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2025.11.04

「秋風が立つ」の意味と使い方|愛情が冷めることを表す理由も解説

「秋風が立つ」という言葉には、ただ風が吹くという以上の意味があります。それは、季節の移ろいや人の心の変化まで映し出す、日本語ならではの情緒的な表現。本記事では、「秋風が立つ」の意味・変遷・使い方・類語を丁寧に解説し、手紙や会話にも使える「季節を感じる言葉の美しさ」を伝えします。

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Summary

  • 「秋風が立つ」は秋風が吹くことを意味。
  • 「愛情が冷める」という比喩的な意味でも使われる。
  • 季節の挨拶などで使うことができる言葉。

「秋風が立つ」という言葉を耳にしたとき、どんな風景を思い浮かべるでしょうか? ただの気象変化ではなく、人の心情を繊細に映し出すこの表現は、日本語ならではの情緒を備えています。

本記事では、「秋風が立つ」の意味・語源・使い方をひもときながら、自然と人とのつながりを感じられる言葉としての魅力を探っていきます。

「秋風が立つ」の意味と語源をたどる

言葉の背景を知ることで、表現の奥行きがぐっと深まります。ここでは、意味と語源を明快に整理します。

「秋風が立つ」は何を意味する言葉か?

「秋風が立つ」は、秋風が吹き始めることを表す言葉です。季節の変わり目に感じる涼しい風が、秋の訪れを知らせる合図のように吹く… そんな自然の情景が思い浮かびますね。

辞書では次のように説明されていますよ。

秋風(あきかぜ)が立(た)・つ
1 秋風が吹く。
2 男女間の愛情が冷める。「二人の間に―・つ」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「男女間の愛情が薄らぐ」という意味も…

「秋風が立つ」には、男女の仲が冷める、愛情が薄らぐという意味もあります。これは「秋」を「飽き」をかけた言葉遊びから生まれた表現のようで、季節の変化に心の移ろいを重ねたものだといわれています。

江戸時代(1655年頃)に出された『評判記・秘伝書』にも「かならず、さやうの秋風たつときは。いろいろのむりを、いひかくるものなり」というような記載が見られますよ。

つまり、「秋風が立つ」とは、情の冷めゆく気配までも含んだ言葉なのです。

喧嘩する男女
(c)Adobe Stock

「秋風」という言葉の歴史的な変遷

「秋風」はもともと、秋に西南または西から吹く風を指す言葉です。『万葉集』では、萩の花を咲かせ、木の葉を色づかせ、雁(かり)を帰らせるなど、自然の移ろいを促す風として詠まれています。その涼しさや寂しさが、恋人を恋しく思わせる風としても描かれました。

一方、『古今集』になると、季節の訪れを告げる象徴的な風そのものに焦点が移り、恋歌では「秋」と「飽き」を掛けて、冷めゆく愛情のたとえとして詠まれる例が目立ちます。

さらに中世の『新古今集』では、「秋風」は寂寥感やもの悲しさ、人生のはかなさを象徴する風へと変化していきます。

時代とともに、「秋風」は単なる自然現象から、人の心の移ろいを映す象徴的な言葉へと深化していったのです。

なぜ「立つ」なのか?

なぜ、「秋風が『立つ』」と表現するのでしょうか? 「立つ」の意味を『デジタル大辞泉』(小学館)で確認したところ、実に16の意味が載っていました。

その中でも、「秋風が立つ」の「立つ」の意味は、自然界の現象や作用が目立って現れることを指します。「秋風が立つ」の他にも、「虹が立つ」、「涼風が立つ」などともいいますよ。

参考:『デジタル大辞泉』、『日本国語大辞典』、『故事俗信ことわざ大辞典』(ともに小学館)

「秋風が立つ」の類語や言い換え表現は?

ここでは、「秋風が立つ」と似た意味を持つ表現や言い換えを紹介します。

「秋風が立つ」の類語や言い換え表現
  1. 「秋風が吹く」
  2. 「愛情が冷める」

「秋風が吹く」

「秋風が立つ」は、「秋風が吹く」と言い換えることができます。どちらも秋の訪れを感じさせる自然描写として使われますが、「秋風が吹く」の方がより一般的で、日常的な表現としてなじみがありますね。

「愛情が冷める」

「秋風が立つ」には「男女間の愛情が薄らぐ」という意味もあるため、類語としては「愛情が冷める」や「心が離れる」といった表現が挙げられます。

割れるハート
(c)Adobe Stock

「秋風が立つ」の使い方を例文でチェック

「秋風が立つ」の使い方を例文とともに確認していきましょう。

「秋風が立ち始め、ようやく過ごしやすい季節となりましたね」

アイスブレークなどで使える、季節を感じさせる挨拶例です。

「秋風が立つこの頃、朝晩は肌寒く感じられるようになりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか」

ビジネスメールや取引先への挨拶状などで使える季節の挨拶例です。季節の移ろいに触れながら、相手の健康や近況を気遣います。

草原の景色
(c)Adobe Stock

「かつて親しかった二人の間にも、いつしか秋風が立っていた」

「秋風が立つ」が恋愛感情の薄れを表しています。「関係の冷却」や「心のすれ違い」を暗示する言い回しです。

最後に

POINT

  • 「秋風が立つ」は秋風が吹き始めることを意味。
  • 「秋=飽き」と掛け、愛情の冷めゆく心情にも使われる。
  • 現代でも手紙やメールで使える季節の言葉。

「秋風が立つ」という言葉には、季節の移ろいを告げるだけでなく、愛情が薄れる意味を持つことがわかりました。時代を経て、自然現象から心情表現へと意味が広がっていったこの言葉は、まさに日本語の繊細な感性を映すものですね。

TOP・アイキャッチ・吹き出し画像/(c) Adobe Stock

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Domani編集部

Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
https://domani.shogakukan.co.jp/

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