父親6年目にして、父親になりきれない夫
梓さん(仮名)は42歳。6歳になる息子がいるものの、3歳年下の夫は父親6年目になる今もまったく父親としての自覚がなく、子育てにも非協力的とのこと。それどころか梓さんに何事も頼りっぱなしの夫は父親としてだけでなく、梓さんの夫としても頼りにならない存在に見えていたそうです。
そんななか、仕事で“運命の彼”に出会ってしまった梓さん…。現在はプラトニックな片思いであるものの、夫と離婚してその彼にアプローチをしたいと考えるようになったと話します。
「その彼には初めて会ったときから、ただならぬ運命を感じてしまったんです。理想の人がここにいた!という感じ。でも相手は私より少し年上なので、きっと既婚者だろうと思って最初は諦めました。ところが密かにリサーチしたら、婚歴のない独身なことがわかって…。それ以来、その彼のことを寝ても覚めても考えてしまい、本格的に恋をしてしまいました」
夫がいる以上、相手に気持ちは伝えられない。でも運命の出会いを逃したくない
「夫がいる身ですから、こちらからアプローチするわけにはいかないじゃないですか。でも、彼も私に少なからず好意を抱いてくれているみたいで、頻繁に雑談LINEが入ります。
お互いに独身だったら、きっともう食事にも行っていたんだろうなって思うと歯痒いですね。彼とは仕事以外では会ったことがありませんけど、会話のテンポも合うし、頼りになる人。なにより、私に対しての思いやりを感じることが多く、夫とは大違いです」
この出会いを逃したら、自分は一生、今の夫と暮らして人生が終わってしまうのではないか…。梓さんはそう考えるようになり、ついには今の夫との離婚を考えるようになったとのこと。
「息子のことも夫は無関心だし、頼りになりません。これならシングルで子育てしても変わらないかもしれないなって、ずーっと思ってきました。収入も夫より私のほうが稼いでいるので、離婚をしても経済的に困ることはないと思います。
だからこそ、離婚の決断をして運命の出会いに賭けてみてもいいんじゃないかって気持ちが、日に日に強くなっているんですよね…。もちろんアプローチした結果、彼に振られる可能性だってゼロじゃありません。40代後半まで独身を貫いてきた彼は、そもそも恋愛に興味がないとか結婚願望がないのかもしれないし。
それでも、私はここまで人を好きになったことはないというくらい、彼のことが好きです。だからきちんと気持ちを伝えて、ダメならダメで構わないから、不完全燃焼のまま終わりたくないっていう思いが強いんですよね。
ただ…、不倫をしているわけではないけれど、他の異性に心を奪われて離婚を切り出すというのは、母親として誉められる行為ではないと思うので…。息子に対して将来、離婚したときのことを話すときに、本当のことを話せるかなっていう後ろめたさがあって。だからまだ行動に移せていない状況です」
長い結婚生活のなかでは、夫に対して完全に愛情が冷めてしまう瞬間があっても不思議ではありません。そんなときに夫以外の男性に惹かれてしまうこともあるのでしょう。いっときの気の迷いと捉えるべきか、梓さんの言うように運命の出会いと捉えるべきか。心が弱っているときや現状に不満が募っているときには判断が鈍ることも多いため、慎重に行動するに越したことはありません。
取材・文/並木まき