親が子を自分の一部として扱っている
親が子を自分の一部のように思い、自立を妨げてしまうことが全ての根底にあります。愛情からの行為であっても、過干渉や過保護、過剰な精神コントロールは、子の成長の妨げとなってしまう場合も。適切な時期に本来あるべき親離れができなくて、いびつな関係となってしまうようです。
夫婦不和などの理由で子に執着
たとえば家庭の中で、父が母に日常的に暴力を振るうなど不安な環境が原因で、母子の依存関係が生まれることがあるのだとか。母は子の世話を生きがいにし、自分の存在意義を見出します。自己犠牲を負って子に尽くしすぎるなど、執着してしまうことも多々ある模様。子も母を不憫に思ったり、守ろうという気持ちから、互いに離れられない関係性が確立してしまうという説も。
子への過度な心配
病気や発達障害など、子に心配な要素がある場合にも、親が過干渉や過保護になり、「共依存親子」となりやすい環境を作ってしまうこともあるようです。
「共依存親子」のリスクとは?
このような関係を続けていることで現れるリスクには、具体的にどのようなものがあるのでしょう。子に生じやすい弊害についてみていきましょう。
独り立ちの機会を逃し、引きこもりやニートに
子が生きがいを見出せず、引きこもりやニートになってしまうケースも。これは、成長過程で子離れ、親離れが適切にできないことで生じる可能性が高いといわれています。
結婚できない、または新たな「共依存」に陥る
そもそも子に結婚する意思が無かったり、子と離れることができない母の妨害などから、縁遠くなる人もいるでしょう。もし結婚してたとしても、相手に支配されるような「共依存親子」のような関係になるパートナーを選んでしまう傾向もあるようです。
自分の意思で選択、決断するのが困難
多様な状況において、自分の考えをもつことが難しい人もいるようです。結婚して状況が変わっても「共存性親子」の関係から抜け出せていない場合、夫婦間や外的トラブルが生じても、背後に母がチラつき主体的な判断ができなかったり、解決に辿り着けないことも。
普段から親の過干渉な言動に左右される様子を目の当たりにし、パートナーが異常な関係性に気づくこともあります。しかし「共依存親子」には自覚がないため改善が難しく、母に言われるがまま離婚に至るというケースもあるのだとか。
親の介護や、不測の事態に対応ができない
全てのことを親に任せっきりだった子は、自分自身で行動を起こしたり考えたりできず、困る場面も。たとえば急に親の介護が必要になった時や、誰の助けも得られない不測時などにも他人事のようにしているなど、どのように行動するべきか分からないという可能性があります。
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「共依存親子」が自立するには?
「共依存親子」の末路を考えると、関係を見直した方がお互いにとって良いはず。不毛な関係性を断ち切るため、それぞれが気を付ける方法はあるのでしょうか?
「共依存」である事実を受けとめる
まずは自分自身が「依存者」もしくは「共依存者」であるということを認識しましょう。問題の自覚こそが、現状を突破していくためのスタートラインに立つこととなります。
精神的な自立をめざす
重要なのが、「共依存者」である親が「依存者」である子から自立すること。「共依存者」は精神な弱さや虚栄心から頼まれると嫌と言えず、甘やかしてしまう傾向がありますが、はっきり断ることも大切です。子に依存しない精神的な自立を意識しましょう。また子が先に違和感に気づいて、変わりたいと思った場合は、親と距離をとるなどの方法があるようです。自分自身の気持ちを否定せず、次のステップを踏みましょう。
互いの境界線を引くこと
親子であっても、それぞれ別の存在であることを改めて理解しましょう。別々の趣味やそれぞれの世界をもてると良いですね。また、自分たちだけで解決が難しい場合には、ひとりで抱え込まずに専門家のアドバイスやカウンセリングなども試してみましょう。断ち切りたいという強い気持ちがあるのなら、きっと解決の糸口が掴めるはずです。
最後に
心当たりのある方が忘れてならないのは、親は親、子は子の人生ということ。人により立場や抱えているものは異なりますが、親子それぞれの人生を謳歌できるよう、自分自身の気持ちが明るくなるような選択ができると良いですね。
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