雑貨店で見かける、インポートのあのステッカー
突然「ミセス・グロスマン」と言われてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、このベアやハートのステッカーをご覧いただいたらどうでしょう。なんとなく見覚えがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カラフルでポップなデザインがかわいいこちらのステッカーは「ミセス・グロスマン」というステッカーブランドのもので、トレンドに敏感な女子学生からガチのコレクターまで虜にしてしまう程の大人気ぶり!
しかし、ロングセラーのステッカーでインポートだということはなんとなくわかりますが、それ以上のことって案外知らないかも…。そこで、今回はミセス・グロスマンを取り扱う代理店と筋金入りのマニアのおふた方にお話を聞いてみました!
教えて!マークスさん!
まずはオシャレでかわいい文房具や手帳が人気の文具メーカー、株式会社マークスのマーケティング部 吉川さんにご質問♪
マークスさんはミセス・グロスマンの代理店のひとつでもあると聞きましたが、そもそもミセス・グロスマンってどんなブランドなんですか?
Mrs. Grossman’s(ミセス・グロスマン)は1979年、グラフィックデザイナーのアンドレア・グロスマンが、アメリカ・カルフォルニア州で創業したステッカーブランドです。ポップで楽しいデザインのステッカーは、創業から現在まで、世界中の幅広い年代の人々に愛されています。
▲ 創業者のアンドレア・グロスマン氏
ミセス・グロスマンが誕生したきっかけは、ある日、友人であるギフトショップのオーナーから、アンドレアにバレンタイン用のステッカーをつくってほしいと依頼を受けたことでした。まだステッカーをつくる会社は少なかった時代のことです。アンドレアはシンプルなハート型を自らカットし、ラベル製造会社にステッカー制作を依頼したまま、しばらくそのことを忘れていたそうです。数週間後、印刷工場のミスにより、台紙ではなくロール状にプリントされたステッカーが大量にアンドレアのもとに届きました。しかしアンドレアは、そのミスに大きなヒントを得て、「ステッカーは何かを飾るだけではなく、それ自体が素晴らしい商品になる」と確信したのです。
ロール状のそのステッカーは飛ぶように売れ、その後も次々と新しいアイデアをもとに生み出された「ミセス・グロスマン」のステッカーは、業界のパイオニアとしての地位を確立していきました。日本では35年以上前から、ライフスタイルストア「PLAZA」で輸入・販売、マークスは2018年より代理店として取り扱いをスタートしています。
なるほど、そんな歴史が…! ハプニングから商品化の発想に至るとはすごいですね。ちなみにマークスさんではどんなグッズを取り扱っているんですか。
今年の2月に「ミセス・グロスマン」とコラボレーションしたステーショナリーシリーズを発売しました。自分好みにリフィルをアレンジできる便利なルーズリーフバインダーシリーズや、かわいくデコレーションを楽しめるマスキングテープ、刺繍ステッカーなど、注目のラインアップです。
▲ ステーショナリーシリーズ
ステッカー以外にもこんなにかわいいデザインの文具・雑貨の展開をされているんですね! 私もいくつか持っていますが、これだけ種類があるとどれを買うかでかなり迷います…。特に人気のあるモチーフは何ですか?
ステーショナリーは「ミセス・グロスマン」のアイコニックなベアをメインモチーフにしています。そのほかにも、スターやレインボー、ハートも人気のモチーフです。
▲こちらはシール大臣の私物の「ベア」「スター」「レインボー」「ハート」のステッカー
人気モチーフとだけあって納得のかわいさですね! SNSでもこれらのモチーフのステッカーを使っている方をよく見かけます。そういえば先程ミセス・グロスマンとのコラボ商品を制作されたとおっしゃっておりましたが、どのような経緯でマークスさんでつくることになったのですか? また、デザイン制作で気をつけたポイントなどがあれば教えてください!
ライセンサーであるプラザスタイル カンパニー(ライフスタイルストア「PLAZA」を運営)よりコラボレーションのお話をいただきました。学生の方をメインターゲットにしていますが、Domaniの読者世代で、学生時代にステッカーを使っていて懐かしい! と思ってご購入される方や、ママになり、子どもと一緒にステッカーを使われている方なども多くいらっしゃいます。
商品全体は、キャラっぽくなりすぎないように要所に黒を入れて引き締めています。特にポーチやペンケースはゴールドスターなどを入れて大人も使える色やデザインに仕上げました。
▲ 「ミセス・グロスマン」の人気モチーフ「ベア」をあしらったポーチ
確かに大人の私が見てもかわいくて使いたいと思いました! 幼くならないようにそのようなデザインの工夫がされていたのですね! お話を伺っていたら、もっともっと自分らしく使いこなしたくなりました! ぜひオススメの使い方を教えてください♡
ルーズリーフバインダーシリーズは、「ミセス・グロスマン」のステッカーやマスキングテープを貼って、アレンジをするとさらに楽しんでいただけます。リフィルにはイラスト入りですが、ピンクと白のシンプルなカラーで仕上げていますので、そこにカラフルなステッカーやマスキングテープを貼ることで、オリジナルのリフィルをつくることができます。
こ、こ、これはかわいい〜!!!もちろんそのままでもかわいいのですが、自分だけのアレンジをすればより愛着がわきますね♪ 集めておいたステッカーも活躍させられそうな予感♡ 吉川さんありがとうございました!
現在はPLAZAをはじめ、マークスのECサイトや直営店舗で購入することができるそうですよ! 人気の商品は売り切れも予想されるので、その前にぜひゲットしちゃいましょう!
教えて! ミセス・グロスマンマニアの毛玉さん!
ミセス・グロスマンと言えばヴィンテージもののステッカーを集めるコアなファンがいる一面があることも忘れてはなりません。そこで今回はミセス・グロスマンマニアの毛玉さん(※ペンネーム)にも連絡を取ってお話を聞いてみました! 毛玉さんは私がインスタグラムで知り合った方で、ミセス・グロスマン歴20年のコレクターさんなのです。
毛玉さんのコレクターとしてのこれまでを教えてください!
私がミセス・グロスマンを知ったのは中学生のころで、お小遣いでちょくちょく買っていたくらいなんです。でも、就職して自由に使えるお金ができてからはさらに買いまくるように…。ミセス・グロスマンを買い付けているショップに出合い、そこのオーナーに年代によって色の違いがあることや廃盤になったシールについて教えてもらうと、さらにハマりました。
ミセス・グロスマンを直接仕入れているようなお店は少なかったので、探しては足を運んで物色していましたね。他にもネットで取り引きすることがあってフリマアプリができたころに、私よりコアなミセス・グロスマンファンの方が引退とともにレアなシールを出品していたので高値で購入したことがあります。
実店舗訪問からネットでの個人間取り引きまで本当に幅広く、地道に探されてきたのですね…! ビギナーに向けて、マニアならではのミセス・グロスマンの豆知識を教えてください♡
ミセス・グロスマンはシンプルでポップなものが多いのですが、実は繊細なシールも昔は結構あったんです。この「ノアの箱舟」なんてとっても可愛いんですよ! 左右対象のデザインになっていて、見ているとうっとりしちゃうんですよね。ちなみに年代が古くなればなるほどヴィンテージとなり、価値も上がります。
▲ 貴重なヴィンテージものの「ノアの箱舟」(本人撮影)
▲ このグミのシールはレアもののため、マニアの毛玉さんは血眼で探したのだとか!(本人撮影)
わぁ!! 過去にはこんな絵柄があったんですね! ビギナーの私でもレアそうな空気感はしっかり伝わってきます…!
それから、生産の年代によってシートの裏面の絵柄が違います。それも楽しみのひとつです!
▲ 大人気のベアのシールも生産の年代により台紙の裏面の絵柄が異なることを教えてくれました。(本人撮影)
あとはこんなものもあります(そう言って別のシールを取り出す毛玉さん)!
▲ 景色がシールになっているなんて…!
▲チャリティーステッカー。シートの裏面は無地ですがミセス・グロスマンのもの。震災や有事の際などにこのようなステッカーを発売しているのだそうです。(本人撮影)
次から次へと出てくる毛玉さんの貴重なコレクション! ミセス・グロスマンビギナーである私はどれも初めて見るものばかりで、興奮を抑えきれませんでした(笑)。毛玉さん、さすがすごいです…。ガチマニアだからこその言葉の重みが違います! ミセス・グロスマンは奥深い世界だということがわかる貴重なお話をありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。私は今回の取材でミセス・グロスマン沼の深みにハマったらとんでもないことになりそうだと感じました(笑)。そして「かわいい」の向こう側にある歴史や背景を知ったことで、またひとつシールへの愛が深まりそうです♡
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シール大臣
シールが好きな会社員。シールの所有数は2,000種類を越える。ほぼ毎日SNS上で新作シール情報やお気に入りのシールの紹介、レビュー、使い方などを投稿中。SNSのフォロワーはインスタグラム2.3万人、ツイッターは2000人以上。オリジナルキャラクターも制作しており、SNSでも度々登場しシールや使い方等を紹介しています。LINEスタンプも発売中。
〈シール大臣(左)〉シール集めが大好きなシールの樹海の住人。「欲しーる」「嬉しーる」など語尾にシールをつけることが口グセ。〈ハリコロくん(右)〉シールを貼ることが大好きな貼りねずみの男の子。いたずらっ子でシール大臣が集めたシールを勝手に使ってしまうことがある。シール大臣とハリコロくんはシールを愛する仲間を増やすための活動をしている仲よしコンビ。