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2021.07.10

「ひとえに」は正しく使えていますか?使い方のポイントや「一重に」「単に」との違いをご紹介

 

「ひとえに」という言葉には、「原因や理由が一つだけである」、「そのことだけをする様子」という2つの意味があります。「原因や理由が一つだけである」という意味で使う場合、使い方次第で感謝を表す言葉にも、謝罪を表す言葉にもなるため、使う際には注意をしなければなりません。 今回は「ひとえに」の詳しい意味や使い方、例文や類語、英語表現をご紹介します。間違った漢字表記についても解説しますので、漢字で「ひとえに」を表現する際は注意しましょう。

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「ひとえに」の2つの意味

「ひとえに」の意味は2つあり、「原因や理由が一つだけである」と「そのことだけをする様子」です。このうち、「原因や理由が一つだけである」という意味では、感謝を表す場合と、謝罪の気持ちを表す場合があり、使い方によってニュアンスが変化します。それぞれの意味を詳しく見てみましょう。

ひとえに

1. 他に理由はないさま

「ひとえに」は、理由や原因がただそれだけであることを強調する際に使われる言葉です。強調する対象が理由のときは感謝の気持ちを表しますが、原因である場合は謝罪の気持ちを表します。

また、「ひとえに~と言っても」と否定の言葉が続く場合、「ただそれだけと思われがちであるが、違う場合もある」と、否定的な意味でも使われます。例文をご紹介しましょう。

<否定の言葉が続く場合の例文>
・ひとえに猫はクールな性格と言っても、犬のように人懐っこい個体もいる
・ひとえにケーキは太りやすいと言っても、糖質が抑えられていて太りにくいものもあるよ

2. ただそのことだけをするさま

もう一つの意味は、ただひたすらにそのことだけをする様子です。ただし、古めかしい響きで堅い印象があるため、日常生活では使われる場面は少なくなってきています。ビジネスシーンにおいても、最近は使われる機会が少なくなりました。

「ひとえに」の漢字表記は「偏に」が正解

「ひとえに」の正しい漢字表記は「偏に」です。しかし、キーボードで「ひとえに」と打った際、予測変換に「偏に」よりも「一重に」、「単に」と間違った漢字が出てきてしまう場合が多いため、誤変換に注意が必要です。間違われやすい漢字表記の「一重に」、「単に」について解説します。

ひとえに

■「一重に」は誤表記

「ひとえに」の漢字表記として「一重に」は間違いなので注意しましょう。元々「ひとえに」は、名詞である「一重」に、格助詞である「に」が付いたものです。そのため、「一重に」で間違っていないように思われます。

しかし、「一重」の意味は「そのものだけで、重ならないこと」、「単衣の略」、「一重まぶたの略」であり、格助詞が付いた「ひとえに」とは意味が異なります。「ひとえに」を「一重に」としてしまうと、全く意味が違ってきてしまうので、うっかり誤変換しないように気を付けましょう。

■「単に」は副詞としては読み方が変わる

もうひとつ間違えられやすい漢字表記に「単に」があります。「単」という漢字は「ひとえ」とも読めるため間違われやすいですが、「単に」を副詞として使う場合は「たんに」という読み方です。

「単に」の意味は、「単純に」で、とりたてて言及する必要がないことを表します。こちらも「一重に」と同じく、誤変換してしまうと意味が変わってきてしまい、誤解を生む可能性があるため注意が必要です。

「ひとえに」の使い方のポイント2つ

「ひとえに」の使い方のポイントは、「ひらがな表記が基本」、「相手を立てるフレーズを修飾する」の2つです。

ひとえに

1. 基本はひらがな表記にする

「ひとえに」は基本的にはひらがな表記にしましょう。「ひとえに」は漢字で「偏に」と表しますが、日常的に使う漢字ではなく、読める人が少ないためです。

2. 修飾するフレーズは相手を立てる

副詞である「ひとえに」は、直後にある言葉を修飾します。そのため、修飾する言葉は「皆様」や「あなた」など、相手を立てる言葉を選ぶべきです。

例えば、「今回のイベントが成功したのは、ひとえに皆様のご尽力のおかげです。」という文では、「ひとえに」は直後の「皆様」を強調しています。つまり、「イベントが成功した理由は、皆さんが力を尽くしてくれたからであり、そこに一番感謝しています。」という意味合いです。

しかし、「今回のイベントが成功したのは、皆様のご尽力のおかげとひとえに感謝しております。」という文では、「ひとえに」は「感謝」を強調しています。この使い方は間違いではありませんが、少々古めかしい印象であるため、一般的には使われません。

「ひとえに」の例文を2パターンご紹介

「ひとえに」は、感謝の気持ちを表す場合に使いますが、謝罪の気持ちを表す場合にも使われる表現です。それぞれの詳しい使い方を、例文を用いてご紹介します。

ひとえに

1. 感謝の気持ちを表す場合

相手の行為に対して感謝の気持ちを強く表したい場合に、「あなた」、「皆様」、「貴社」などの相手を表す言葉の直前に付けて使います。相手を立てて感謝の気持ちを表すことで、円滑な関係を築くために使う言葉だといえるでしょう。

また、「ひとえに」の後ろには、「~のおかげ」と付けることが多いですが、この「おかげ」を「ご尽力のおかげ」、「お力添えいただいたおかげで」、「ご愛顧の賜物でございます」など、敬語や丁寧な表現にすると、より堅くフォーマルな印象になります。

感謝の気持ちを込めた例文

・この度、わが社創立以来最大とも言えるプロジェクトが無事に成功しました。これもひとえに、皆様の並々ならぬ努力とご協力があったからこそです。
・このような立派な賞を受賞できましたことは、ひとえに先生の教えがあったからこそと感謝しております。
・この度、新規にお取引を開始させていただくことになりましたのは、ひとえに貴社のご尽力のおかげと感謝申し上げます。

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