世界で最も美しい航路「フッティルーテン」で、目指すは北極圏
フッティルーテンは、1893年創業。当時は蒸気船で、とても早い船だと言われていました。船は11隻あり、そのうちの3艘(トロールフィヨルド、フィンマルケン、ミッドナイトサン)は、11艘の中でもサイズが大きな船。今回はトロールフィヨルド号に乗船。操舵室の中のGran Ernstsen船長。操縦はすべて自動でコントロールされているため、操舵室にいるスタッフが思いのほか少なかったのが印象的。
船は、ベルゲンの港を出航した後、34の港を巡って、キルケネスへ。多くの時期を雪に覆われる北ノルウェーは、陸路を行くよりも航路を行く方が時間が短縮できるため、フッティルーテンは郵便物や食料、人やさまざまなものを運びます。なので、比較的ずっと沿岸を航行。観光以外にも、北ノルウェーの人々の生活に密着している船なんです。船室は、こじんまりとしているものの、ソファやベッド、鏡台もあります。バスはシャワーのみですが、床暖房なので寒くありません。ちなみに、今回のトロールフィヨルド号は820人乗りの船ですが、この日は200人程度の乗船だったそう。しかし、スイートはすべて満室でした。
トロールフィヨルド号は9階建て。船の中には客室のほか、バーやラウンジ、売店、レストラン、インターネットスペースも…。沿岸を航行しているため、無線LANの使えるスペースがあるんです。ノルウェーは、インタネット環境が整っているので、比較的どのホテルでも無線LANを使うことができるんですが、まさか船の上まで使えるとは思わず感激(笑)。しかし、ネットが使えるということは日本とのやりとりも可能なわけで、時差はあるものの東京にいるのと変わらず仕事できてしまうのは、いいことなのか悪いことなのか…(笑)。屋上には、なんとジャグジーも。周囲は雪まみれで、とても水着でジャグジーにたどりつけない! と思いましたが、考えてみたら露天風呂と同じなんですよね。雪景色を眺めながら、ジャグジーを楽しんでいる方たちもいました。
この日は、船の最終目的地、キルケネスに到着する前夜とあって、豪華なビュッフェが…。ザリガニや蟹、海老、サーモンなどの魚介類、野菜料理、肉料理、チーズ、デザートと、目移りしちゃいます(笑)。やはり、魚介類のおいしさはピカイチ。絶対外せないのがスモークサーモンで、あと写真に入れられなかったんですが、チーズも見逃せません。特に、ヤギの乳でつくられたブラウンチーズはノルウェーの特産で、薄くスライスしてサンドイッチなどにすると非常に美味。ちょっとキャラメルっぽい甘さがあり、スモークサーモンと一緒に食べるのもおすすめ。何を食べてもおいしくて、ノルウェーの人たちと日本人の味覚って、意外と近いのかもしれません…。