目する
「目する(もくする)」は、「目をつける、注目する」という意味。人物や団体に対して、「首席候補と目される」や「秀才と目される」というように使われます。人柄や実力が高く評価され、周囲から期待されている人に使用することが多いです。
1 目をつける。みなす。「首謀者と―・される」
2 認める。評価する。「だれからも秀才と―・されてきた」
3 注目する。「将来を―・される」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
《例文》
・A氏は、今回の争いの首謀者と目されている
・田中くんは誰からも秀才と目されてきた
擬する
あまり馴染みのない表現ですが、「擬する(ぎする)」も「看做す」の類語にあたります。「見立てる」「決定していないことを、仮に当てはめる」という意味が、「看做す」と類似していますね。
1 見立てる。なぞらえる。「山水に―・した庭園」
2 決定していないことなどを、仮に当てはめてみる。「次期総裁に―・せられる」
3 刀などを突きつける。あてがう。「背に銃を―・する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
《例文》
・山水に擬した日本庭園は、重要文化財に指定されている
・次期総裁に擬せられる
英語表現とは?
「看做す」の英語表現は、「regard」「consider」です。「regard」は、「〜と看做す、考える」、また、人のことをじっと見る、見守ることを表します。
《例文》
・I regard every assignment as a challenge(私は、どの任務も自分に対する挑戦と看做している)
・He is regarded a great man by his neighbors(彼は近所の人から偉大な人だと看做されている)
続いて、「consider」は、「〜と看做す、〜と判断する、考える」という意味です。
《例文》
・I consider him an honest(私は彼を正直者と看做している)
・ I need more time to consider before I make a decision(決める前に、もう少し検討する時間が欲しい)
最後に
「看做す」は、「仮にそうと見る。そうでないものをそうとする。仮定する」「判断してそうと決める」という意味で使われています。「みなす」の漢字表記には、他に「見做す」がありますが、こちらも「よく見る、見守る」という意味を持つため、大きな意味の違いはありません。
この機会に、「見立てる」「目する」などの類語表現も覚えて、表現の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
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