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【目次】
梅雨の部屋干しで起こる困りごと
雨が長く続く梅雨の時期でも洗濯はしなければならず、部屋干しをしている家庭も多いと思います。湿気が多い時期の部屋干しは、さまざまな困りごとが起こりがちです。どのようなことが起こるのか、見ていきましょう。
■雑菌が繁殖して臭いがつく
部屋干しで起こりやすいのが、嫌な臭いです。嫌な臭いの原因は「モラクセラ菌」という雑菌の一種で、空気中や人の体など、あらゆる場所に存在します。それ自体では臭いを発するものではありません。
しかし、水分や皮脂汚れなどがある場所で急激に繁殖し、臭いの原因になる物質を発生させます。水分を含む状態が長く続いたり、汚れや汗が洗濯で落とし切れていないとで原因物質は大量に増え、嫌な臭いがついてしまうのです。
臭いを発するのは約5時間後
菌は衣類を洗濯し終わってから時間の経過とともに増えますが、特に繁殖しやすいのは湿度が60%以上と高く、温度が20度から30度の状態です。ちょうど梅雨があてはまる環境で、臭いが発生するまでの時間も短くなります。
雑菌が繁殖して臭いを発するまでの時間は平均5時間後とされていますが、それまでに乾かすことが臭いを抑えるポイントといえるでしょう。
■乾くまでに時間がかかる
湿度の多い梅雨の部屋干しは、乾くまでにはどうしても時間がかかります。それが臭いの原因でもありますが、早く乾かないことで着るものが足りなくなるのも困りごとのひとつです。
梅雨の時期は蒸し暑く、汗をよくかくため頻繁に洗濯しなければなりません。しかし、乾きが遅ければ干すものばかり増えて干す場所もなくなってくるでしょう。
梅雨の部屋干しで臭いをつけない4つのコツ
部屋干しで特に困るのは臭いです。梅雨の部屋干しで臭いをつけないためには、押さえておきたいポイントがあります。4つのコツを紹介しましょう。
洗濯機を清潔に保つ
臭いの原因は雑菌であるため、まずは洗濯機を清潔に保つことが大切です。洗濯機の中はカビが生えやすいため、定期的に専用の洗剤で掃除しましょう。洗濯が終わったあとは毎回蓋を開けておき、乾かすようにしてください。
また、洗濯機の中に洗う物を直接入れておくのはやめましょう。洗濯機を洗濯カゴ代わりにし、汚れた衣類を入れっぱなしにしておくと、洗濯物と洗濯槽のどちらにも菌が繁殖して臭いやカビの原因になります。毎日の洗濯物は、通気性の良いランドリーボックスに入れるようにしましょう。
洗濯物を湿った状態で放置しない
洗濯物をすぐに干さず、湿った状態で放置するのはやめましょう。洗ったあとすぐに干せない場合はすすぎが終わった段階でいったん停止し、生乾きの状態にはおかないようにします。脱水したあとは、すぐに干すことを心がけてください。
抗菌効果のある洗剤や柔軟剤を使う
梅雨の時期は、できるだけ抗菌効果のある洗剤や柔軟剤を使うようにします。抗菌作用により臭いの原因になる雑菌を抑えることで、臭いの発生を防ぐことができます。最近は部屋干し向けに開発された洗剤も販売されているため、それらを利用してみるのもよいでしょう。
ただし、これらの洗剤などを使えば絶対臭わないわけではなく、干し方も大切です。いくら抗菌効果の高い製品を使っても、湿度の高い場所で長時間乾かない状態におけば、時間の経過で臭いが発生してしまいます。
臭い対策には、酸素系漂白剤や重曹を併用することもおすすめです。酸素系漂白剤は臭いの原因になる雑菌を除菌するもので、部屋干し用洗剤の多くにも使われています。酸素系漂白剤は「過酸化水素」や「過炭酸ナトリウム」という成分からできており、皮脂汚れなどに強い効果を発揮する洗剤です。洗濯する前に衣類をつけ置きして使い、嫌な臭いを防止することができます。
また重曹も、臭いそのものをとる効果があるほか、臭いの元になる皮脂汚れを落とす働きが特徴です。さらに、洗濯槽の中で雑菌が繫殖するのを防ぐ効果もあります。洗濯には100円ショップでも手に入る掃除用の重曹を使いましょう。
使用するときは、中性洗剤ではない「洗濯用の液体石鹸」と併用します。使用量の目安は、液体石鹸の使用量の半分です。例えば、本来液体石鹸を50ml使用する場合には、石鹸を25ml、重曹を25ml入れることになります。重曹は水に溶けにくいため、40℃前後のぬるま湯に溶かしてから使いましょう。
カーテンレールや壁沿いは避ける
部屋干しは生活の邪魔にならないよう、カーテンレールや壁沿いを利用するという方もいるかと思います。しかし、これは避けましょう。カーテンや壁に湿気が移ることでカビの原因にもなります。次にまた同じ所に干す場合、洗濯物にもカビが移ってしまうでしょう。
また、カーテンや壁自体にも目に見えない汚れがあり、それが洗濯物に付くことで臭いの原因になります。カーテンや壁沿いは空気も流れにくく、洗濯物の乾きも悪くなるでしょう。
梅雨の部屋干しにおすすめの洗剤
梅雨の時期は部屋干しになりがち。湿度の高さもあり生乾きのニオイが気になることも多いと思います。生乾き臭や雑菌の対策ができるアイテムを使うようにしましょう。
洗濯の際には、「P&G レノア煮沸レベル消臭抗菌ビーズ 部屋干し 花とおひさまの香り」「花王 ハミング消臭実感」「P&G アリエールジェル 部屋干しプラス」「花王 アタック ZERO 部屋干し ワンハンドプッシュタイプ」といった部屋干しや抗菌に特化した洗剤や柔軟剤を選ぶといいでしょう。「オキシクリーン」でのつけおきや、衣類乾燥除湿機を使うのも効果的です。
また雑菌は洗濯槽に原因があることも。洗濯機自体のケアも大切です。
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梅雨の部屋干しで早く乾かす6つのコツ
部屋干しで洗濯物の乾きが遅くなることは臭いが発生する原因になりますが、工夫次第で洗濯物は早く乾かすことができます。6つの方法をご紹介するので、ぜひ試してみてください。
間隔をあけて干す
洗濯物は、間隔をあけて風が通れるようにすることが大切です。風にさらされている部分は水分が蒸発しやすくなります。その際、できるだけ風にさらす面積を広く干すことがポイントです。洗濯物同士が重なり合わないことはもちろん、単体でも干し方を工夫します。
タオル類は二つ折りにしないで広げてください。Tシャツ類をハンガーに干す際は、はりついている状態の身頃や袖を剥がします。ハンガーを厚みのあるものにすると、ちょうどよく隙間ができるでしょう。
ピンチハンガーに干すものは、靴下類などもすべて一つ一つ干します。また、ピンチハンガーでは長さがある洗濯物を外側に、短いものは内側にする「アーチ型」の干し方がおすすめです。空気の流れが良くなり、乾きも早くなるでしょう。
セーターやカーディガンなどは、型崩れを防ぐため専用の平干しネットを使います。重なり合わないよう、広げて干してください。トレーナーのような厚手の服はハンガーを2本使い、前後を開くように吊るせば空洞ができて早く乾きます。その際は袖も持ち上げ、脇下にも風があたるようにしましょう。
また、繊維によって乾く速度は違うため、早く乾いたものから取り外すようにしてみてください。間隔があいて、より乾きが早くなります。
裏返して干す
ズボンやTシャツ、上着類はポケットの内側や縫い目が乾きにくいため、裏返して干す方が早く乾きます。ズボンはピンチハンガーに胴回りを挟んで筒状にすると、空気がよく通るでしょう。脱ぐときに裏返す習慣をつけると便利です。
天気が良い日に外干しする際も、裏返してあれば日光による色褪せを抑えることができます。
エアコンや扇風機の風をあてる
部屋干しは風通しの良い場所が理想的ですが、空気がよく回らない場所では、エアコンや扇風機、サーキュレーターを使うとよいでしょう。空気が循環し、早く乾きます。
サーキュレーターは部屋の空気を循環させる役割があり、扇風機は人が涼むためのものです。洗濯物を乾かす目的ではサーキュレーターの方が向いていますが、扇風機しかないという場合でも問題ありません。
エアコンであれば、除湿機能を使えばより効率的です。電気代を抑えたい場合は、扇風機を上手に活用しましょう。洗濯物の水分は下にたまっていくため、扇風機で下から風を送ることで、より乾きが早くなります。
全体的にあてるときは、洗濯物のすき間に風が通るよう、洗濯物から1mほど離して首振りに設定してください。洗濯物が落ちないよう、強さは「弱」に設定します。強い風でなくても、空気が循環して風が当たることで乾きは早くなるでしょう。
除湿機を使う
除湿機があれば、活用しましょう。梅雨時の部屋干しが乾きにくいのは、湿度が大きな原因です。除湿機を使って湿度を下げれば乾く速度も格段に上がります。除湿機も扇風機の場合と同じく、洗濯物の下に置くと効果的です。乾燥風が下にたまりやすい水分を効率良く飛ばします。
部屋干しは部屋の湿度を上昇させるため、特に梅雨時はカビが発生しやすくなるもの。除湿機を使えば洗濯物の乾きが良くなるだけでなく、カビの発生も抑えられるのがメリットです。
浴室に干す
室内に干すスペースがない場合、換気扇のある浴室に干すという方法もあります。浴室は水分の多い場所ですが、狭い空間を効率的に乾かす換気扇が付いているため、洗濯物を乾かすのにも適しているのです。ただし、換気扇だけでは換気量が少ないため、窓も開けた状態で干すことが大切です。
また、換気扇に浴室乾燥の機能が付いている場合は、温風機能を使うことでより早く乾かせます。洗濯機と浴室が近い場合、すぐ干せるのも浴室に干すメリットです。部屋まで洗濯物を持って移動する手間がありません。
また、部屋に洗濯物が並んで美観を損ねるということもなくなります。リビングなどに洗濯物が並んでいると、落ち着かないこともあるでしょう。急な来客の場合も慌ててしまいます。
アイロンや新聞紙を使う
洗濯物を早く乾かす裏技といえるのが、アイロンがけです。脱水が終わった衣類にアイロンをかけてから干せば、早く乾きます。どちらにしろアイロンをかける衣類は、干す前にかけるとよいでしょう。乾きが遅く、一部が湿っている衣類を乾かす場合もアイロンが便利です。
また、新聞紙には除湿の効果があるため、干した洗濯物の下に敷くなどして湿気を取り除けます。特に湿度の高い梅雨時には役立つでしょう。
部屋干しする際の注意点
部屋干しのコツを押さえるだけでなく、注意点を把握しておくことも大切です。部屋干しする際に気をつけたいことを紹介します。
洗濯物をためずこまめに洗うこと
洗濯物はこまめに洗うようにしましょう。梅雨時は天気の日を待って洗濯物をためがちになりますが、汚れた洗濯物をためておくこと自体が臭いの原因になります。汗や皮脂汚れに雑菌が繁殖し、臭いを発生させてしまうでしょう。
また、たまった衣類を一度に洗うと干す量も多くなり、上手に隙間を開けて干せなくなります。少ない量であれば部屋干しでも乾きやすいため、できるだけ毎日洗って短い時間で干すことを心がけましょう。
洗剤は使いすぎないこと
部屋干しで臭いが出るのを防ぎたいからと、洗剤を使いすぎるのはNGです。洗剤は洗濯の量に決められた分量を使うことが大切で、少なすぎるのはもちろん、多すぎても汚れ落ちの効果は得られません。
多く入れすぎた場合はすすぎきれなかった洗剤が洗濯機の中に残り、雑菌やカビの温床になります。かえって臭いの原因になるでしょう。洗剤が衣類に残ってアレルギーの原因にもなる場合もあります。規定より多い洗剤により、衣類が傷んだり、色落ちしたりすることにもあります。洗剤の減りも早く、経済的にもデメリットです。
風呂の残り湯ですすぎをしないこと
洗濯のすすぎには風呂の残り湯を使わないようにすることも大切です。洗濯に風呂の残り湯を使えば、水道代の節約になるため利用している人も多いでしょう。
しかし、風呂の残り湯には人の垢や皮脂が多く含まれ、雑菌のエサとなります。風呂水は雑菌が繁殖しやすい場所で、それをすすぎに使えば臭いの原因になってしまうでしょう。
そのため、残り湯は洗剤で洗うときだけ使い、すすぎは水道水を使うようにしてください。残り湯で洗う場合も、抗菌効果のある洗剤を使うことをおすすめします。
部屋干しのコツを押さえて梅雨時も快適に過ごそう
梅雨のときの部屋干しは乾きにくく、干し方によっては臭いがついてしまいます。しかし、工夫することで臭いを抑え、早く乾かすことが可能です。晴れる日を待って洗濯物をためてしまうのはかえって衣類に臭いをつける原因にもなるため、コツをつかんでこまめに洗濯しましょう。記事も参考にしながら、梅雨時の部屋干しを上手に行ってください。
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