Summary
- 葉が紅色になる場合、「こうよう」と読みます。
- 葉が紅色や黄色に染まる場合、「もみじ」と読みます。
- 名付けでは「もみじ」「くれは」などの柔らかな印象の読みが人気です。
秋になると耳にする「紅葉」。その時、気になるのは、「読み方は『こうよう』と『もみじ』、どっちが正しいの?」ということではないでしょうか?
そこで、この記事では読み方や使い方について整理していきます。
紅葉の読み方の結論|まず「こうよう」から理解する
まずは、読み方の迷いから整理していきましょう。
「紅葉=こうよう」と読む場合
「紅葉(こうよう)」は、葉が赤くなる現象を指す言葉です。辞書で意味を確認しましょう。
こう‐よう〔‐エフ〕【紅葉】
[名](スル)秋になって葉が紅色に変わること。また、その葉。葉緑素がなくなり、アントシアンなどの色素が蓄積して起こる。黄葉や褐葉を含めていうこともある。もみじ。「全山みごとに―する」《季 秋》「―の色きはまりて風を絶つ/宋淵」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「紅葉=もみじ」と読む場合
一方、「紅葉(もみじ)」は草木の葉が赤や黄色に色づくことを指す言葉です。また、楓(かえで)を「紅葉(もみじ)」と呼んだりもします。
辞書で意味を確認しましょう。
もみじ〔もみぢ〕【紅‐葉/黄=葉】
[名](スル)《動詞「もみ(紅葉)ず」の連用形から。上代は「もみち」》
1 晩秋に草木の葉が赤や黄色に色づくこと。また、その葉。こうよう。「美しく―した山」《季 秋》「山くれて―の朱(あけ)をうばひけり/蕪村」
2 カエデの別名。また、その葉。
3 襲(かさね)の色目の名。表は紅、裏は青。一説に、表は赤、裏は濃い赤とも。もみじがさね。
4 紋所の名。カエデの葉を図案化したもの。
5 鹿の肉。鹿には紅葉が取り合わせであるところからいう。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「こうよう」と「もみじ」の違い
「黄葉(こうよう)」は黄色や黄褐色に変化することを指します。そして、葉が紅色になることを「紅葉(こうよう)」と言います。
『日本大百科全書』(小学館)によると、この両者を合わせて「もみじ」と呼ぶと記載があります。
参考:『日本大百科全書』(小学館)
葉が紅色になる場合「こうよう」と読み、葉が紅色や黄色に染まる場合「もみじ」と読む!
名前・地名での「紅葉」の読み方
「紅葉」という言葉は、人の名前や地名にも使われることがあります。読み方次第で印象が変わり、名前なら温かく、地名なら上品に伝わることもあります。ここでは、名付けと地名での読みの違いを整理します。
名前に使うときの読みと印象
人名における「紅葉」は、「もみじ」「くれは」「いろは」「こうよう」など、いくつかの読みが使われています。
いずれも季節を感じさせるやわらかな響きですね。
古くから紅葉は日本文化において美の象徴とされ、和歌でも秋の象徴として詠まれてきました。品があり、長く愛される名前だといえます。
地名・苗字での読みのゆれ
地名に使われる「紅葉」は、地域によって読み方が異なります。「もみじ」と読む土地もあれば、「こうよう」と読む地域もあり、どちらも長い歴史の中で定着してきました。
地名の読み方は、自治体や公式資料の表記に従うことが大切です。

紅葉という言葉の背景|文化を知ると選びやすくなる
紅葉という言葉は、自然現象を指すだけでなく、日本の文化や美意識にも深く結びついています。その由来や言葉の成り立ちを少し知るだけで、読み方の選び方や使い分けがより自然になりますよ。
「もみじ」という言葉の成り立ち
「もみじ」という言葉は、『日本の歳時記』(小学館)によると、古くは「もみづ」(紅に染まる)という言葉から生まれたといわれています。
このほかにも、色を揉み出すことから、「もみじ(揉出)」となったという説もありますよ。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「紅葉」という言葉の広がり
紅葉という現象は、葉にアントシアンという色素が形成されることで起こります。秋の気温差や日射し、湿度の条件が重なると鮮やかに発色し、日本の山々を彩ります。
その美しさが文学や季語に取り入れられ、「紅葉狩り」「紅葉の候」などの表現に広がりました。

最後に
POINT
- 葉が紅色になることを「紅葉(こうよう)」といいます。
- 葉が紅色や黄色に染まることを「紅葉(もみじ)」といいます。
- 「もみじ」は「もみづ」(紅に染まる)に由来します(諸説あり)。
「こうよう」と「もみじ」の読み方の違いは、意外と知らない人の方が多かったのではないでしょうか? ちょっとした豆知識をぜひ、ビジネスシーンでのアイスブレークや季節を楽しむ話の一つとして活用してください。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
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