大鳥の尾より小鳥の頭(おおとりのおよりことりのかしら)
「大鳥の尾より小鳥の頭」は大きな組織の下であるよりは小さな組織のトップになるのがいいという意味のことわざです。「鶏口となるも牛後となるなかれ」と同じ意味といえるでしょう。
【例文】
・ペットショップのチェーン店で長年働いていたAくんが独立して自分の店を持った際に、「【大鳥の尾より小鳥の頭】ですから」と、ペットショップらしいことわざで独立の理由を説明しました。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」の対義語2つ
「鶏口となるも牛後となるなかれ」には対義語となることわざもいくつかあります。将来性を重視する人がいる一方で、安定性を重視する人もいるということでしょう。「鶏口となるも牛後となるなかれ」の対義語となることわざの主なものは以下の2つです。
・寄らば大樹の陰
・長いものには巻かれろ
それぞれの意味と例文を紹介します。
寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)
「寄らば大樹の陰」とは、頼りにするならば大きな力を持ったものを選ぶのが得策であるという意味のことわざです。江戸初期から明治期までは、「立ち寄らば大木の蔭」という表現が使われていました。処世術を語る場合にもよく使われます。
【例文】
・A議員は変わり身が早いことで有名ですが、このたび、党内の最大派閥に入ることにしたのは、【寄らば大樹の陰】と考えたからでしょう。
長いものには巻かれろ
「長いものには巻かれろ」とは、自分よりも力のあるものには取りあえず従っておくのがいいという意味のことわざです。長いものとは権力者や社会的な強者を表すことが多いといえるでしょう。
【例文】
・専務は将来の社長候補だから、【長いものには巻かれろ】で、意に沿うような行動を取るように心がけるべきです。
・PTA会長のBさんには、【長いものは巻かれろ】で逆らわないのが身のためだと思います。
まとめ
「鶏口となるも牛後となるなかれ」とは大きな組織で下の地位になるよりも、小さな組織のリーダーを目指せという意味のことわざです。もともとは中国の故事が語源となっており、安定性よりも将来性を重視すべきであることを示す場面でよく使われます。
現在では就職や転職、さらには企業の合併などで使われることの多い言葉です。「鶏口となるも牛後となるなかれ」の意味を知って正しく使ってください。
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