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「侃々諤々」の意味と読み方
「侃々諤々」とは、激しく議論を戦わせたり、自分の主張をしたりすることです。「侃侃諤諤」と表記されることもあります。
特に読みが難しい難読漢字の1つですが、「侃々諤々」の読みは……
「かんかんがくがく」です!
読めたあなたは周りに自慢できてしまうかもしれませんね。デジタル大辞泉での意味も確認しておきましょう。
【侃侃諤諤】かんかんがくがく
正しいと思うことを堂々と主張するさま。また、盛んに議論するさま。「―と意見をたたかわす」
「侃々諤々」とは激しい主張や議論をすること
「かんかんがくがく」という読みにも表れているとおり、「侃々諤々」に、なんだか激しい雰囲気を感じ取った方は正解です。「侃々諤々」は、自分が正しいと思ったことを強く主張したり、相手と激しく意見をぶつけ合う様子を表します。
周りからの理解は得られていないけれど、自分は間違っていないと主張する際にもよく用いられます。議論が白熱する様子を揶揄するためにも、「侃々諤々」が使われることがあるでしょう。
「侃々諤々」の由来と類義語
「侃々諤々」の由来は「侃侃」と「諤諤」それぞれの語源を知っておく必要があります。「侃侃」と「諤諤」の由来は下のとおりです。
・「侃侃」の由来:中国の思想家孔子の著書『論語』の一節
・「諤諤」の由来:中国の歴史家司馬遷(しばせん)の著書『史記』の一節
ここで「侃侃」と「諤諤」についての意味もおさらいしておきましょう。
【侃侃】かんかん
気性が強く信念を曲げないさま。剛直なさま。「―として生民の痛苦を訴え」
【諤諤】がくがく
1. 正しいと思うことを、はばからずに直言するさま。「侃々(かんかん)―」「以後(こののち)は一金も下し玉うなかれと―として飾り無く云い放たるれば」〈露伴・二宮尊徳翁〉
2. 口やかましく言うさま。「衆愚之―たるは、一賢之唯々(ゐゐ)には如(しか)ず」〈太平記・一六〉
また、「侃々諤々」の類義語としては、「議論百出」「談論風発」「百家争鳴」「諤諤之臣」などが挙げられます。
由来は『論語』と『史記』
「侃々諤々」の語源は、それぞれ「侃侃」が『論語』の一節、「諤諤」が『史記』の一節に由来しています。
『論語』の郷党(きょうとう)に登場する「侃侃如たり(かんかんじょたり)」という表現が、「侃侃」の語源となったとされています。侃侃如たりは、「やわらぎ楽しみむこと、剛直なさま」を意味する言葉です。
一方の「諤諤」は、『史記』商君伝に記されている、「千人の諾諾(だくだく)は一士の諤諤に如かず」の一節に起因しています。「他人の意見に簡単に同調してしまう千人は、自分が正しいと思うことを主張できる一人に敵わない」という意味です。
類義語は「議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)」「談論風発(だんろんふうはつ)」
「侃々諤々」の類義語としては、「議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)」「談論風発(だんろんふうはつ)」「百家争鳴(ひゃっかそうめい)」「諤諤之臣(がくがくのしん)」などが挙げられます。それぞれの意味を確認しておきましょう。
【侃々諤々の類義語】
・議論百出:たくさんの多様な意見が出ること
・談論風発:談話や議論が活発に行われること
・百家争鳴:多くの知識人や文化人が意見を自由に発表し論争すること
・諤諤之臣:自分が正しいと信じていることを主張する人
「侃々諤々(かんかんがくがく)」と「喧々囂々(けんけんごうごう)」
「喧々囂々」は使われる漢字や読み方が似ているため、時として「侃々諤々」と混同しやすい言葉です。しかし、実際には「侃々諤々」と「喧々囂々」では、含まれるニュアンスが異なり、使用に適した場面にも違いがあります。
「喧々囂々」と「侃々諤々」の違いを正しく理解することで、間違いなく言葉を使いこなせるようにしておきましょう。また誤用である「喧々諤々」についても解説します。