心身のコミュニケーションを楽しむのが浮気
今回お話を伺ったのは…
安井綾子さん(仮名・39歳)、東京都出身・中堅私立大学法学部卒業、経営コンサルティング会社勤務(年収1100万円)。2歳年下の夫(整体師・年収300万円)と結婚10年。豊島区内の分譲マンション在住。子供は小学2年生の女子1人。身長168cmで恰幅がいい。フリルがある襟なしジャケットを愛用する女性だ。
夫は収入だけじゃなく…
綾子さんは背が高く、バストも豊かで、とろけるように肌が白くて、男性からモテそう。
「最初に浮気したのは、5年前。60歳のクライアントに『あなたの肌は羽二重餅のようだ』と言われたことがきっかけ。普通だったらセクハラの報復をするところですが、その人はとてもダンディでいい匂いがしたんです」
当時、セックスレス3年目。女ざかりの綾子さんは、その男性に一時、溺れた。
綾子さんが年上男性を狙うのは「若い」「みずみずしい」「かわいい」と称賛してくれることに他ならない。
「夫は産後に20キロ太った私のことを『おでぶちん』『アヒルちゃん』などとディスってくるんです。一方、アラカンの彼は『あなたの柔らかい体を抱きしめていると夢見心地になる』などと称賛してくれる。そう言われると私に植え付けられた根深いコンプレックスが氷解していくのがわかるんです。
浮気がバレても怖くない
浮気はレジャーだ、と綾子さんは言い切る。夫では得られない、心身のコミュニケーションを楽しむ手段なのだ。ハイキャリアの女性を取材すると、こういう浮気哲学(?)を持っている場合が多々ある。
「子どももいるし、夫とは絶対に離婚しない。夫も高収入な私とは絶対に別れたがらないでしょう。今の家の住宅ローンを払っているのは私ですし、マンションも私名義。離婚で困るのは夫であり、私ではない。浮気がバレても怖くないんです。娘は夫が好きですが、離婚となったら私を選ぶでしょう」
夫は綾子さんの浮気に気づいていない。
「そもそもレスだし、私が色っぽくなったり、オシャレをしても気づかないと思います。私が最初に浮気した相手は、自分好みの超高級ランジェリーを買ってきて、私に着せていたんです。中にはあられもないものもありましたが、夫は全く関心がありませんでした。女の浮気は自分から言わない限り、バレないんじゃないかな」
恋の甘い期間は、3か月で終わる
アラカンの男性には、一時期「離婚して再婚しよう」と思うくらいのめりこんでしまった。
「本気で夫と離婚しようと思った一時期もありましたが、私は恋愛体質ではないんでしょうね。3か月くらい経って恋愛感情が冷めてきてしまった」
遊び人の男は、後腐れがない
別れ際はあっさりしていた。
「デートの誘いを何回か断ったら、距離を置いてくれました。これが遊び人の男のいいところ。どうやら同時進行で別の女性もいたみたいなので、まあいいかと。それに私っていつも本命になれないんですよ。こんなにいい女なのになんで?と自分でも思いますが(笑)、男性からは『すべて見透かされているようで落ち着かない』などと言われます。ちょっとおバカな夫くらいが、私には合っているんでしょうね」
浮気期間中は娘が荒れていた
浮気期間は3か月。本当に夫にバレていなかったのだろうか。
「これまでも仕事で遅くなることは多々あったので、バレませんよ。ただ、娘がちょっと荒れたんですよね。女の子は敏感。今、別の年上男性から言い寄られているんですが、娘が荒れない程度に、適度な距離感を持ちながら、細く長く続けて行こうと思っています」
なぜ娘が荒れたか理由は定かでないけれど、夫にも娘にも本当にバレていないかどうかはわからない。娘ととるか男をとるか、とまでは考えていないようだが…。
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Writer&Editor
沢木 文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。お金、恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。