和魂漢才(わこんかんさい)
「和洋折衷」の類義語1つ目は、伝統を保ちながら他国(中国)の文化を取り入れるという意味がある「和魂漢才」です。読み方は「わこんかんさい」です。辞書では、以下のように記載されています。
〈和魂漢才〉
中国の学問を学んで、それを日本固有の精神に即して消化すること。
「和魂」は日本固有の精神である大和魂を意味しており、「漢才」は中国の学問や文化などを指します。以下で例文を見てみましょう。
〈例文〉
・ラーメンは、【和魂漢才】といえる食べ物だ。
・かつては【和魂漢才】のような考え方が主流だった。
和魂洋才(わこんようさい)
「和洋折衷」の類義語2つ目は、西洋の優れた部分を取り入れるという意味がある「和魂洋才」です。「和魂漢才」をもじった類義語とされています。辞書では以下のように解説されています。
〈和魂洋才〉
日本人が伝統的な精神を忘れずに西洋の文化を学び、巧みに両者を調和させること。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
日本が西洋文化を取り入れ始めた明治時代に定着した用語とされています。以下で例文を確認してみましょう。
〈例文〉
・昔は国の力を高めるため、【和魂洋才】の考え方が強かった。
「和洋折衷」がよく使われる分野3つ
「和洋折衷」がよく使われている代表的な分野は、以下の3つです。
1.コーディネート
2.料理
3.建築
記事の冒頭で、「和洋折衷」が使われる分野について簡単に解説しましたが、どのように使われているのか以下でそれぞれご紹介します。「和洋折衷」のイメージがうまくできない方は、以下を参考にしてみてください。
コーディネート
「和洋折衷」がよく使われている分野1つ目は、コーディネートです。「和洋折衷コーデ」と呼ばれ、気軽に着物を着たいという方から人気を集めています。着物にベレー帽を被る簡単なコーディネートから、洋服に帯を巻くスタイルなどさまざまです。
以下でいくつかコーディネート例を紹介します。
・ベーシックなきものにメガネとブーツを合わせる
・着物の中にレースのインナーを着用し、ハイヒールをあわせる
・ワンピースの上に羽織を着る
日本の伝統服である着物と西洋の洋服の可愛いところが見事に合わさっています。
料理
2つ目の「和洋折衷」がよく使われている分野は、料理です。日本料理と西洋料理のいいところを合わせた料理のことを指します。料理自体が「和洋折衷」のパターンもあれば、コースの中に和と洋が混ざっていることもあります。
「和洋折衷」の料理の例は、以下の通り。
・肉・魚料理にわさび醤油の味付けをする
・和風のコース料理のデザートに洋菓子などのデザートを合わせる
また、ゆずや抹茶など、日本独自の食材を洋食に取り入れるというのも「和洋折衷」の例ですね。抹茶味のスイーツは海外で非常に人気があります。
建築
建築の分野でも、「和洋折衷」の考え方があります。建築業界では「和洋折衷建築」と呼ばれており、和風建築と洋風建築の要素を取り入れた建物のことを指します。具体的には、洋風の家に畳がある和室が設置されていたり、外観を洋風の建物にしたりするのが流行っています。
前述したように、「和洋折衷建築」は古くは西洋文化が伝えられた幕末から明治初期に発生したと言われています。当時は、大工たちが伝統的な技法で西洋建築を模倣した「擬洋風(ぎようふう)」という様式も流行しました。
「和洋折衷」を日常で正しく使えるようになろう!
「和洋折衷」は、日本と海外の要素を合わせる意味があります。あくまでもいい部分を合わせているので、プラスの意味で用いられています。由来は、斎藤拙堂が提唱したことにあります。
類義語は「和魂漢才」と「和魂洋才」があります。類義語を使いたい場合は、ご紹介した2つの単語を使ってみてください。和洋折衷がよく使われる分野は、3つあります。「コーディネート」「料理」「建築」です。
この記事を参考に、正しく「和洋折衷」を使えるようになりましょう。
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