同じクイナ科の「山原水鶏」は何と読む?
「水鶏」には、同じクイナ科の「山原水鶏」という仲間がいます。こちらも読み方が難しいですが、ヒントは沖縄に生息する珍しい鳥です。
見当がついたでしょうか?正解は「ヤンバルクイナ」です!
「山原水鶏」について辞書で確認してみましょう。
【山原水鶏:やんばるくいな】
クイナ科の鳥。全長約30センチ。顔は黒く、上面は緑褐色、下面は黒と白の横縞模様で、くちばしと脚が赤い。飛翔力はほとんどない。沖縄本島北部の山林にすむ特産種。昭和56年(1981)新種として記載。天然記念物。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「山原水鶏」は飛べない鳥として知られています。茂みの中でひっそりと暮らす習性があり、仲間との伝達手段として鳴き声を活用するのが特徴です。飛べない代わりに脚力が優れており、脚の筋肉が胸の筋肉よりも発達しています。
「山原水鶏」は沖縄にしか生息しておらず、天然記念物に認定されています。絶滅危惧IA類に指定されており、絶滅が危ぶまれる固有種の一つです。
「水鶏」以外にもある!鳥の難読漢字3つ
鳥を表す難読漢字は「水鶏」以外にもたくさんあり、代表的な3つの難読漢字には以下が挙げられます。
1.鳶
2.駝鳥
3.郭公
いずれも読み方が難しく、誤って読まれることが多い漢字です。「水鶏」の読み方を理解したら、教養として「水鶏」以外の鳥を表す難読漢字も知っておきましょう。ここでは、それぞれの読み方や生態などを解説します。
鳶(とんび)
「鳶」の読み方は「とんび」です。タカ目タカ科に分類される鳥で、とんび以外に「とび」と呼ばれることもあります。
タカ科に属する鳥の中では特に体が大きく、カラスよりもサイズが一回り大きいのが特徴です。「鳶」の生息地域は山から都心部まで広範囲に渡り、特に海の周りを住処とする個体が多いです。
「鳶」と混同されやすい鳥として、「鷹(たか)」「鷲(わし)」「隼(はやぶさ)」が挙げられます。実はこれらの定義の違いははっきりしておらず、サイズによって曖昧に分類されています。
・鳶(とんび):約60cm
・鷹(たか):約45cm~70cm
・鷲(わし):約85cm~100cm
・隼(はやぶさ):約35cm〜50cm
駝鳥(だちょう)
「駝鳥」の読み方は「だちょう」です。古くは「ほうごろう」と呼ばれていたこともあります。鳥に分類されますが、飛行ができない種類として知られています。空中よりも地上での生息に特化していることから脚が発達しており、速いスピードで走ることが可能です。
「駝鳥」と名付けられた由来にはラクダが関係しています。ラクダの漢字表記は「駱駝」で、「駝鳥」と同じ「駝」という漢字を含んでいることがわかるでしょう。「駝鳥」は脚が発達しているという特徴がラクダに似ていることから、ラクダの漢字を取って「駝鳥」と名付けられたとされています。
郭公(かっこう)
「郭公」は童謡にも登場する鳥で、読み方は「かっこう」です。「郭公」と名付けられた理由は、「カッコー」というオスの鳴き声に由来します。ユーラシア大陸などに生息し、全長はおよそ35cm、見た目は全体的に灰色です。
「水鶏」が冬鳥と呼ばれるのに対し、5月頃に現れる「郭公」は夏鳥と呼ばれます。また、「郭公」は「閑古鳥(かんこどり)」や「合法鳥(がっぽうどり)」、「かっこうどり」と呼ばれることもあります。
「閑古鳥が鳴く」は人が寄り付かない場所を表す言葉ですが、これは寂しさを感じさせる「郭公」の鳴き声から生まれた表現です。
まとめ
「水鶏」は鳥の固有名詞を指す難読漢字で、「くいな」と読むのが正解です。飛行を苦手とするのが特徴で、飛べない代わりに脚力が発達しています。非常に警戒心が強く、人の目に触れる場所に姿を見せることは滅多にありません。
「水鶏」以外にも鳥を表す難読漢字はたくさんあり、例えば「鳶」や「駝鳥」などが挙げられます。「水鶏」の読み方や生態とあわせて、さまざまな難読漢字を覚えておきましょう。
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