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2022.01.30

「遵守」ってどういう意味? 使い方、順守との違い、英語表現を解説

メディアやビジネスシーンで目にすることも多い「遵守」とは、法律や道徳・習慣を守り、従うことを意味します。“順守”と同じ意味合いですが、使い分ける必要があるのです。今回は「遵守」の 読み方から意味、使い方や類語までまとめて解説します。

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「遵守」の意味や読み方とは?

まず、「遵守」の意味や読み方から。正しい読み方は「じゅんしゅ」です。「遵」の読み方は「じゅん」。「遵」の字が「尊(そん)」に似ているためか「そんしゅ」と読む人もいますが、それは間違いです。うっかり使わないよう、気をつけてくださいね。

「遵守」の意味は、下記のとおり。

法律や道徳・習慣を守り、従うこと。(<小学館 デジタル大辞泉>より)

例えば、会社の就業規則を見ると、従業員が職場のルールを守るためのきまりが「遵守事項」として定められています。一般的なビジネスシーンで「法令遵守(ほうれいじゅんしゅ)」という言葉を、聞いたことがある人がいるのでは? 法律関係の仕事についている人、公務員の人は、「遵守」は業務上身近な言葉かもしれません。

「遵守」と順守の違いとは? 

「遵守」と同じようなイメージで「順守」という言葉を新聞やテレビで使われるのを見たことがある人もいるのでは? 「順守」の「順」は、音読みで「じゅん」、訓読みは「したがう・すなお」です。意味は訓読みの通りで「従うこと、素直であること」。

「遵守」のように、法令や道徳、習慣を守る意味が「順守」にもありますが、道筋・都合が良いといった意味も含むので、どちらかというと「順守」には「素直に従う」ことの意味合いが強い印象です。

とはいえ、いずれも「きまりに従うこと、違った方向に行かずに守ること」なので、ほぼ同じ意味。辞書にも2つの意味が表記されています。では、いったい、この2つの言葉の違いは何なのでしょうか。

遵守

実は「順守」は「遵守」の代用語。もともとは「遵守」という言葉が使われていましたが、1954年(昭和29年)に「遵」が「当用漢字」から外される案が発表されました。

新聞などのメディアでは「遵」の代わりに「順」の字を当てて「順守」を表記するようになったのです。にもかかわらず、「遵」は当用漢字から外されませんでした。そのため、今も「遵守」と「順守」という2つの熟語が同じ意味で残ることに。

メディアでは、今もそのまま「順守」を使う慣習が続いているため、新聞、雑誌、テレビなどは「順守」の表記がほとんどです。「遵守」より「順守」になじみがある人が多かったり、同じ意味の2つの言葉が辞書に載っている理由は、日本語が使われるときの漢字のルールと歴史によるのものなのです。

いずれにせよ「遵守」も「順守」も、きまりを守るという意味は一緒。どちらを使っても間違いではありません。しかし注意したいのが、実際のビジネスシーンでの使い方。「遵守」と「順守」は、使い分けが必要です。

例えば、公用文などの公文書やビジネス文書、教科書などの表記には「遵守」を使うのが一般的。法令に関わる文書もすべて「遵守」です。特に公文書は表記を統一することが求められるので、押さえておきましょう。

また、同一文書で「遵守」と「順守」が混在しないようにすることも大事になります。一方、ビジネスシーン以外の日常で使う場合は、あまりこだわる必要はありません。どちらの表記でもOKです。

使い方を例文でチェック! 

では、「遵守」の具体的な使い方を例文でチェックしてみましょう。

1:感染症の拡大予防に対応するために、ガイドラインの遵守を徹底する必要がある。

「遵守」は「法律や道徳・習慣を守り、従うこと」なので、「ガイドラインの遵守」のように、明確な指標を守ることを求めるときは「遵守」を使いましょう。

遵守

 

2:新たにコンプライアンス部門を立ち上げ、法令を遵守する。

法律を守ることについて表現するときは「遵守」を使います。最近、企業などで強く意識されているコンプライアンスに関わる資料も法令に関わるものなので、「遵守」の表記を使うようにするとよいでしょう。

3:貴殿の入社について遵守すべき事項をまとめましたのでご確認ください。

従業員が会社に就職する「入社」は、法律上の雇用契約事項に基づいています。また、守るべきルール・きまりについては、「遵守」の表現が使われます。多様な働き方が進む中で、働きやすい職場に貢献するためにも、遵守すべきことはよく理解しておくことが大切です。

類語や言い換え表現とは?

「遵守」の類語や言い換え表現には、どのような言葉があるのでしょうか。それぞれの言葉のニュアンスの違いをつかんで、使い分けてみましょう。

遵守

1:厳守

「遵守」と一文字違いの言葉に「厳守」があります。この言葉は身近に感じる人も多いのでは? 意味は「命令や約束などを、きびしく守ること」。「遵守」は主に、法律などのルールを守るときに使われますが、「厳守」は法律以外のことにも使える言葉としてのイメージを持つとよいでしょう。日常生活でよく「時間厳守」などと使うことはあっても、「時間遵守」とはあまり言いません。

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