【目次】
・「拝見しました」の意味や読み方とは?
・「拝見しました」は敬語として正しい?
・使い方を例文でチェック
・類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
・英語表現とは?
・最後に
「拝見しました」の意味や読み方とは?
まず、「拝見しました」の意味と読み方から見ていきましょう。

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■読み方と意味
「拝見しました」は「はいけん しました」と読みます。「拝見しました」の意味を辞書で調べてみましょう。まずは「拝見」の意味です。
「拝見」は「見ることをへりくだっていう語。謹んで見ること」。 (小学館デジタル大辞泉より)
「しました」は「~した」の丁寧語。よって、「見た」という過去の行為を、へりくだって相手に伝える表現です。
「拝見しました」は敬語として正しい?
「拝見しました」は敬語として正しいか? その答えは、イエスです。「拝見しました」は、「見る」の謙譲語「拝見」と、丁寧語の「しました」で成り立つ言葉。よって目上の人や、敬意を払うべき相手に使うことができる表現です。

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また、「拝見~」はよく使う表現ですが、誤った使い方をしやすい表現でもあるんです。次に、「拝見~」の誤った表現をしない為に、ビジネス等で使う時の注意点をご紹介します。
■ビジネス等で使う時の注意点
注意その1:「二重敬語に注意」
「拝見~」でよくある、誤った表現の一つに「二重敬語」があります。「二重敬語」とは、「謙譲語+謙譲語」など、同じ種類の敬語を繰り返して使うことです。
例えば、「拝見させていただきました」、こちらは誤った表現です。「普通に使ってた!」という方も多いのではないでしょうか。何故、誤った表現かというと、先程も述べたとおり、「拝見」は「見る」の謙譲語。そして、「~させていただきました」は「~させてもらった」の謙譲語。よって「謙譲語+謙譲語」の表現に当たるからです。
その他、誤りがちな表現として「ご拝見します」「拝見申し上げます」が挙げられます。すべて誤った表現ですので、ご注意下さい。
また「拝見いたします」は、「~いたします」が「する」の謙譲語であるため、二重敬語とする説もあります。しかし、長い間広く使われてきたこともあり、「拝見いたします」は敬語として使っても問題ないとされています。
注意その2:「相手が見ることは “ご覧” とする」
「拝見」は、自分が「見る」ことに対して使う表現です。敬意を払う相手が「見る」事に対しては「ご覧」と表現します。例えば、「見てもらえましたか?」は、相手が見るため、「ご覧いただけましたか?」となりますよね。
使い方を例文でチェック
前述した注意点をふまえて、実際どのように「拝見~」を使うのか、見ていきましょう。

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1:「先日頂いた企画書を拝見しました」
目上の人や取引先の相手に、「企画書を見ました」という時に使う表現。この時、注意点でも述べた、二重敬語にも気をつけて下さいね。
2:「〇〇様のお姿を拝見できて、大変嬉しく思います」
「拝見」は人に対しても使える表現です。この場合は、「お会いできて嬉しいです」と「お元気そうで嬉しいです」というニュアンスを伝える表現です。
3:「企画書を、もう一度拝見することは可能でしょうか?」
こちらの表現は、お願いをするシーンで使う表現。「見ることはできますか?」という意味で、「拝見することは可能でしょうか?」と表現します。
類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
場面によって、言葉を使い分けられると、素敵ですよね。ここでは、「拝見する」の言い換え表現をご紹介します。シーンに合わせて、適切な表現をしてみてください。

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1:拝読しました
「拝読(はいどく)」は、読むことを、その筆者を敬っていう謙譲語です。メールや文章を「読みました」ということを、へりくだって言う表現。目上の人や敬意を払う相手に使うことができます。
(例)
・先ほど、頂いていた資料を拝読しました。
・〇〇さんが書かれた本を拝読しました。
2:確認しました
「確認しました」は、「確認した」の丁寧語です。「確認」とは「はっきり認めること」という意味で、こちらもまた「見た」という表現の一つです。また、「確認しました」を謙譲語の「確認いたしました」に換えて言うことも出来ます。
(例)
・確かに資料が、添付されているのを確認しました。
・添付していただいた、資料を確認いたしました。
3:拝覧しました
「拝覧(はいらん)」は、見ることをへりくだっていう表現。謹んで見ること。こちらも「見る」ことを意味していますが、「拝覧」の場合、大きなもの、壮大なものを見上げるというニュアンスで使われる表現。主に、歴史的な建造物、芸術的な建物や寺社仏閣などを見るときに使われます。
(例)
・御社の素晴らしい社屋を拝覧しました。
・非公開のご本尊を拝覧しました。
英語表現とは?
英語は敬語表現がないため、「拝見」の英語表現は「見る」という意味の「see」や、「take a look at~」で表すことができます。それでは「see」や「take a look at 」などを使った例文をチェックしていきましょう。

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I saw that document .
(私はその資料を拝見しました)
I will take a look at that document.
(私はその資料を拝見します)
I had a chance to look at your report.
(私はあなたの報告書を拝見しました)
最後に
「拝見しました」の意味や注意点、使い方などをご紹介いたしました。「拝見しました」は、メールや文章だけでなく、話し言葉としても使われます。毎日のように使われる表現だからこそ、正確な使い方をマスターしたいものですね。
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