「三語文」とは
「三語文(さんごぶん)」とは、3つの単語をつなげた文で話すことを指します。「ママ・キレイキレイ・して」「おっきい・ワンワン・こわい」のように、子どもが持っている語彙レパートリーのなかから言葉を選び、繋げてお話しします。「きいちゃん ニャンニャン あっち(きいちゃんのお家の中にいつも居るネコが、あっちに行っちゃった)」など、言い表したい内容に合う言葉をかいつまんで伝えようとするので、大人の推測が必要になることもしばしばです。
「三語文」いつから話す?
「三語文」を話し出すのは、3歳ごろが多いといわれています。発達には個人差があり、2歳代後半~3歳代前半くらいの幅があります。
「三語文」の例
「三語文」の例には以下のようなものがあります。
・ママ ジュース ちょうだい
・パパ おうち かえる
・○○ちゃん おみず のむ
・おっきい しろい いぬ
・きいろ ぼうし ナイナイ
「三語文」を含む言葉の発達の目安は
子どもの言葉はどのように発達するのでしょうか。言葉の発達の目安を知り、コミュニケーションを楽しみましょう。
「三語文」を話すまで
生後2~3か月ごろ、「クーイング」がはじまります。「あー」「うー」など、赤ちゃん特有の唇や舌を使わない発声のことをクーイングといいます。クーイングは、赤ちゃんがごきげんのときに出やすいとされています。
生後5か月を過ぎると、「ばばばば」のような「喃語」を発しはじめ、声を出しながら簡単な意思表示をするようになります。大人の言うことを理解しはじめるのが、生後10か月ごろです。1歳を過ぎると指差しがはじまり、「ワンワン」や「ママ」などの意味ある単語を話すようになります。
複数の単語をつなげて話すようになるのは、1歳半から2歳ごろ。「ママ・きた」「パパ・たべる」など、2つの単語を組み合わせて話す二語文(にごぶん)の時期を経て、三語文を話しはじめます。この時期には「ママ・りんご・たべる」「ぼく・車・ほしい」のように、電文体発話が多いです。<が・を>のような助詞が付かず、品詞の活用があまりないカタコトのお話し方のことを「電文体発話」と呼びます。
「三語文」の先は
3歳後半ごろから、いくつもの単語を繋げた文をお話しできるようになり、ときにまちがいながらも、助詞の<が・で・に・を・の>を文のなかで使うようになっていきます。
4歳を過ぎると、文の形が整っていき、「〇〇だったから、〇〇しちゃったんだよ」のように、複文といって文と文を繋げて複雑な意味を表現するようなことも増えていきます。また、認知発達に伴い、過去のことやこれからの予定について、物語の話についてなど、今目の前に無いことや実際には経験していないことについての会話も楽しめるようになっていきます。
4~5歳になると、家族以外の大人や同年代の子どもと話を楽しむようになります。話すことが増える分、自己主張も強くなりますが、言葉を使って問題解決をするようになるのもこの時期です。