(取材データ)総一郎さん(仮名)、53歳。編集者。10歳年下の女性と結婚したが、セックスの相性が合わないことを奥さんが不満に思い、結婚生活19年目で離婚。現在はマッチングアプリで再婚活中。
10歳年下の妻とは最初からベッドの相性が合わなかった
離婚理由でよく聞く「性の不一致」。だけど実際には、たとえばセックスレスだとしても、もし他に何も不満がなかったとしたら、それだけが原因で離婚って、ちょっと言いづらいイメージですよね。私も今まで、この理由で離婚した方を見たことがなかったのです。
だけど今回の総一郎さんは、仲良しだった奥様からセックスの相性が悪いことを再三抗議され、最終的に本当にその理由だけで離婚に至ってしまったというお方。
こんなレア・ケースに私が飛びつかないワケはない!ということで、早速取材をお願いしました。2回しか会ったことがない浅い知り合いなのに、セックスについての私の手加減なしの質問にもめちゃめちゃ赤裸々に答えてくださった総一郎さんには、心から感謝したいと思います。
そんなわけで、今回は下ネタ注意!!
その手の話題が苦手な方は、ご遠慮くださいましね。
―総一郎さんは大手出版社に勤める編集者。10歳年下の元妻のA子さんは同じ会社に入社してきた新入社員のときに、違う部署だった総一郎さんのあるプロジェクトを手伝ってもらったことで仲良くなりました。
帰国子女で23歳で入社したA子さんと、33歳の総一郎さん。当時、総一郎さんはイケイケ編集者として賞を獲ったりしていたそうで、編集志望だった新入社員の彼女にはきっと、「仕事ができる素敵な先輩」と映っていたのでしょうね。
さかい:それにしても、そこまで年齢差があると、ジェネレーションギャップとかで付き合っていて違和感とかはないんですか?
―と、今まで同世代としか付き合ったことのないさかいの素朴な疑問。
総一郎さん:僕は一度就職してから。そのあとに編集者になるために大学を入り直したりして元々年下の友人が多いから、彼女との会話でも、噛み合わない感じとかは全くなかったですね。ただ、彼女は都心のど真ん中で育ったお嬢様でまだ若かったから、びっくりするほど世の中に疎いというところはありました。そこが、俗っぽい僕とは真逆で、だからこそ惹かれたというのはあるかもしれない。
結婚したのは彼女が24歳のとき。向こうの親は「早すぎるからもう少し待ってからにしなさい」と反対したそうですが、盛り上がっていたふたりは言うことを聞かず、ノリノリで結婚に踏み切ったそう。
「性の不一致」とは具体的にどういうことなのか
さかい:付き合っているときは、セックスの相性はどうだったんですか??
総一郎さん:正直言うと、「合わない」っていうのは最初からお互い思ってたんです。だけど僕は、丁寧に愛情もって接していれば、そこは何とかなるんじゃないかって、甘く考えてた。
ふんわり内容をボカそうとする上品な総一郎さんに、「え、セックスが合わないって? 具体的には、どういうことなんですか?」とグイグイ詰める私(ごめんなさい!!)。
総一郎さん:些細なことでいうと、好きな体位だったりとか…。ぶっちゃけて言うと、行為中に、中でイカせることが難しかったんです。彼女にとっては、結婚生活19年間で、一度も中でイッたことがなかった、ってことなんですよね。
さかい:なるほど〜〜〜…。(無言)
総一郎さん:僕もね、すごくがんばったんですよ。「中がダメなら、外でがんばろう」って。だけどやっぱり、何か違ったんですね。セックスって、筋トレと違って、がんばってマッチョになったら解決するとかいう、単純な問題じゃないから。
欲求不満を募らせる妻との関係は日々悪化して…
そんなこともあって、最初は盛り上がっていたふたりの仲も、ベッドでの相性の悪さから、結婚2年目ころからは次第にセックスレスになってしまったのであります。
総一郎さん:彼女は帰国子女で、初体験も海外の男性なんです。だから、そういうことも、僕ではイケない理由のひとつだったかもしれませんね。何て言うか、形状とかが合わないから、努力ではどうしようもない。
オーガズムを得られないことに対し、A子さんはどんどんフラストレーションが溜まっていき、ベッドで泣いたり、夫を「役立たず」と罵倒したことも。
さかい:それって…。男性にとってはすごく辛いというか、自信を無くすことなんじゃないですか?
総一郎さん:そうですね。僕も、ベッドで勃たなくなっちゃって。だけど何とかしたいから、とにかく休みがあったらふたりで旅行に行ったりして環境を変えて、向き合うようにしてました。だけどそのうち、旅行に行ってもできなくなっちゃって…。
それ以外は本当に、お互い大好きで仲良しだったというふたり。キスやハグはあるし、一緒にデートだってする。だけどセックスが上手くいかないからか、奥様からはそのうち、キスも拒まれるようになって…。
聞いているだけでもこちらも辛くなってきてしまったのですが、総一郎さんの受難はこのあとも続きます。
インタビュー・文
さかい もゆる
出版社勤務を経て独立。と思った矢先、離婚してアラフォーでバツイチに。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛けるフリーランスエディター。Web Domaniで離婚予備軍の法律相談に答える「教えて! 離婚駆け込み寺」連載も担当。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。