「喧々囂々(けんけんごうごう)」は大勢の人が騒ぎ立てるさま
「侃々諤々」と間違って使われやすい、「喧々囂々」は「けんけんごうごう」と読み、意味は下記のとおりです。
【喧喧囂囂】けんけんごうごう
大勢の人がやかましく騒ぎたてるさま。「議論が紛糾して―たる場内」
「侃々諤々」と「喧々囂々」の意味を比べてみると、気付く方もいらっしゃるかもしれませんが、「喧々囂々」には主張や議論というキーワードは含まれていません。内容はどうとあれ、多くの人が集まって騒ぎが起きている状態を「喧々囂々」と表現します。
「侃々諤々(かんかんがくがく)」と「喧々囂々(けんけんごうごう)」のニュアンスの違い
「侃々諤々」と「喧々囂々」は同じように人が集まって騒がしく声を上げていることを意味しますが、全く同じ言葉とはいえません。なぜなら、「侃々諤々」は正しいと思うことを主張する意味でポジティブに使われ、一方の「喧々囂々」は好き勝手に発言するニュアンスを含み、ネガティブな意味で使われるからです。
例えば「侃々諤々な会議」では、参加者が立場に関係なく自分の意見を積極的に発言している(ポジティブ)という意味で捉えられ、「喧々囂々な会議」となると個人個人が自分の意見を好き勝手に発言し、話がまとまらない会議(ネガティブ)という印象を与えます。
2つの違いをしっかりと把握して、正しく使えるようにしましょう。
「喧々諤々(けんけんがくがく)」は2つが混同した誤用
「喧々諤々」は、「侃々諤々」と「喧々囂々」が組み合わさってできた言葉で、正しい表現とはいえませんでした。しかし広く使われるようになり、現在では多くの人が集まり激しく意見を言い合うことを意味する言葉として、「喧々諤々」も日常的に使われています。
「侃々諤々」のように、正しい意見を主張するというニュアンスは抜けているため、どちらかというと「喧々囂々」に近い表現だといえるでしょう。「喧々諤々」が元々は誤用だったという点は、知っておくこと良いかもしれませんね。
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「侃々諤々」の使い方・例文
「侃々諤々」は、自分の意見が正しいと主張する場面で使用するので、ポジティブな意味で使う場合にふさわしいでしょう。ネガティブなシーンでは、好き勝手に意見を出すという意味を持つ「喧々囂々」が適しているかもしれません。
「侃々諤々」の使い方のポイントを押さえて、ビジネスシーンでも実際に「侃々諤々」を駆使できると、周りからも一目置かれる存在になれるでしょう。
「侃々諤々」はポジティブな場面で使う
「喧々囂々」との比較でもご紹介しましたが、「侃々諤々」は前向きな意味で使われるのに適している言葉です。「侃々諤々」はお互いが自分の意見を盛んに議論したり、はっきりと主張したりする際に用いられるため、相手を言い負かしたり批判したりする場合には使えません。
活発な意見交流をプラスに捉えている際に、「侃々諤々」が使えると覚えておくと良いかもしれませんね。
「侃々諤々」を使った例文
「侃々諤々」を用いた例文を4つご紹介します。ビジネスシーンでもよく活用できる言葉であるため、使い方をぜひマスターしましょう!
【例文】
・会議が白熱し【侃々諤々】な議論が3時間も続いている。
・新入社員だからと遠慮せず、【侃々諤々】に意見を出してください。
・【侃々諤々】な議論の後には得られるものが大きいものです。
・【侃々諤々】を意識して行動することで、人間関係も改善するでしょう。
「侃々諤々」をビジネスシーンでも活用してみよう
「侃々諤々」は、自分の意見を激しく主張したり、盛んに議論を戦わせたりする意味で使われます。多くの人が騒ぎ立てる意味の喧々囂々と混同される場合がありますが、「喧々囂々」は主にネガティブな意味で使われる点を押さえておきましょう。
「侃々諤々」は読み方や使い方が難しい言葉ですが、正しく使えれば表現力をアップできる言葉でもあります。ビジネスシーンでも活用できる場面がおおいため、今後は「侃々諤々」を積極的に利用してみてください。
イラスト・写真/(C)Shutterstock.com
(引用全て〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)
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