空虚感とは虚しい気持ちを表す言葉
空虚感とはぽっかりと穴が開いてしまったかのように虚しさを感じる心の状態を指します。正しい読み方は……「くうきょかん」です。
何となく言葉としては知っていても、どんな感情を表すのか説明できない方も少なくないでしょう。ご紹介する例文をチェックすれば、言葉のもつイメージやニュアンスが把握しやすくなるはずです。
■空虚感の意味と読み方
内部に何もないこと、実質的な内容がないことを指す「空虚」と、そのものごとの様子を表す際に使う「感」を組み合わせたのが空虚感です。
【空虚】くうきょ
[名・形動]
1 内部に何もないこと。また、そのさま。から。
「―なる嚢袋ふくろは直上に立つこと能わず」〈中村訳・西国立志編〉
2 実質的な内容や価値がないこと。むなしいこと。また、そのさま。「空虚な論」「空虚な生活」
[派生]くうきょさ[名]
例えば充実した毎日を送っている中でふと感じる虚しさや、何かもの足りない寂しさを感じる場合に使えます。仕事やプライベートでさまざまなことを経験する内に、誰しもが抱く可能性がある感情だといえるでしょう。
■空虚感を使った例文
空虚感はふとした瞬間に自分自身の心と向き合い、虚しさに気付く場面で多く用いられます。どのような言い回しができるか、例文で確認してみましょう。
【例文】
・やりがいのあるプロジェクトを終えて空虚感に襲われています。
・長年連れ添った恋人と別れたことで空虚感を覚えるようになった。
・飼い猫が亡くなって1年経つのに、まだ空虚感を抱くことが多いです。
・友人とのパーティーを終えて家に帰るといつも空虚感に苛まれる。
空虚感と間違えやすい虚無感とは
空虚感と字面も似ている「虚無感」ですが、実は微妙にニュアンスが異なります。虚無感は、全てが虚しく感じられ、ものごとに意味や価値が見いだせない心の状態を指します。
【虚無】きょむ
1 何物もなく、むなしいこと。空虚。
2 この世に存在するすべてのものに価値や意味を認めないこと。「虚無感」
3 虚心であること。「虚無自在の心」
4 無限の宇宙。大空。虚空こくう。
5 古代中国の老子の哲学で、万物の根源・本体は、はかりがたく無であるということ。
仕事や勉強に身が入らなかったり、生活に活力がなくなってしまったりする様子を指して使える言葉です。「希望の会社に就職できず虚無感に襲われる毎日だ」のように用いられます。
■空虚感と虚無感の違い
空虚感と虚無感は、どちらも虚しさを感じている点が共通していますが、言葉のもつニュアンスは若干の違いがあります。空虚感は、それまで存在していた価値のある何かが欠けていることへの虚しさを感じている状態を指します。
一方で虚無感は、全てのものごとに対して価値や意味を見いだせないことによって虚しさを感じる状態です。両者の違いをしっかりと理解して、適切に使い分けられるようにしましょう。
空虚感を感じてしまう4つの原因
日々の生活の中で仕事やプライベートの悩みを抱えていると、空虚感を抱いてしまうケースも少なくないでしょう。空虚感に襲われてしまう原因としては、次の4つが考えられます。
・ストレスや疲れが蓄積している
・ショッキングな出来事が起きた
・自信を失くしている
・打ち込めるものがない
身体や心に疲れがある時は、空虚感を抱きやすいといえます。4つの原因をそれぞれ詳しく確認しておきましょう。
ストレスや疲れが蓄積している
ストレスや疲れがたまっている状況では、心に余裕がなくなり虚無感を抱きやすくなります。同じ出来事が起きた場合でも、その時の自分の心身の状態によって捉え方や生じる感情は異なります。
強いストレスにさらされている状態では気持ちのコントロールが上手くできず、ネガティブな感情が生じやすくなるのが一般的です。些細なことで空虚感に襲われてしまう場合は、心と身体の健康を振り返ってみるのもよいでしょう。
ショッキングな出来事が起きた
失恋や別れなど、思いがけず感情を揺さぶられる出来事が起きると、感情の処理が追いつかず空虚感を覚える人も多いようです。これまであったものが消えてしまうことで、大切さを再確認するケースもあるでしょう。
強いショックや悲しみを感じる一方で、ふいに心が空っぽになってしまったような感覚に襲われるかもしれません。
自信を失くしている
自分に自信が持てない場合も、空虚感を抱きやすくなります。例えば仕事で失敗が続き「どうせ自分は頑張ってもダメなんだ」と仕事に対する意欲もそがれてしまうかもしれません。
同じような失敗を繰り返したくないという気持ちから、なかなか次の一歩が踏み出せず空虚感に苛まれてしまうのです。仕事のみならず、プライベートな人間関係での失敗がきっかけとなってしまう場合もあるでしょう。