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2023.11.13

「めっそう」の正しい意味は? 由来や類語表現を例文とともにご紹介

 

「めっそう」は「滅相」と書く仏教用語で、「あってはならない」という意味です。主に「めっそうもない」という形容詞で使われており、謙遜や強い否定を表すときに使われています。そこで今回は「めっそう」の由来や正しい使い方、類語表現などを例文を交えて解説します。

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めっそうの意味や由来、使い方

「めっそう」は「あってはならない」ことを意味する古くから使われている言葉で、主に「めっそうもない」という謙遜や否定表現として使われています。

めっそう

めっそうの由来である仏教用語の「滅相」が、なぜ現在の使い方をするようになったのか、「めっそう」の意味や由来、正しい使い方についてわかりやすく解説します。

■めっそうの意味は「あってはならない」こと

「めっそう」は、「あってはならない」「思いもよらない」という意味の言葉です。古くから親しまれている言葉で、年配の人への丁寧で古風な言い回しとして使えます。なお、辞書には以下のように載っています。

[名]仏語。
1 四相の滅相。因縁によって生じた一切のものが現在の存在から滅し去り、過去に入ること。
2 真如が常住で寂滅であり、生死がないこと。
[形動][文][ナリ]あるはずのないさま。とんでもないさま。「滅相なことを言うものではない」
※出典:goo辞書「めっそう」

現代では、形容動詞の意味で使用されることがほとんどですが、本来の意味は名詞の「因縁によって生じた一切のものが現在の存在から滅し去り、過去に入ること」です。

■めっそうの由来は「滅相」と書く仏教用語

めっそうは漢字で「滅相」と書き、元は仏教用語です。仏教用語の滅相は、非常に奥深い意味を持ちます。

この世の全てのものは常に変化をし続けており、いずれ消え失せて過去のものになります。物事は因縁(原因と結果)によって生まれ、存続し、変わり、そして消滅を迎えるものです。この生まれる部分を「生相」、存続する部分を「住相」、変わる部分を「異相」、そして消滅を迎える部分を「滅相」と呼び、この四つの相を有為の四相と言います。

この仏教の思想の「滅相」というのは、人の死も意味します。人はいずれは必ず死ぬものですが、生き続けたいと思う人にとって「死=滅相」は「あってはならないこと」、場合によっては「思いもよらぬこと」です。

このように、めっそうというのは死や消滅を意味し、そこから「あってはならないこと」「思いもよらぬこと」を意味するようになり、さらに転じて「とんでもない」「どういたしまして」の意味となりました。

■主に「めっそうもない」と使われる

「めっそう」は「めっそう」だけではあまり使用されません。多くが「滅相もない」「滅相もございません」のように否定語とともに使われる慣用表現です。

■「めっそうもございません」は誤用ではない

人によっては「滅相もございませんは誤用である」という人がいます。これは「滅相もない」がひとつの形容詞として機能しているので、「ない」という部分だけを切り取って丁寧にするのはが間違っている、という考え方があるからです。

しかし、文化庁が2007に発表した「敬語の指針」の「とんでもございません」の項目には、以下の記述が確認できます。

「とんでもございません」「とんでもありません」 は、相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現であり、現在では、こうした状況で使うことは問題がないと考えられる。

この考え方はほぼ同じ意味・同じ用法の「滅相もございません」にも当てはまると考えられます。このため、謙遜の意味で使うなら「滅相もございません」は正しいと言えるでしょう。

逆に、謙遜の意味で「滅相もないことでございます」と言った場合には、注意が必要です。「あなたが褒めてくれたのはあってはならないことだ」という、強い否定の意味にも受け取られる可能性があります。

しかしながら、「滅相もございません」を誤用と考える人も多いので、「滅相もないです」と伝えたほうが誤解を招きにくいでしょう。

「めっそうもない」が使える場面

「滅相もない」には、「謙遜表現」と「強い否定」の主に2つの意味があります。ここでは2つの意味について、それぞれ詳しく解説します。

「めっそうもない」が使える場面
  1. 謙遜表現
  2. 強い否定
  3. (番外編)謝罪の返事としても使える

めっそう

謙遜表現

褒められたときの返事として「滅相もない」を使用する場合は、謙遜の意味です。「そんなに褒めてもらえるほどのことではありませんよ」というニュアンスが含まれており、目上の人に使う場面が多いでしょう。

【例文】
・そのように言っていただけるなんて、滅相もございません。
・滅相もないです。当たり前のことをしただけですから。

強い否定

例えば濡れ衣を着せられそうになったとき、そんなことをしたなんてありえないと否定したい場合に「滅相もない」と使用できます。「滅相もない」に強い否定の意味が込められており、こちらも目上の人に対して使用されることが多いです。

【例文】
・ふざけているなんて滅相もない。真面目に考えて申し上げております。
・プロジェクトリーダーなんて滅相もない。私はまだ配属されたばかりです。

(番外編)謝罪の返事としても使える

現在ではあまり使用されませんが、「滅相もない」を謝罪の返事として使う場合があります。謙遜表現と似ていますが、相手の謝罪を受け入れる言葉と一緒に使われることが多いので覚えておきましょう。

【例文】
・滅相もないです。私にも至らぬ点がありました。
・滅相もありません。あまり気になさらないでください。

「めっそうもない」を使うときの注意点

「滅相もない」は謙遜表現ですが、敬語表現ではないので目上の人に使う場合には特に注意が必要です。また、きちんと意味を理解していないと誤解を招いてしまう可能性もあります。ここでは、「滅相もない」を使う場合の注意点について、ご紹介します。

めっそう

■謙遜の言葉だが敬語表現ではない

「滅相もない」は、謙遜表現としてよく使用されます。しかし、「滅相もない」は形容詞であり、尊敬語や謙譲語ではないので、それだけで使うと少し不躾な印象です。目上の人に使うなら、「滅相もないです」と言うと丁寧に伝わります。

また、さらに丁寧に伝えたいなら、「滅相もないことでございます」が適当な表現でしょう。

しかし、「滅相もないことでございます」は使う場面によっては、「強く否定された」と勘違いされてしまう可能性もあります。使用する際には、声のトーンや表情を柔らかくするなどして誤解されないように工夫しましょう。

「めっそうもない」の類語表現4つをご紹介

「滅相もない」は、「とんでもない」「恐れ入ります」「恐縮です」「決してそのようなことはありません」という4つの類似表現があります。それぞれ使い方やニュアンスが違うので、「滅相もない」と使い分けられるようにしっかり意味を確認しておきましょう。

めっそう

とんでもない

「とんでもない」は「滅相もない」とほとんど同じ意味で使用できますが、謙遜表現、強い否定の意味以外にも「けしからん」「思ってもみない」という使い方もできます。

「滅相もございません」と同様、今まで「とんでもございません」は誤用とされていましたが、前述の通り2007年の文化庁の指針により現代では正しい使用法とされました。しかし誤用と思っている人も多いので、「とんでもないです」と使用するのが安全でしょう。

【例文】
・とんでもない!そんな卑怯なことはしていません。
・そのように言っていただくなんて、とんでもないことでございます。
・とんでもないと思っていた事件が、最近頻発している。
・とんでもない幸運が舞い込んできた。

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