「拝見しました」は、何かを見たことをへりくだって相手に伝える表現となります。
Summary
- 「拝見しました」とは、何かを見たことを、へりくだって相手に伝える敬語
- 「拝見させていただきました」は二重敬語となる誤った表現なので、言い回しに注意が必要
- シーンに合わせて「拝読しました」「拝覧しました」などの適切な表現を選びましょう
Contents
「拝見しました」の意味は?
まず、「拝見しました」の意味と読み方から見ていきましょう。

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「拝見」の読み方と意味
読み方は「はいけんしました」です。「拝見」の意味を辞書で調べると、下記の通り掲載されています。
はい‐けん【拝見】
[名](スル)見ることをへりくだっていう語。謹んで見ること。「お手紙—しました」
小学館『デジタル大辞泉』より引用

「拝見しました」は敬語として正しい?
「拝見しました」は敬語として正しいか? その答えは、イエスです。「拝見しました」は、「見る」の謙譲語「拝見」と、丁寧語の「しました」で成り立つ言葉。よって目上の人や、敬意を払うべき相手に使うことができる表現です。

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■ビジネス等で使うときの注意点
「拝見~」はよく使われる表現ですが、誤った使い方をしやすいため注意が必要です。ここでは、言葉を誤って使わないために、ビジネス等で使うときの注意点をご紹介します。
二重敬語に注意
「拝見~」でよくある、誤った表現の一つに「二重敬語」があります。「二重敬語」とは、「謙譲語+謙譲語」など、同じ種類の敬語を繰り返して使うことです。
たとえば「拝見させていただきました」は誤った表現です。もしかすると、「普通に使っていた!」という方も多いのではないでしょうか。「拝見する」は「見る」の謙譲語です。そして、「~させていただきました」は「~させてもらった」の謙譲語。よって「謙譲語+謙譲語」の二重敬語になっています。
そのほか誤りである表現として、「ご拝見します」「拝見申し上げます」が挙げられます。

「拝見させていただきました」「ご拝見します」「拝見申し上げます」は誤った表現といえます。
また「拝見いたします」は、「~いたします」が「する」の謙譲語であるため、二重敬語とする説もあります。

ただ、「拝見いたします」は長い間広く使われてきたこともあり、敬語として使っても問題ないとされています。
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相手が見ることは “ご覧” とする
「拝見」は、自分が「見る」ことに対して使う表現です。対して、敬意を払う相手が「見る」ことは「ご覧」と表現します。例を挙げると、「見てもらえましたか?」は相手が「見る」ことになるため、「ご覧いただけましたか?」となります。

相手が見たかどうか確認したいときは「ご覧いただけましたか?」を使いましょう。
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使い方を例文でチェック
前述した注意点を踏まえて、実際どのように「拝見~」を使うのか見ていきましょう。

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「拝見しました」
目上の人や取引先相手に、「企画書を見ました」と伝えたいときに使う表現です。使用の際には、注意点でも述べた二重敬語に気をつけましょう。
例文
・先日頂いた企画書を拝見しました
「拝見」
「拝見」は人に対しても使える表現です。この場合は、「お会いできてうれしいです」と「お元気そうでうれしいです」というニュアンスを伝えています。
例文
・〇〇様のお姿を拝見できて、大変うれしく思います
「拝見することは可能でしょうか?」
こちらは、お願いをするシーンで使う表現。「見ることはできますか?」という意味を丁寧に伝えるため、「拝見することは可能でしょうか?」と表します。
例文
・企画書を、もう一度拝見することは可能でしょうか?
「拝見したところ」
「拝見したところ」は、相手の物や情報などを敬意をもって見た結果、何らかの意見や判断など述べたいことがあった際に用いられる表現です。
例文
・先日頂いた企画書を拝見したところ、斬新なアイデアが盛り込まれており、大変興味深く思いました