「一意専心」を使った例文
以下では、「一意専心」を使った例文をご紹介します。ここまで見てきた「一意専心」の使い方のポイントを踏まえて、内容を確認してみてください。
例文
・希望がかない、念願の部署への異動辞令が出たので、一意専心で仕事に邁進しようと思う。
・一意専心で作品づくりにのぞんできたからこそ、この最高傑作を生み出すことができた。
・難関大学を目指すのであれば、彼女はもっと一意専心して勉強に励むべきだと思う。
・私が当選した暁には、一意専心の気持ちで区政に取り組んでまいります。
「一意専心」の類語と対義語
「一意専心」の類語と対義語はそれぞれ複数ありますが、一部をご紹介します。たとえば、「一意専心」の類語として挙げられるのは以下の言葉です。
・遮二無二(しゃにむに)
・一生懸命(いっしょうけんめい)
一方、以下は一意専心の対義語です。
・狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん)
・右顧左眄(うこさべん)
ここからは、一意専心の類語と対義語について、それぞれ詳しく解説していきます。
類語は「遮二無二」「一生懸命」など
「遮二無二」は、後先を考えずただひたすら行動するという意味です。「むやみに」「強引に」などの意味を表現する際にも使います。
何かに集中して取り組むという点では「一意専心」と同じですが、それに加えて、後先を考えずがむしゃらに突き進むイメージが強い言葉といえるでしょう。「テスト前なのでもう遮二無二になって勉強するしかない」などと使います。
「一生懸命」は意味を解説する必要がないほど、日常的に使われている言葉の一つです。自分の意思でひたむきに物事に取り組むという意味で、口頭でもごく普通に使われています。もともとは「一所懸命」という言葉であり、武士が領主から賜った土地を命をかけて守ったことが由来です。
「一意専心」の類語は多く、冒頭でも触れていますが、この他に「一心不乱」「無我夢中」「猪突猛進」などがあります。
【遮二無二:しゃにむに】
ほかの事を考えないで、ただひたすらに。がむしゃらに。「目標へ―突進する」【一生懸命:いっしょうけんめい】
《「一所懸命」から》1 命がけで事に当たること。また、そのさま。「―に働く」「―探しまわる」2 引くに引けないせっぱ詰まった場合。瀬戸際。「―の敵を防ぐ」〈風来六部集・放屁論〉
対義語は「狐疑逡巡」「右顧左眄」など
対義語としては、「狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん)」などがあります。疑いためらってぐずぐずすることのたとえとして使われます。
「逡巡」とは、後ずさりしたり、ためらってぐずぐずしたりすること。狐の疑い深さをあらわす「狐疑」とセットになり、決断をためらう優柔不断なさまをたとえるようになりました。「狐疑逡巡していてまだ結論が出ない」というように使います。
「右顧左眄(うこさべん)」も一意専心の対義語に挙げられます。周囲ばかり気にして決断できないさまをあらわします。「右顧」の「顧」は振り返って見ること、「左眄」の「眄」は横目でうかがうという意味です。周りの様子ばかり気にしていることがよく伝わってきます。「右顧左眄な性格のため、はっきりと自分の意見をいえない」などと使います。
【狐疑逡巡:こぎしゅんじゅん】
疑いためらってぐずぐずすること。「―してチャンスを逃がす」【右顧左眄:うこさべん】《右を見たり左を見たりする意から》周囲の状況ばかり気にして、自分の態度をなかなか決断しないこと。人の意見ばかり気にかけること。左顧右眄。「―して評価を下せない」
「一意専心」の気持ちで何かに取り組んでみよう
「一意専心」は、ひたむきに一つのことに集中する様子をあらわす言葉です。一つのことに集中しようとしても、周囲の雑音やほかのことが気になってしまい、断念した経験があるという人もいるでしょう。
ですが、難しいことだからこそ、ひたむきに努力を続けることに価値があります。この機会にぜひ、「一意専心」の気持ちで何かに取り組んでみてください。ゴールの先には、今まで見たこともないような景色が広がっているはずです。
イラスト・写真/(C)Shutterstock.com
(引用すべて小学館『デジタル大辞泉』より)
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