この目標に関しては、必ずしも独立や転職という目標にかぎりません。今いる会社の再雇用で定年後も働く、その日が目標の日でも構わないのです。その時に、今回ご紹介するような手順を踏んで今後のキャリアについて十分に考えた上で同じ職場で働くのと、なんとなくベルトコンベヤー式に今の会社で仕事を続けるのとでは、充実感に大きな違いがあるだろうと思うのです。
また、独立や転職などの大きなキャリアチェンジを考えている方であれば、一般に健康年齢が70代前半から半ばであることを考えると、より長く人生の後半を楽しむためには目標の時期を早められるのであれば早めるに越したことはない、といえるでしょう。
【目次】
粗くてもいいからイメージを固める
(2) 目標となるキャリアをイメージし、やらなければいけないことを洗い出して実行する
目標となる時期が決まったら、次は目標となるキャリアをイメージし、やるべきこと・やらなければならないことを考えます。
すでに人生後半で何をやりたいかが具体的にイメージできている人であれば、そのイメージをより具体化していくことが必要です。一方、まだ具体的なイメージが持てていない人であれば、まずは粗くてもいいのでイメージを固め、それを少しずつ膨らませて、次第に具体的なものにしていく必要があります。
どちらの場合でも役に立つと思われるのは、知り合いや先輩などですでに人生後半のキャリアをスタートさせ、それを楽しんでいると思う人に話を聞くことです。特に、すでに自分がやりたいことのイメージが固まっている人であれば、自分の理想と思えるような人生後半のキャリアを歩んでいる人に話を聞くことは、どのように自分のプランを具体化させればよいかがわかるだけでなく、自分の目標についての期待を膨らませ、モチベーションを高める意味でも大きな意味があるでしょう。
まだ具体的なイメージが固まっていない方は、どのような仕事・スタイルであれ、人生後半のキャリアを楽しんでいると感じられる先輩やお知り合いに、手当たり次第に話を聞いてみるのもいいと思います。具体的に自分の目標が決まっている方であっても、自分が理想とするものとは違うかたちでいきいきと過ごされている方に話を聞くことは、新たな可能性に気付いたり、その結果自分の目標を修正したりするきっかけになるかもしれません。
新型コロナウイルスの影響ですっかり普及したオンライン会議の仕組みをうまく活用してヒアリングするのも1つの方法です。ZoomやTeamsのようなビジネスで使われているものでなくても、例えば LINE でも同じようにビデオ通話ができますし、普通の電話でヒアリングしても構わないと思います。こうすれば、遠く離れた場所にいる人に話を聞くことも可能です。