ご配慮とは、相手を慮(おもんばか)った気持ちを、行き渡らせるという意味です。
Summary
- 「ご配慮」は「配慮」の丁寧な表現で、「思いやり」を意味する言葉
- 目上の人や上司、取り引き先の人に使える敬語表現だが、同僚や部下にはあまり使わない
- 言い換え表現は「お気遣い」「ご厚情」「お心配り」など
「ご配慮」の意味や読み方とは?
まずはじめに、「ご配慮」の意味や読み方を確認しましょう。あわせて「ご配慮」の意味も含めて、詳しく説明していきます。

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意味と読み方
「ご配慮」は「ごはいりょ」と読みます。「心を配る」「心遣い」といった意味の「配慮」に接頭語の「ご」をつけて、相手からの「配慮」を敬った敬語表現です。
「配慮」の字を分けて解説すると、「配慮」の「慮」という字は「おもんぱかる」「考えをめぐらせる」といった意味を持ち、「くばる」という「配」を合わせて、「相手を慮(おもんばか)った気持ちを、行き渡らせる」といった意味になります。

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ビジネスなどで使うときの注意点
「ご配慮」はビジネスシーンでもよく聞く言葉ですが、実際どのように使うのか、その注意点を3つのシーンで確認しましょう。
目上の人に対する敬語表現
「ご配慮いただきありがとうございます」のように、「ご配慮」は目上の人の配慮に対してお礼をするときに使う敬語表現です。
また、目上の人や上司、取り引き先の人に「配慮」をお願いする場合にも使えます。ただしその際、「ご配慮ください」というと、命令のようなニュアンスが強くなってしまうので要注意。「ご配慮いただきますようお願いいたします」と丁寧な言葉に置き換えれば、お願いしたい気持ちが伝わるはずです。

目上の人や取り引き先の人に「ご配慮ください」という言い回しはNGです。「ご配慮いただきますようお願いいたします」など、丁寧にお願いする表現を使いましょう。
自分が行ったことに対しては「配慮」
「ご配慮」は目上の人を敬う表現です。そのため、自分が行ったことに対しては「私の配慮が足りずに、申し訳ありませんでした」といったように「ご配慮」の「ご」をとって「配慮」と使い分けましょう。
同僚や部下には使うときはシーンに注意
「ご配慮」は基本的に目上の人へ使う言葉なので、同僚や部下と1対1で話すときに使うと丁寧すぎて失礼にあたるといえます。ですので、大勢の同僚や部下への連絡事項として、「留意してほしい」「気づかってほしい」というニュアンスで使うといいでしょう。

大勢の同僚や部下に向けて使う際は、「ご留意」や「お気遣い」などの言葉に言い換えましょう。
使い方を例文でチェック
ビジネスシーンにおいて「ご配慮」は、お礼や感謝を表現するほかに、お願いやお詫びの言葉としても使うことができます。使い方を例文とともにご紹介します。

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「ご配慮痛み入ります」
取引先や目上の人の配慮に対し、感謝の気持ちを表す言葉として「痛み入ります」を付け加えましょう。そうすれば、「恐縮しています」といったニュアンスと共に、より強い感謝を表現することができます。
また「痛み入ります」は、かっちりとした印象を与える表現なので、フォーマルなシーンで目上の人に対して使える言葉です。
【例文】
・〇〇様のご配慮痛み入ります
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「寛大なご配慮」
「ご配慮」に「心がひろい、むやみに人を責めない」という意味の「寛大」をつけることによって、「より優しい心遣い」というニュアンスを表現することができます。
「寛大なご配慮に感謝いたします」と言えば、自分がミスをしたにもかかわらず相手が許してくれたり、対処してもらったときに、感謝の気持ちを表す言葉として使うことができますね。
【例文】
・この度は私どもの不手際にもかかわらず、寛大なご配慮を賜り誠にありがとうございます。
・私の都合による度重なるスケジュール変更にもかかわらず、寛大なご配慮に感謝いたします。ご迷惑をおかけしまして、申し訳ございません。
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「ご配慮いただければ幸いです」
「ご配慮いただければ幸いです」は、相手にこちら側の気持ちや、事情を察してほしいときに使う表現です。ビジネスシーンにおいては、どうしても承諾できないことや話せないこともありますよね。そんなときに「できません」「話せません」と言うと、相手を突っぱねるような言い方に聞こえてしまいます。
そういう場合は、「できない」や「話せない」などの直接的な表現を避け、「~れば幸いです」と表現しましょう。「こちらの事情をご理解いただけるとありがたいです」といったニュアンスが入り、やわらかく伝わるはずです。
【例文】
・会場が混み合っておりますので、順番をお待ちの方にご配慮いただければ幸いです
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「ご配慮くださりありがとうございます」
相手がこちらの事情を汲んで、作業に無理がないようにしてくれた…そんなことも、ビジネスにおいてはよく起こります。その際は相手がしてくれたことを添え、このようにお礼を伝えると良いでしょう。
【例文】
・締め切りにご配慮くださり、ありがとうございます
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「ご配慮のほどよろしくお願いします」
会議などで大勢の同僚・部下へ連絡事項としてお願いをするとき、「ご配慮」という言葉を使って丁寧に伝えるのもよいでしょう。
【例文】
・取引先の○○社さまが視察にいらっしゃるので、フロアでの打ち合わせ等にはご配慮のほどよろしくお願いします
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「配慮が足りず」
「配慮が足りず」は自分の注意や心遣いが不足していたために、相手に不快な思いをさせたり、迷惑をかけた際などに使われます。「私の配慮が足りなかったために〜」という形で、原因を自分自身に帰属させるニュアンスがあります。
【例文】
・先ほどの発言は、配慮が足りず申し訳ございません。深くお詫び申し上げます。
・手配に不備があり、多大なるご迷惑をおかけしました。配慮が足りず申し訳ございません。
・皆様の状況を十分に考慮せず、このような提案をしてしまったことが原因です。配慮が足りず申し訳ございませんでした。
・私の確認が不十分で、ご面倒をおかけしましたこと、配慮が足りず申し訳ございません。
類語にはどのようなものがある?
相手からの心遣いを表現する言葉は、「ご配慮」だけではありません。続いて「ご配慮」の言い換え表現をご紹介していきます。

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