先般とは?意味をご紹介
先般(せんぱん)とは、この間や先ごろを意味する言葉です。現在の時点よりも少し前を指すときに使われることがあります。
【先般】せんぱん
さきごろ。このあいだ。過日。「―の件、承知いたしました」「―申し上げたように」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
■先般とはどのくらい前を指す?
先般は、現在に近い過去の時点を指す言葉です。どれくらい前の時点かは決まっていませんが、何年も昔に起こったことについては「先般」とは表現しないと考えられます。
また、先般は「時点」を指す言葉であり、「期間」を指す言葉ではありません。たとえば、次のような使い方は間違っています。
×先般、クランベリージュースが人気のようだ。
×〇〇社との関係は、先般、大きく改善された。
現在に近い一定期間を表現したいときは、「先日来(せんじつらい)」や「近頃(ちかごろ)」などの言葉を使えます。たとえば、次のような使い方なら、文法的にも問題がないでしょう。
・近頃、クランベリージュースが人気のようだ。
・〇〇社との関係は、先日来、大きく改善された。
■先般と昨今、今般の違い
昨今(さっこん)も、先日来や近頃と同じく、特定の時点ではなく一定期間を指す言葉です。昨日今日や今日この頃、近頃とも言い換えられます。現在に近い過去から現在までを含めて漠然と指すときに使いましょう。
・昨今、SNSを使わない生活が流行っているらしい。
・昨今は、あまり外出せずに自宅で読書をしています。
また、今般(こんぱん)は、この度や今回、今度の意味で使う言葉です。先般と同じく特定の時点を指す言葉ですが、過去というよりは現在を指すときに使われます。
・今般、左記の住所に引っ越すことになりました。
・今般は、お得意様に喜んでいただけるキャンペーンを実施します。
先般を使うシーン
先般は、書き言葉として使われる傾向にあります。先般を用いるシーンとしては、次のものが挙げられます。
それぞれのシーンでどのように先般を用いるのか、例文を通して見ていきましょう。
ビジネスでの会話・メール
先般は、ビジネスシーンで使われることが多いです。メールや案内状などの書き言葉だけでなく、会話のなかでも使われることがあります。
・先般のイベントへのご参加、誠にありがとうございました。
・先般ご案内いたしましたセミナーの件、ご都合がよろしければご参加ください。
・先般お知らせいたしましたが、再度、ご連絡いたします。
目上の方と会話するとき
先般は、改まったニュアンスがあるため、目上の方と会話をするときに使われることがあります。ビジネスシーンだけでなくプライベートでも、目上の方や普段あまり話をしない方との会話で先般を使い、改まったニュアンスを表現してみてはいかがでしょうか。
・先般の会議で決議した内容は、こちらにすべてまとめております。
・先般のご指摘を反映し、新しく企画書を作成いたしました。ぜひご一読ください。
・先般申し上げたように、A校への推薦は辞退いたします。