ただし、ここで注意しておきたいのは、「先輩」や「師匠」と言っても、自分より年上の人とは限らない、ということです。むしろこれから10年、20年にわたってその業界で仕事をしていくことを考えれば、今活躍している若くて有能な人たちを師匠や先輩として関係を持たせてもらうほうがいいのではないでしょうか。
そうした人たちがどこにいるかわからない場合には、まずその職種や業界のセミナーに顔を出したり、そうした人たちが集まる場に参加するなどの方法で、どういう人がいるのか、またどういう人が自分にとって相性のあう先輩や師匠、あるいは同僚になりそうかを見極める必要があります。
新型コロナウイルスの影響で、対面でこうしたものが実施される頻度は現状少なくなっていますが、オンラインでさまざまなセミナーや会合が開かれていますので、そうしたものを活用すれば、離れた場所で開催されているものでも簡単に参加することができます。特に海外で開催されるものであれば、むしろ今の方が参加するチャンスは広がっているといえるでしょう。
知識を身につけるにはどうしたらいいか
そして3つめは c. 目標を実現するために必要とされる専門的な知識の洗い出しと、それを身につける方法を知ることです。特定の資格や免許が必要な仕事に就きたいのであれば、それを取ることを考えなければなりませんし、取るために最もよい方法を知ることも必要です。
免許や資格が必要でない場合でも、その業界や職種で仕事をする上で基礎的と考えられる知識については、最低限押さえておく必要があります。これはインターネットで勉強する方法もあるし、書籍などを活用する方法もあるでしょう。そして有料のオンライン・オフラインを含めたセミナーや講座を受講するという方法もあります。
この時に、a. の棚卸で可視化した自分のキャリアや経験の中で役に立つものがあれば、その上に最新の知識を積み上げたり、知識を深めたりすればよいので、ゼロから始めるより効率もいいでしょう。その意味で人生後半の目標とする仕事については、これまでのキャリアと何らかのかかわりがあるもののほうが選びやすく、準備に要する時間も少なくてすみ、最終的な成果にもつながりやすくなる、と言えます。
こうしてやるべきことと、やるべきことが完了する目標の時期が決まれば、あとはそれに従って実行するのみです。さまざまな理由で予定通りいかないこともあるでしょう。その時には、目標を見直し、軌道修正をして再び取り組んでいくことになります。