちらの意思を丁寧なニュアンスで伝えられます。
<例文>
・〇日までにお振込みいただけない場合は、キャンセルとなるますことをお含みおきください。
・問い合わせ多数の場合は、必ずしもお席を確保できないことあらかじめお含みおきください。
催促や抗議の意味を含むとき
より強い意味合いを持たせたい遅延催促や抗議を示す文書、メール。これらにも「お含みおきください」を使用できます。
<例文>
・このままご連絡いただけない場合には、不本意ながらしかるべき対応を取らざるを得ない旨、お含みおきください。
・以前として貴社からのご送金がなく、残念ながらお取引をお断りせざるを得ない状態です。この点、お含みおきのうえ、至急ご送金方お願いいたします。