「岡目八目」の意味は「第三者のほうが的確に判断ができること」
「岡目八目(おかめはちもく)」とは、「第三者のほうが的確に判断ができること」という意味を持つ言葉です。辞書には、以下のように記載があります。
【岡目八目】
第三者のほうが、物事の是非得失を当事者以上に判断できるということ。
誰でも自分ごとになると、視野が急激に狭くなったり慌てふためいたりと、冷静に物事を判断できなくなるものです。そのような場合に、当事者よりも第三者のほうが的確に判断しアドバイスできることを「岡目八目」という言葉で表します。
「岡目八目」は囲碁に由来する言葉
「岡目八目」は、囲碁に由来する言葉です。「岡目八目」の「岡目」は「わきから見ること」を指しており、「八目」は「碁盤の目や手数のこと」を指しています。
囲碁の世界では自分が対局しているときは、つい主観的になり、打ち間違えたり悪い手を打ってしまったりすることがあります。そんな時には、わきから見ている観客のほうが冷静に勝負の行方を判断できるものです。その状況をたとえた言葉として「岡目八目」が使われるようになりました。
「岡目八目」と「傍目八目」は同じ意味
「岡目八目」と似た言葉に「傍目八目」があります。どちらも同じ意味で、読み方も同じく「おかめはちもく」です。「はためはちもく」とは読まないため注意しましょう。
「傍目八目」の「傍目」には「傍ら(かたわら)」という意味があります。岡目と同じ「わきから見る」という意味であるため、漢字は異なりますがどちらを使っても間違いではありません。使い分けも自由なので、誤った指摘をしないようにしましょう。
「岡目八目」の使い方と例文
「岡目八目」は、当事者自身が使うこともあれば、第三者が使うこともある言葉です。当事者が使う場合は、周りの意見を聞き入れるときなどが挙げられます。
第三者が使う場合は、冷静に判断できていない人に対して使ったり、視野を広げることも大切であることを伝えるために使ったりします。
「岡目八目」のあとには、以下のような言葉が続くことが多いです。
・〜というように
・〜だ
・〜のようだ
それぞれ文脈に合うように使いましょう。
「岡目八目」の例文
以下では、「岡目八目」の例文をいくつかご紹介します。
・【岡目八目】というように、周りの意見も大切にする必要がある。
・Aさんは、私が気づかなかった視点でアドバイスをくれるので、まさに【岡目八目】だ。
・【岡目八目】のようなので、今はそっとしておいてあげよう。
・【岡目八目】なのは重々承知だが、今は自分の意見を大切にしたい。
第三者のほうが冷静に判断できることを強調した使われ方が多いです。ビジネスシーンなどでも使える応用範囲の広い言葉です。
「岡目八目」の類義語3つ
ここからは、「岡目八目」の類義語3つをご紹介します。
1.他人の判断が正しい「他人の正目」
2.当事者だから気づかない「灯台下暗し」
3.秘密は近いからこそ見えない「秘事は睫」
3つとも似た意味を持つ言葉ですが、微妙にニュアンスが違います。それぞれの特徴を捉えたうえで、使い分けるようにしましょう。詳しく解説していきます。
他人の正目(たにんのまさめ)
1つ目は、他人の判断が正しいという意味がある「他人の正目」です。正目とは、縦にまっすぐ筋が入った木目のことを指しています。利害関係のない他人のほうが、当事者よりも木目の筋道を見定めるように正しい判断ができるという意味を持っています。
例文は以下のとおりです。
・別部署のAさんの【他人の正目】のような指摘がなければ、ミスに気づくことはなかった。
灯台下暗し(とうだいもとくらし)
2つ目は、当事者だから気づかないという意味がある「灯台下暗し」です。灯台は、遠くを明るく照らせますが、足元はうまく照らせません。この状況をたとえて、身近なことほど見えなくなるという意味を持つ言葉です。
辞書には、以下のように説明があります。
【灯台下暗し】
灯台のすぐ下は暗いところから、身近な事情はかえってわかりにくいたとえ。
見えていなければ冷静な判断をすることは難しいため、「岡目八目」の類義語とされます。以下のような使われ方をします。
・マッチングサービスで結婚相手を探していたA子は、偶然再会した学生時代の友人と結婚した。まさに【灯台下暗し】だ。