「目論見」の意味や読み方とは?
「目論見」を正しく使うために、まずは詳しい意味や読み方、語源からチェックしていきましょう。
意味や読み方
「目論見」は「もくろみ」と読み、意味は以下の通り。
もくろむこと。また、その内容。計画。企て。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
「物事を成し遂げるために計画すること」や、「物事を成功させるための考え」というニュアンスで用いられます。
「目論見」の語源とは?
「目論む」を名詞形にした言葉が「目論見」です。その語源は、囲碁の用語である「目算(もくさん)」とされています。「目算」の「目」は、碁盤の目のことをいい、「目の数を読む」という意味。目の数を読み、対局において自分がどの程度進んでいるのか、どのくらい勝っているのかを分かりやすくするためのものです。「目算」をすることによって、勝つための作戦が立てやすくなります。
そのことから「先を読むこと」や、「物事を実現させるための考え」という意味で用いられるようになりました。
「企み」との違いはある?
「目論見」と同じく、何かを企てる際に「企み(たくらみ)」と表現することがあります。この「企み」と「目論見」には、どのような意味合いの違いがあるのか、みていきましょう。
「企み」とは?
「企み(たくらみ)」の意味を辞書で調べてみると以下のようにあります。
たくらむこと。くわだて。多く、よくない計画をいう。(<小学館 デジタル大辞泉>より)
何かを計画するという点では「目論見」と共通します。しかし、「企み」は主によくない計画を表すネガティブな意味合いの言葉。「相手の企みにはまる」などというように、「謀略」や「策略」というニュアンスで用いられます。
「目論見」はよい意味・悪い意味の両方で使われる言葉ですが、「企み」は悪い意味のみで用いられるという違いがあります。
「目論見書」とは?
投資などをする際に必要な、「目論見書(もくろみしょ)」という資料があります。この「目論見書」をわかりやすくいうと、投資信託や債券、株券などの有価証券を購入する際に交付される説明書のようなもの。商品の特徴や投資の目的や運用方針、リスクや報酬などの重要事項が記された書類をいいます。
使い方を例文でチェック
前述した通り「目論見」は、よい意味でも悪い意味でも使われる言葉です。実際にどのように使うのか、例文をみていきましょう。
1:「彼女の目論見通りに事が運んだ」
「目論見通り」とは、「計画した通り」や「予想した通り」という意味。この例文は、「彼女が計画した通りに物事が進んだ」ということを表現しています。
2:「彼の目論見が外れるとは、思ってもみなかった」
「目論見が外れる」は、「予想が外れる」や「想定外の事態」、「誤算」というニュアンスを表すことができます。
3:「見事に目論見が崩れ去った」
「目論見が崩れる」は「計画していたことが失敗する」ということ。「見事に」をつけることで、「完全に計画が失敗に終わった」ことをいっています。
4:「彼は何か目論んでいるに違いない」
「目論んでいる」とは「作戦がある」ということ。この場合は、「よからぬことを考えている」というニュアンスを含みます。そのため、ネガティブな言い回しをする際に用いられることが多いでしょう。
5:「プロジェクトを成功に導くための目論見を立てる」
「目論見を立てる」とは、「計画を立てる」ということ。ただ単に計画をするのではなく、成功という目標に向かって「戦略を考える」ことを表現する言い回しです。
類語・言い換え表現とは
「目論見」の類語・言い換え表現には「計画」、「企て(くわだて)」、「企画」、「はかりごと」、「青写真」、「腹積もり」など、多くの言葉が挙げられます。それぞれの詳しい意味や使い方などをみていきましょう。
1:「計画」
「計画」は「物事を行う際に、前もってその方法や進め方を考えることや、その内容」のこと。目標に対してどのようなことをするのか、またどのような手順で行っていくかを具体的に考えることを「計画を練る」や「計画を立てる」などといいます。
2:「企て」
「企て(くわだて)」は「計画を練ること」という意味。「企てる」を名詞化した言葉です。主に「政権転覆を企てる」や「彼の企てが明らかになる」など、ネガティブな意味合いで使われることが多いでしょう。
3:「企画」
「企画」は、「ある物事を行うため、またそれを実現させるための計画を立てること」という意味。「企画書」や「イベントを企画する」などと用いられます。
4:「はかりごと」
「はかりごと」とは「物事が上手く運ぶよう、事前に考えられた計画や手段」のこと。主に「陰謀」や「策略」といった悪い意味で使われる言葉です。
5:「青写真」
「青写真(あおじゃしん)」は「おおまかな計画」のこと。先々のプランを立てるときに「老後の青写真を描く」などと表現されます。
6:「腹積もり」
「腹積もり(はらづもり)」とは「事前に考えておく、おおまかな予定や考え」、または「心の準備」や「心構え」といったことを表す言葉。相手の考えていることを聞く際に「相手の腹積もりを聞いておく」と表現することができます。
「目論見」の英語表現とは?
「目論見」を英語で表現するには「計画」を意味する「plan」、またはネガティブな意味を表現する場合は「scheme」や「plot」を使って表すことができます。
・He has plan a foray abroad.(彼は海外進出を目論んでいる)
・Our plan went wrong.(我々の目論見が外れた)
・She must be scheming something.(彼女は何か目論んでいるに違いない)
・I saw through his plot at once.(私は彼の目論見をすぐに見抜いた)
最後に
「目論見」は、ポジティブな意味でもネガティブな意味でも使われる言葉です。そのため、使い方を誤ると相手に誤解を与えかねません。この機会に、正しい意味や使い方、言い換え表現をきちんと押さえておきましょう。
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