秘事は睫(ひじはまつげ)
3つ目は、秘密は近いからこそ見えないという意味がある「秘事は睫」です。秘事とは、秘密や容易に知れないことを指します。睫は、目のフチに生えている毛のことです。
睫は自分で直接見ることができないことから、秘密は近すぎて見えないだけで、意外にも近くに存在しているという意味があります。「灯台下暗し」と似た意味合いが強いですが、「岡目八目」の類義語としても使えます。ちなみに、辞書では以下のように解説されています。
【秘事は睫】
秘事・秘伝はまつげのようなもので、案外手近なところにあるが、容易に気づかれないということ。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
以下のように使ってみましょう。
・問題を解決するためにさまざまな本を読んだが、一番いいのは経験値の高い上司の行動を見て学ぶことだと気づいた。まさに【秘事は睫】という思いだ。
「岡目八目」の対義語
岡目八目には対義語が3つあります。意味と一緒に見ていきましょう。
・「あばたもえくぼ」好きな人であれば欠点すらも長所に見える
・「鹿を逐う者は山を見ず」目先の利益ばかり追っていると全体が見えなくなり、冷静な判断ができなくなる
・「木を見て森を見ず」木々に夢中になっていると、森全体が見えなくなり視野が狭くなる
どれも1つのことに集中しすぎて全体が見えなくなり、冷静な判断ができなくなるという意味が込められています。物事に集中しすぎている人に指摘するときなどに使える言葉です。
「岡目八目」の意味を正しく理解して使おう!
「岡目八目」は、第三者のほうが的確に判断ができるという意味があります。由来は囲碁からきており、はたから見ているほうが冷静な判断ができる状況のたとえで使われます。「傍目八目」との違いはありません。
ご紹介した使い方や例文を参考にしながらビジネスシーンで活用してみてください。類義語や対義語も、状況や文脈に合わせて使い分けましょう。
イラスト・写真/(C)Shutterstock.com