「蒸篭」は、料理の幅を広げる万能な道具ですがなんと読むか瞬時にわかりますか?
本記事では、蒸篭の読み方や種類、使い方に加え、おすすめの食材と簡単レシピを紹介します。忙しい日常に取り入れれば、毎日の食卓がもっと豊かになりますよ。ぜひ、一緒に蒸篭の魅力を探ってみましょう!
「蒸篭」の読み方や種類と使い方は?
「蒸篭」の読み方や種類を紹介します。また、使い方も解説しますので、ぜひチェックしてくださいね。
■読み方
「蒸篭」は、「せいろ」もしくは「せいろう」と読みます。「蒸篭」は、木の素材で作られている蒸し器の一種です。
■種類と使い方
「蒸篭」には、いろいろな種類があります。まずはそれぞれの特徴を紹介しましょう。後半では使い方について解説します。
・中華蒸篭
スノコと枠が一体となっており、木で編まれたフタが特長です。浅いので、数段重ねて使われることが多く、調理後はそのまま食卓に出すことも。水滴が食材に落ちにくい作りになっています。
・和蒸篭
中華蒸篭と比較すると、深さがあり、スノコと枠は外せるようになっています。厚みのある木製のフタが重く、蒸気を閉じ込めてくれるので、中華蒸篭よりも時短で調理することができます。
・蕎麦蒸篭
そばを蒸して、そのまま提供する際に使われています。「せいろそば」は、蕎麦蒸篭にのせて提供されるそばのことです。
一般の家庭でよく使われているのは、「中華蒸篭」と「和蒸篭」でしょう。「蒸篭」はとても簡単に使えるので、長年愛用しているという人もたくさんいます。
「蒸篭」を使うと、野菜は味が濃くなり、肉や魚はふっくらとジューシーに仕上がります。固くなったパンを蒸篭蒸しにすると、より美味しく食べられたりしますよ。
~「蒸篭」の使い方~
(1) 使用前に、蒸篭全体を水で濡らす(蒸篭の焦げ防止のため)。
(2) お鍋の9分目くらいまで水を張り、お湯を沸かす。
(3) 蒸篭に材料を入れる。あらかじめ濡らした蒸し布(野菜の葉やクッキングシートでもOK)を敷いてから材料を入れるとgood。
(4) お湯が沸騰して十分に蒸気があがったら、食材の入った蒸篭を鍋の上に乗せる。
(5) 蒸気があがる火加減をキープしながら、蒸しあがるのを待つ。空焚きにならないよう、適宜お湯を足す。
(6) 試食や竹串などで食材をチェックし、蒸しあがっていたら完成。
同時にちがう食材を蒸したい場合は、「蒸篭」を重ねて使いましょう。火の通りにくい食材を最初に蒸して、あとは時間差で重ねていくといいですね。灰汁(あく)が出る食材の場合は、下の段に入れるようにしましょう。「蒸篭」を重ねて使う時は、サイズが同じものを使い、しっかりと安定させてください。
また、食材を入れた器ごと「蒸篭」で蒸すこともできます。器の下にふきんをしいておくと、楽に取り出せますよ。その際、ふきんの端が火に触れないよう、くれぐれも注意してください。浅い器は、裏返した「蒸篭」の上にセットするとちょうどいい高さになるでしょう。
食材を取り出す時や、「蒸篭」を触る時は、熱い蒸気が出ますので、注意が必要です。トングや断熱ミトン、鍋つかみなどで対策することをお忘れなく。
「蒸篭」の選び方は?
続いて、「蒸篭」の選び方をチェックしましょう。
■初めて買うならどのサイズ?
「蒸篭」にはさまざまなサイズがあり、大きいものは24cmを超えます。初めて「蒸篭」を買うなら、18cmを2段選ぶのがおすすめです。食材を蒸すのにちょうどいいサイズで、収納もしやすいです。
■「蒸篭」の素材はなにがいい?
「蒸篭」の素材は、杉、竹、ヒノキです。使用方法や扱い方はどの素材も同じですが、以下にそれぞれの特徴を紹介します。
・竹
他の素材に比べて木の香りが弱いため、木の香りが気になる人や、初めて使う人に向いているでしょう。価格帯も手ごろです。30分以上の加熱には耐えられません。
・杉
蒸した時に杉のよい香りがします。価格帯も手ごろで、竹と同様に扱いやすいですが、耐久性は竹よりも低め。杉も30分以上の加熱には不向きです。
・ヒノキ
耐久性が抜群の強い素材です。弱めの中火なら、最長90分程度は使用可能。高価格帯のものが多く高級感があり、きちんと使えば一生ものです。贈り物として選ばれることもあります。
価格帯はさまざまですが、まずは手の届きやすいものから試し、「蒸篭」が自分の暮らしに馴染むかどうかを確かめましょう。使い慣れたら、ちがうサイズや素材を購入してみるのもいいですね。
■「蒸篭」の手入れは?
使用後は、お湯で湿らせた布を使ってふきます。油分がついた時は、ぬるま湯で洗いますが、洗剤の使用は避けてください。風通しのよいところに置いてしっかりと乾燥させ、カビがつかないようにしましょう。毎回しっかりと乾燥させることが大切です。
当面使わないという場合は、新聞紙で包んで保管します。ビニール袋での保管は通気性に欠け、カビや虫食いの原因になるため、絶対に止めましょう。
「蒸篭」を長持ちさせるコツ
せっかく購入した蒸篭。できることなら長く愛用したいですよね。蒸篭を長持ちさせるポイントを押さえておきましょう。
適度な湿気を保つ
蒸篭が極端に乾燥すると、木が割れることがあります。乾燥しすぎると木が縮んでしまうため、使用後に完全に乾燥させるのは大切ですが、保管中に乾燥しすぎないように注意が必要です。乾燥が気になる場合は、時々軽く水分を含ませることで、木材の状態を維持することができます。
過度な熱を避ける
直火で使用すると蒸篭が焦げたり、変形する可能性があるため、適切なサイズの蒸し器や鍋を使うことがポイントです。専用の蒸し器や鍋を選ぶことで、蒸篭が直接火に触れないようにすることができますよ。また、長時間同じ箇所に熱が当たると変形することがあるため、適度に位置を変えて蒸すのも長持ちさせる秘訣です。
熱いものを直接置かない
蒸篭に熱い食材や蒸気を直接置くと、木材が急激に温度変化にさらされ、変形や割れの原因になります。使用する際は、まず食材が少し冷めるのを待ってから置くようにしましょう。また、蒸篭を使う際には、蒸気が逃げるように、火力を調整することも大切です。
「蒸篭蒸し」すると美味しい食材にはどんなものがある?
「蒸篭蒸し」すると、美味しさがアップする食材を紹介します。
うなぎ
「うなぎの蒸篭蒸し」は、福岡県筑後地方の郷土料理です。福岡県では、うなぎは「蒸篭蒸し」で食べるのが定番のようですよ。
「うなぎの蒸篭蒸し」は、蒲焼のタレを絡めたごはんの上に、うなぎの蒲焼と錦糸玉子を乗せ、「蒸篭」で蒸したもの。ふっくらと柔らかくなったうなぎに、うなぎの旨味と香りが染みこんだごはんは、えもいわれぬ美味しさです。