2:従順
「遵守」と同じ意味の「順守」、その類語といえるのが「従順」です。「順」の訓読みには「したがう」や「すなお」といった意味があります。従うことを表す2つの言葉「従」と「順」が組み合わさった「従順」は、人の言うことを何でも聞くという強い意味に。
「性質や態度などがすなおで、人に逆らわないこと。おとなしくて人の言うことをよく聞くこと」なので、「従順な部下」などといった使い方もよくされます。
3:準拠
「準拠」は、「よりどころ」や「あるものをよりどころとして従うこと」の意味がある言葉です。例えば「教科書に準拠にする」「これまでの慣習に準拠する」といった使い方が挙げられます。「遵守」には守る・従うといった意味合いが強いのに比べて、「準拠」はそれを標準とするニュアンスがあります。
英語表現とは?
「遵守」を英語で表現するときの使い方を説明します。
1:We should have comply with the laws.(我々はその法律を遵守すべきだった。)
「Comply」の名詞形である「compliance」、「法令等遵守」を意味するカタカナ語の「コンプライアンス」は、最近は一般的に使われています。
2:The Agent shall strictly abide by relevant laws and regulations in Japan.(代理店は日本の関連法令及び規制を遵守する。)
「規則等に従う、ルールを固守する」などの意味で使われるイディオム「abide by」。「納期遵守」と言うときは、「abide by the schedule」といった表現が使われます。
3:Global business need to observe the local laws and traditions.(グローバル企業は現地の法律や慣習を遵守しなければならない。)
「observe」は法律や規則、慣習などに従い、守るという意味。「守る」「遵守する」などの意味合いで使います。
最後に
日常生活とビジネスシーンでは、使う言葉も変わってきます。そして、「遵守」の「遵」のように、一見、難しそうな漢字は、その意味や使用されてきた背景がさまざまあることがわかりました。一方、「遵守」と「順守」のように、ほとんと同じ意味で表記されるのに、慣習として使い分ける必要がある言葉は要注意。辞書を調べても、本来の意味では使い方を間違っていないのに、なぜビジネスシーンで注意されるの? となると、スッキリしませんね。
ビジネスシーンにおける言葉の慣習は、ビジネスマナーの一つとして身につけておくと、イザというときに役に立つかもしれません。言葉のセンスをUPして、日々の仕事に役立ててください。
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