「申し上げます」の意味や注意点とは?
「申し上げます」の意味やビジネスシーンで使う際の注意点を見ていきましょう。
意味
「申し上げます」は、「言う」の謙譲語である「申し上げる」という言葉に丁寧語の「ます」を組み合わせたものです。自分の意見を相手に伝えるときなどに「申します」ではなく、「申し上げます」とすると、相手を敬い立てる表現にすることができます。
ビジネス文書やメールの冒頭に使われる「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」という挨拶文を目にした方も多いのでは?もう少しわかりやすい表現にすると、「いつも特別にお心遣いいただき、本当にありがとうございます」と伝えています。感謝の挨拶を「言わせていただく」という意味を、へりくだり相手を敬う「申し上げる」としているのです。
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ビジネス等で使う時の注意点
メールやビジネス文書で書く場合には、「申しあげます」とひらがなで書くよりも「申し上げます」と漢字で書く方が一般的であり、適切です。
また、「申し上げます」という言葉は、自分自身が言う(書く)場合に使うため、相手が「言う」場合には、「言う」の尊敬語である「おっしゃる」が適切です。
商談などの場面で「つまり、〇〇〇ということですね?」とクライアントが言った場合に「〇〇様がおっしゃるとおりでございます」とします。「〇〇様が申されるとおりでございます」という表現は誤り。意外と間違って使う方がいるので、注意しましょう。
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使い方を例文でチェック!
「申し上げます」を使った例文を見て、実際のビジネスシーンでも使えるようにしましょう。
よろしくお願い申し上げます
ビジネスシーンでは最もよく使うフレーズかもしれません。例えば、「今後ともお引き立てくださいますようお願い申し上げます」は、取引先へのメールの結び言葉として使われています。さらに身近な使い方の例を挙げると、新年のご挨拶をする際、「本年もどうぞよろしくお願い申し上げます」。皆さんも使っていませんか?
御礼申し上げます
「ありがとうございます」という感謝の気持ちを伝えるときに使います。例えば、「本日は当セミナーにご参加いただき、心より御礼申し上げます」のように口頭で使う場面もありますね。
メールや文章で使う例を見てみましょう。セミナー参加者に後日メールで再度連絡をする際には、「先日はご多用中、当セミナーにご参加いただき、改めて御礼申し上げます」ともう一度謝意を伝えたい場合などに「改めて」をつけて表現することも。当日にお礼を伝え、後日にもう一度お礼を伝えることは、受け取った側もとても好印象を持つのではないでしょうか。
お詫び申し上げます
相手に謝罪の気持ちを伝えたいシーンで使います。「お詫びしたいという気持ち」を「言う」ので、「お詫びいたします」ではなく、「お詫び申し上げます」が正しい表現です。「この度はご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます」のように使います。
「失礼申し上げます」を使う方がいますが、聞きなれない不自然な表現です。意図が、失礼なことを言ってしまったことを謝罪したい場合には「失礼なことを申し上げ、お詫び申し上げます」と伝えましょう。また、相手の前を横切ってしまうような場面で、申し訳ない気持ちを伝えるのであれば「失礼いたします」が自然な使い方ですね。
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類語や言い換え表現とは?
続いて、「申し上げます」の類語や言い換え表現を見ていきましょう。
申し述べる
目上の人などに対してものを「言う」ことを敬語で「申す」、言葉を連ねて言い表すことを「述べる」といいます。言葉を連ねて順を追って言うことを指します。しかし、「申し述べる」は「申し上げる」よりも使用頻度は低いかもしれません。使い方は、「新商品の販売状況を申し述べます」のように使います。