おしゃれや美容、自分がハッピーになるためにしてますか?
メルボルンに住み始めて3年が過ぎた今日この頃。日々のワインでぽっこりプニョプニョなお腹、ロックダウン以来カラーリングせずの黒々した髪。そして、ふとガラスに映る自分の足や貧相なお尻を目の当たりにするにつけ、「ま、いっか〜(笑)」と思えるようになってきた最近の私。
▲43歳・スッピン寝起き加工ナシ。「ま、いっかー、こんなもんでしょ!」と思えた1枚。土曜のブランチ、家族の中で〝誰が一番イイ笑顔できるか〟対決中に、パチリ。
そもそもメルボルンの人たち、いや欧米諸国の人たちは、日本ほど自分や他人の外見を気にしません。もちろんファッション業界やエンタメ、美容やクリエイティブに携わる人はまた別の話。ですが、一般常識的に、他人の体型を揶揄したり、身に着けているもので人をジャッジするのは、口に出しても出さなくても、とても低俗で失礼なことと見なされています。
▲自宅から見たある日の朝焼け。秋に入ったメルボルン。朝夕は空気がひんやりしてきました。
日本人は女性も男性も皆一様に身なりに気を遣います。 だから道を歩いていても、みんな小綺麗できちんとしてる。それはそれで意識が高く素晴らしいことだと思うし、私はそんな日本の女性が大好き。数年前までは私自身その中にどっぷり身を置き、東京で毎日きれいなモデルさんや美のプロたちと仕事していました。だから、自分の外見が美しくあることも仕事のひとつ!と前向きに自覚して、私なりに結構な時間とお金、労力を使い、ときには痛みにも耐えながら美活にも励んでました(笑)。
▲自宅前のビーチを息子と散歩しながらゴロン。この後いきなり雨に襲われたのがメルボルンらしい。
今も自分はできるだけきれいでいたいと思うし、美容やおしゃれが好きです。だけど、メルボルンに住んでから、私の美の目的の大半は「他人からきれいと見られる&思われること」だったんだと気付きました。それとは逆に、ここではそもそも誰も他人の外見を気にしない、話題にもしない。それよりも政治や経済、環境問題や芸術にスポーツ、お互いの人生や考えを知りたいし語りたい。自分や誰かの容姿について、他人の目や評価を気にしたり、比べることへの関心自体がとても低いのです。
▲自宅で家族ディナーの後、気分を変えて軽く飲もうと、夫と2人隣駅のワインバーへ。
だから私も、パスタやチキン、甘いドーナツに必要以上に罪悪感を抱くのを辞めました(笑)。他の人からきれいね、おしゃれね、と褒められたらもちろん嬉しい。けれど、そう言われることを密かに期待して食べたいものを我慢したり、したくもない運動をしたり、服を着るのは、なんか違う。他人からどう見られるかでなく、自分も他人もありのままを受け入れ敬う。素の私を愛おしみ、自分が本当に心地よいと感じるかに集中する。好きなものを好きな人と食べ飲み、美味しいな幸せだなと感じる。それが、これから私自身、実践していきたい新たな美活なんだと思います。
▶︎再婚、そして海外移住。私がキャリアを手放した理由
▶︎続くロックダウン生活。ある日突然、私の心が折れた
▶︎メルボルンの中学校、通ってみて感じた3つの謎
スタイリスト&エディター
山﨑ジュン
本誌をはじめとする女性誌やカタログ、ブランドディレクターとして活躍。約3年前より、アメリカ人の夫の転勤を機に海外に移住、現在はオーストラリア・ メルボルンに居を構える。ウェブライターとしての活動も。インスタグラム@hellojun style もチェック!