一般的には社内で使用しない
「平素よりお世話になっております」などの言い回しは、基本的に社内の人間同士では使いません。一般的に取引先や顧客に使う言い回しなので、社内では丁寧過ぎる印象を与えてしまうからです。
場合によっては丁寧すぎてかえって嫌味っぽく聞こえる、まさに慇懃無礼の状態になってしまいます。例えば、社内では「お疲れ様です」といった表現のほうがよい場合が多いです。 ただし、あくまで一般常識の範疇ですので、企業ごとの社風やルールに合わせて判断するのが賢明でしょう。
【目次】
「平素」を使った4つの表現
ビジネスでよく使われる表現は「平素は格別のお引き立てを賜り」「平素よりご厚情をいただき」「平素より○○をご利用の皆さまには」「平素よりお世話になっております」の4つです。
それぞれの意味や活用例を詳しく解説していきますので、ふだん何気なく使っている人はこの機会に正しい使い方をマスターしましょう。
平素は格別のお引き立てを賜り
「平素は格別のお引き立てを賜り」は文書の挨拶文としてよく使われる定型文です。「常日頃、特別な心配りをしていただき」といった意味合いで、時候の挨拶文と併せて使われます。
例えば「晩秋の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。また平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます」といった形です。公的な文書の場合は拝啓と敬具をセットで使うとよりよいでしょう。
平素よりご厚情をいただき
「平素よりご厚情をいただき」はお礼状や年賀状、または改まって連絡する場面などで使われます。「厚情」とは相手の思いやりや心配りに敬意を表するときに使用する言葉で、日頃からの感謝を伝えるときによく使われる定型文です。
「平素よりご厚情をいただき」のあとには「誠にありがたく存じます」「心より御礼を申し上げます」などの表現が続きます。「ご厚情」は、似た意味を持つ「ご厚意」に言い換えることも可能です。
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平素より○○をご利用の皆さまには
「平素より○○をご利用の皆さまには」という表現は、何かの告知の際に活用できます。企業がサービスの変更や商品に関するお知らせを伝えるときによく目にする表現でしょう。
例えば「平素より○○をご利用の皆さまには、大変ご迷惑をおかけいたします」のように、変更に対して詫びる気持ちを表すときに使われます。利用者に日頃の感謝を伝えたいときは「平素より○○をご利用いただき、誠にありがとうございます」といった表現を用いるとよいでしょう。
平素よりお世話になっております
「平素よりお世話になっております」は主にビジネスメールの冒頭で使われます。もっともベーシックな使い方なので、使う頻度の多い表現と言えるでしょう。 この言い回しは、継続的な関係を築いてもらっていることに対して感謝の気持ちを表す言葉です。ただの挨拶ではなく相手に日頃の感謝を伝えられる表現として活用することができるでしょう。