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LIFESTYLE シングルマザー・再婚

2019.02.17

29歳で焦って結婚し離婚。アラフォーで再婚、出産して今が一番幸せなバツイチ女性の話〜佐知さんの場合vol.1

人生で挫折を知らなかったお嬢様が、ダメ夫との離婚から立ち直り、再婚して不妊治療の末に娘を授かるまで。ー人生とは喪失と再生の繰り返しのドラマ。「バツイチ」という離婚経験者たちは、ある意味、喪失を乗り越えてなお強く生きるサバイバー! 幸せになることをあきらめない、佐知さんのストーリーとは?

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後継ぎひとり娘が浮気夫を見抜けなかったワケ

(取材データ)
佐知さん、45歳。実家が経営する教育施設の後継ぎである重圧を若い頃から背負っていたひとりっ子。初婚では女癖の悪い夫のせいで鬱病になり、半年で離婚。その後38歳で再婚。長年の不妊治療の末、娘を授かる。

周りの結婚ラッシュに焦って29歳で結婚した顛末は…

「一度めの結婚のときは夫の女癖の悪さでメンタルを病んでたし、再婚してからは長年の不妊治療で悩んで。占いにどっぷりハマるようになりました。いくらつぎ込んだかわからないほど(笑)」というバツイチ、佐知さん。

今は再婚し、6年間に亘る不妊治療の末に娘を授かって幸せそうだけど、結婚生活に問題はまだ山積みだそう。

―ひとりっ子である佐知さんは学生時代から両親が経営する教育施設の後継だということを意識して育ったため、「結婚するなら家業を継いでくれる人でなきゃ」という思い込みが強かったと言います。

佐知さん(以下、佐)「実家はお寺の檀家総代も務めていて、だから同じお寺のことを理解している人じゃないと結婚は難しいかなとも思っていたんです。周りが結婚ラッシュでバタバタと結婚してしまって遊んでくれる人が居なくなって焦っていた29歳のときに、父がかわいがっていた、同じ檀家の世話役のひとりだった男性と仲良くなって。『この人なら変わり者の父とも上手くやって行けそう』という打算もあって、大して好きでもないけれどここらで手を打っておくか、という感じで30目前に滑り込むような感じで結婚を決めました」

この相手Aさんが、蓋を開けたら超がつく女好きの浮気者だったことが判明。女癖が悪いだけでなく、生活費すら入れてくれない夫だったそうです。

さかい(以下、さ)「Aさんと仲良くしていたのに、お父様も彼の本性を見破れなかったってことですか?」

佐「そうなんです。彼は体育会系で、年上には上手く取り入ってかわいがられるタイプ。ニコニコしてて先輩の話を聞くし、食べるのも飲むのも大好き。だから同じ体育系タイプの父に気に入られたみたいで」

8つ上で、イケメンではないけれどクマのプーさんみたいに体格が良くて安心感があるAさんと「家のための結婚をしたつもりが大失敗!」と苦笑い。ーお父さん、見る目ないじゃん…!

結婚しない方がいいサインは出ていた

今思えば「結婚をやめとけ」というサインがいくつかあったとか。

佐「デートのとき、明らかに女性の車だと思われる軽自動車に女物のキーホルダーをつけて迎えに来たことがあったんですよね。でも彼は経営者だったから、おかしいと問い詰めたら、『会社の車だよ』って。交際1年未満で結婚したんですけど、挙式準備の時点で価値観が合わないって思うところもあったんです」

招待客の中にアレルギー持ちの子供がいることがわかり、食材を変えようとした佐知さんに、「なんで?」と言い放ったというAさん。

佐「ありえないですよね? そのとき、結婚やめようかなって思ったんです。母からも『そんなことを言うAさんとは感覚が合わないからやめなさい』って言われたのに、招待状を出した後だったし、『もしかしてマリッジ・ブルーなのかしら』と思って、なんとなくそのままズルズルと結婚してしまったんです…」

さ「やはり結婚前にちょっとでもおかしいと思うことがあったら、その時点で考え直すべきなんですよね〜。私もあったな、そういうサイン〜〜〜(涙)」

佐知さんは幼稚園からいわゆるお嬢様学校と言われる私立の一貫校でのほほんと育ち、それまで人の悪意に遭ったこともなければ、挫折らしい挫折も知らないで育って来たため、「人生なんとかなる」と思ってしまったこともAさんの人柄を見抜けなかった原因のひとつのよう。

しかしその結果、新婚旅行で早くも浮気疑惑が浮上する事件が。

彼に来ていたメールをたまたま開いたら、会社の経理の女の子からで「お土産買って来てね」というメッセージだったそう。

佐「もちろん大げんかになったんですけど、そのときは彼に言いくるめられたし、今まで付き合った相手に浮気なんてされたことがなかったから『まさか裏切るなんて』と思ってうやむやになりました」

その後も怪しい言動は続き、佐知さんは新婚2ヶ月目には精神を病むことに。

佐「新婚旅行のときの経理の子とは、どうやら私との結婚前から付き合っていたみたいなんですよね。披露宴でも彼の会社の人は全員来たのに彼女だけ来なかったし。だけど相手は彼女だけじゃなかったんです」

新婚2ヶ月で浮気疑惑、続々発覚

東京だけでなく、大阪にも会社があるAさんは月に何度か出張で家を空けることがあり、「怪しい」と思って彼の携帯をチェックしたら、経理の子はおろか、Aさんがコーチを務める少年野球の教え子のお母さんやキャバ嬢など、あらゆるジャンルの女性たちとのやりとりが出て来て真っ黒だったそう。他にも、

・ Aさんがこっそりつけていた日記には佐知さんとセックスした日のほか、他の女性とのセックスの記録も(一体なんのための記録なのかわからないけど、マメ…!)。

・起床したらまず、窓に向かって誰かに「おはよう」メールするのが朝のルーティンだった→今思えば浮気相手にメールしていた

・車のGPSには浮気相手の家の住所が

―などなど。さらに結婚2か月目なのにすでに家に生活費を入れなくなるクズっぷりを発揮。しかし親の教育施設で働き経済力のある佐知さんは、お金に対してはあまりうるさく言わずに自分でどうにかしてしまっていたとか。

あるときAさんの乗る車が追突事故に遭い、「これから警察から帰ります」と連絡が入ったまま朝まで帰って来ないということがあり、それを機に浮気の尻尾を掴むため、ついに興信所を雇うことに。

佐「だけど私、興信所にもぼったくられてたみたいで…。『絶対にこの日に浮気相手と会う』って確実な日にもわざと取り逃がされたりして、かなりの金額がかかりました。前世占いとかダウジング占いとかにハマり始めたのもこの頃です」

―そう、幸せじゃないパートナーシップにあるときって、ほんと無駄なお金がかかるんですよね…。心を取り戻すためにエステやジムにやたら通ってみたり買い物依存になったり、挙句の果てには気持ちがわからなくなって占いに頼ってみたり。

夫の愛情を確かめたくて道路に飛び出したことも

この頃から佐知さんは精神的に参ってしまい、ご飯が食べられらなくなって10キロ以上激ヤセし、人間不信で精神科に通い始めます。

佐「野球のスポーツバッグになぜかコンドームをいつも入れていて、数をチェックしていたんですがそれも減っているし、あるときには下着の外側に血液がついたまま帰ってきて、それを隠しもせず無造作に洗濯カゴに放り込んだりとかもありました」

浮気も許せないけど、浮気する男性ってなぜか、そのツメが甘くてバレバレなんですよねぇ。その『バレてもいっか』って態度がさらに腹立つ〜〜〜〜(怒)!!!

愛情がいつからか不信感から攻撃に変わるようになり、Aさんの目の前でネクタイをハサミで切り刻んだこともあったそう。

佐「愛情を確かめたくて、ケンカしたときに道路に飛び出したことも。もちろん、車には轢かれないよう計算して(笑)。だけど彼は、助けるどころか、追いかけてもくれなかった」

―コレ、部外者には常軌を逸した怖い言動に聞こえるかもしれないけれど、配偶者の浮気って、これくらい本当に精神的に追い詰められるし苦しめられるものなのですよ〜〜〜。

最終的に、そんな佐知さんを見かねた母親から「家に帰ってらっしゃい」と言われて実家に帰り、Aさんと佐知さんの父親が話し合って離婚が成立。

さ「家にお金入れない時点で、おかしいですよね?借金があったとか?」

佐「調べなかったけど、もしかしたらそういうお金の問題もあったかもしれないですよね。彼はバツイチで、前の年上の奥さんとは性格の不一致で離婚したと聞いてたんですが、きっと彼の女癖に愛想をつかされたんじゃないかな」

聞けば、Aさんは家庭環境がフクザツな育ち。前妻から略奪婚したお父さんを取られないために、お母さんは子供そっちのけで単身赴任の父親の赴任先について行き、Aさんは実質お姉さんに育てられたようなものでした。「そんな背景もあって、愛情に飢えてたのかもしれませんね」

長くなったので、この後佐知さんが再婚相手のBさんと出会い、不妊治療の末に娘を授かる話は次回に続きます。

▶︎離婚後、精神科通いから再婚。不妊治療の末、娘を授かったアラフォー女性の話〜佐知さんの場合Vol.2

インタビュー・文

さかいもゆる

出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。

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