「賜物」とは「恩恵や祝福として与えられたもの」、「あることの結果として現れたよいもの」「成果」を意味します。
Summary
- 「賜物」(たまもの)とは、努力や支援の結果として得られる良い成果を指す
- 目上の人に使うときは「賜物と存じます」のように、へりくだった言い回しを用いるとよい
- 「賜物」の類語や言い換え表現には「結晶」 や「産物」 「恩恵」などがある
「賜物」とは?
ここでは、「賜物」の言葉の意味や読み方、さらに目上の人に使う際の注意点についてご紹介します。

「賜物」の読み方
「賜物」は「たまもの」と読みます。
「賜物」の意味
たま‐もの【▽賜/▽賜物】
読み方:たまもの
1 恩恵や祝福として与えられたもの。たまわりもの。「水は天からの—」
2 あることの結果として現れたよいもの、または事柄。成果。「努力の—」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「賜物(たまもの)」は、苦しい試練を乗り越えることで得られる良い結果のことを指します。たとえば、「苦労の賜物」といった表現がされますよね。このような表現では、努力や成果を尊重するニュアンスを示すことができます。
さらに、目上の人から得た良い物事という意味でも使われます。このような意味を持つ表現には「ご指導の賜物」などがあり、目上の人からの援助に感謝する気持ちを表すことができます。
また、似た言葉で「賜り物(たまわりもの)」という語があります。こちらは頂き物を丁寧に表す語で、「賜物」とは意味が異なるので注意しましょう。

目上の人にも使えるのか?
一般的に「賜物」は、立場の高い人が周囲の人を褒めるとき、もしくは感謝を伝えるときに使われる表現です。そのため、目上の人に「この結果は皆様の努力の賜物ですね」といった使い方をすると、偉そうな印象を与えてしまいます。
それでは、目上の人に「賜物」は使えないのでしょうか? 答えはNO。「賜物と存じます」のように謙譲語を用いることで、目上の人にも感謝の気持ちを述べることができるでしょう。

目上の人に「賜物」を使うときは「賜物と存じます」のように、言い回しに注意しましょう。
【実際のエピソード】「賜物」に関する成功談・失敗談
「賜物」という言葉に関する体験談には、どのようなものがあるのでしょうか?ビジネスシーンにおいて、何かしらの気づきや学びを得た実際のエピソードを紹介していきます。
【episode1】役員スピーチで学んだ「賜物」の重み
Kさん(管理職、39)
私が担当した事業部の大規模な変革プロジェクトが成功裏に終わり、その打ち上げ会で役員がスピーチする、という場面がありました。役員は、「この素晴らしい成果は、ひとえに現場で奮闘された皆さんの苦労の賜物です」と結びました。単に「成果」という言葉で終わらせるのではなく「苦労の賜物」と表現することで、その結果を、皆の努力から生まれた尊い「贈り物」のように扱ってくださったのです。これにより、参加者全員の努力が深く報われたと感じ、非常に感動的なスピーチとなりました。この出来事を通して、言葉選びがメンバーのモチベーションをさらに高めるのだなと学びました。
【episode2】ネガティブな「賜物」の誤用に注意
Yさん(管理職、44)
あるプロジェクトでトラブルが多発し、最終的に目標未達に終わった際、若手チームリーダーが反省会資料で「今回の失敗は、私たちの不手際の賜物です」と記述しているのを見つけました。私はすぐに彼を呼び、「『賜物』は、良い結果や尊い成果に対して使う言葉だよ。失敗やネガティブな結果には使わない」と指摘。「この場合は、『失敗の原因』や『不手際の結果』と客観的に書き換えるように」と指導しました。言葉の持つ意味合いを理解せず、ただ「丁寧そうだ」という理由で言葉を選んでしまうと、かえって誤解を招いてしまいます。
使い方を例文でチェック
「賜物」にはビジネスで使える言い回しがたくさんあります。ここでは、「賜物」を使った例文を3つご紹介しますので、ぜひ覚えて活用していきましょう。

「努力の賜物」
例文
・この成果は彼女の努力の賜物です
・彼の昇進は、遅くまで残って働いた努力の賜物です
「努力の賜物」は、褒め言葉としてビジネスシーンや日常会話を問わずよく使われます。仕事の成果や試験合格など、日々の頑張りによって得られた良い結果を褒め称える際にとても使える表現です。
「これもひとえに~の賜物」
例文
・これもひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝申し上げます
・これもひとえに皆様のご協力の賜物です
「これもひとえに~の賜物」は、取引先へのお礼状やスピーチなどフォーマルな場面に適した表現です。「ご支援の賜物」も、日頃の支援により良い結果が生まれたことに感謝を述べる際に使われます。あわせて覚えておくといいでしょう。
▼あわせて読みたい
「教育の賜物」「ご指導の賜物」
例文
・私がこのような賞を頂けたのは、両親の教育の賜物です
・今回の成功は、ひとえに部長のご指導の賜物です
「教育の賜物」は、「私を教育してくださりありがとうございます」という気持ちを示すときなどに使われる表現です。ビジネスでは、似た意味を持つ「ご指導の賜物」もよく使われます。
「苦労の賜物」
例文
・この画期的な新システムは、エンジニアチームの徹夜続きの苦労の賜物です
・度重なる交渉を経て勝ち取った大型契約は、担当者の粘り強い苦労の賜物といえるでしょう
「苦労の賜物」とは、長期間にわたる大変な努力や苦しい経験の結果として得られた、立派な成果や結果を指す言葉です。単に結果が出たというだけでなく、その成功の裏には計り知れない努力や困難があったことを強調し、その成果を讃える肯定的で感動的なニュアンスで使われます。
類語にはどのようなものがある?
「賜物」には、いくつかの類語が存在します。どれも似た意味を持ちますが、少しずつ意味合いが異なるため、相手や場面を考慮して使い分けられることが理想です。




