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LIFESTYLE雑学

2022.03.26

【難読漢字】「辛夷」はなんと読む?

一見、「からい」と読んでしまいそうな「辛夷」。読み方を知っている方は少ないのではないでしょうか。「辛夷」の名前の由来や、漢字の由来まで紹介します。

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「辛夷」の由来や読み⽅とは?

■由来と読み⽅

「辛夷」の読み方は「こぶし」で、モクレン科モクレン属の落葉高木です。北海道〜九州と、日本全国の山野で見られます。「辛夷」は、日本や朝鮮半島が原産とされ、庭木などの観賞用のほか、実は漢方薬の原料としても使われているんです。

辛夷

「辛夷」は、3月中旬頃から開花するため、早春を知らせる樹木として、古くから日本で愛されてきました。昔は「辛夷」が花を咲かせる頃に、田打ち(田植え前に行う作業)を始めていたため、「田打ち桜(たうちざくら)」とも呼ばれています。

そのほかにも、「田植え桜」や「種まき桜」、「芋植え桜」といった別名も。桜よりも早くに花を咲かせることから、北海道では「ひきざくら」「やちざくら」と呼ばれています。アイヌ地方では、良い匂いを出す木という意味の「オマウクシニ」、放屁する木という意味の「オプケニ」と呼ばれているのだとか。

次に、名前の由来を紹介しましょう。「辛夷」の名前の由来は、2つの説があり、1つは「辛夷」のつぼみが握り拳に似ているからとされる説。もう1つは、果実が握り拳に似ているからとされる説です。

握り拳に形が似ていることが呼び名の由来だとすると、なぜ漢字には「辛夷」が使われているか疑問に思いますよね。これは、「辛夷」の漢方薬の名前「辛夷(しんい)」がそのまま当てられたからなのだそうです。そのため、漢方薬のことをさす場合は、「辛夷(しんい)」、樹木のことをさす場合は、「辛夷(こぶし)」と言います。

ちなみに、「辛夷」の花言葉は、「愛らしさ」「友情」「信頼」「歓迎」です。「愛らしさ」は、実の形が子どもの握り拳に似ていることからつけられたそう。「友情」は、純白な花の色が由来とされています。

辛夷

「辛夷」の特徴

続いて、「辛夷」の特徴を見ていきましょう。「辛夷」は、同じモクレン科の樹木で、白い花を咲かせる「ハクモクレン」や「タムシバ」と非常に似ているため、見間違ってしまうことも。ここでは、「辛夷」の花や実の特徴を紹介しながら、見分け方も簡単に解説していきます。

1:早春に白い可憐な花を咲かせる

すでに紹介しましたが、「辛夷」は春を告げる樹木として有名です。開花時期は3月中旬頃。枝先に、香りの良い白い花をつけます。早春の樹木として知られるため、仲春(ちゅうしゅん)の季語として、俳句でも使われているんですよ。

なお「辛夷」は、「ハクモクレン」とよく似ていますが、「辛夷」の花びらは6枚で、花びらを広げるようにして咲きます。対して、「ハクモクレン」の花びらは9枚で、チューリップのように上向きに咲くのが特徴。これらの点に注意して見ると「辛夷」と「ハクモクレン」を簡単に見分けられるでしょう。

2:花の下に1枚の葉をつける

「辛夷」のユニークな特徴は、開花した時に、花の下に1枚の小さな葉をつけること。「辛夷」と似ている樹木「ハクモクレン」や「タムシバ」は、花の下に葉をつけませんので、この点も「辛夷」の特徴といえます。

辛夷

3:握り拳のような実をつける

名前の由来になっている握り拳のような実の形も「辛夷」の特徴のひとつ。秋頃になると、長さ5〜10cmの集合果をつけますが、これがゴツゴツとした形をしているのです。秋が深まるにつれて、集合果が熟していくと、自然に裂け、中にあった赤い種子が顔を出します。ちなみに、この種子を用いて果実酒にしている地域もあるようです。

「辛夷」を使った漢方薬とその効能

漢方薬の原料・生薬としても使われている「辛夷」。鼻の通りをよくするため、鼻炎や、風邪による鼻づまりの改善、副鼻腔炎の緩和、鎮静効果があるとされています。ここでは、「辛夷」を使った漢方薬と、その効能を紹介します。

辛夷

1:葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

「葛根湯加川芎辛夷」は、鼻づまりに効く漢方薬。鼻づまりで息がしづらい、鼻づまりで眠れない、花粉の時期に鼻づまりが気になる方に向け、効果を発揮します。体の中に余分にたまってしまった「水(すい)」の排出を、「辛夷」が助けてくれるからです。また、体を温める「葛根湯」をベースに使うことで、体の冷えの改善もしてくれます。

配合されている生薬:葛根(かっこん)、大棗(たいそう)、麻黄(まおう)、甘草(かんぞう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、辛夷(しんい)、川芎(せんきゅう)、生姜(しょうきょう)

2:辛夷清肺湯(しんいせいはいそう)

「辛夷清肺湯」も、鼻づまりや慢性鼻炎、蓄膿症に効く漢方薬です。ただし、「辛夷清肺湯」は「葛根湯加川芎辛夷」と違い、熱感を伴う鼻づまりに効果を発揮。風邪や花粉などで、副鼻腔の粘膜に炎症が起きると、膿や頭重などの症状を引き起こします。こうした膿の排出を促したり、炎症を鎮めたりすることで、鼻詰まりを改善してくれるのです。

配合されている生薬:辛夷(しんい)、枇杷葉(びわよう)、升麻(しょうま)、知母(ちも)、麦門冬(ばくもんとう)、百合(びゃくごう)、石膏(せっこう)、黄ごん(おうごん)、山梔子(さんしし)

「辛夷」を英語・中国語では何という?

次に、「辛夷」の英語表現と、中国語表現を紹介します。中国語の発音は難しいので、参考程度にチェックしておきましょう。

1:a magnolia Kobus

「辛夷」の英語表現は、「a magnolia Kobus」です。「Kobus」は、和名がそのまま英語になったもの。これに、モクレン属のことをあらわす英語「magnolia」を組み合わせて、「辛夷」という英語になります。

2:xīnyí

「辛夷」の、発音記号は「xīnyí」。発音をカタカナであらわすと「シィン イー」が近いでしょう。

最後に

早春に、白くて可憐な花を咲かせ、春の訪れを知らせてくれる「辛夷」。春のお散歩時に、その花を観賞するのもいいですが、秋に、名前の由来となった実を探してみるのも楽しいかもしれません。また、「辛夷」は漢方薬にも使われているので、鼻づまりなどで困った際には、「辛夷」の配合された「葛根湯加川芎辛夷」「辛夷清肺湯」を見つけてみてください。

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