「二語文」とは?
「二語文」は2つの単語をつなげ、文で話すことです。「ママ・いた」「マンマ・たべる」のようなお喋りを指します。
「二語文」話すのはいつから?
多くの子供が二語文を話し始める時期は、2歳前後です。個人差があり、1歳6か月で二語文を話しはじめたケースもあれば、3歳を過ぎてから話し出したケースもあります。
「二語文」を話すまでの過程は
子どもの言葉は、段階を踏んで発達します。階段を一段ずつ上がるように、できることが一つずつ増えていきます。変化や成長が感じられない時期と、ぐっと成長していることがわかる時期が、交互に訪れるように感じられるかもしれません。
以下は、子どもの言葉の発達の目安です。
生後2か月~
「あー」「うー」とやわらかく声を出す「クーイング」がはじまります。泣き声とは異なる様子の声で、呼吸や発声、お喋りをする器官の発達に伴い、自らの意思で声を出せるようになっていきます。大人に向かってコミュニケーションを取りたい様子のこともあれば、自分の声で遊んでいるようなときもあります。
生後6か月~
同じ音を続けて「まままま」や「だだだだ」のように発することが増えます。これを「喃語(なんご)」といいます。生後10か月を過ぎると、大人の言うことを少しずつ理解しだします。喃語の様子が変化し、不明瞭だけれど何かを話しているふうの宇宙語のような様子や、身振り手振りが加わり全身をつかって表現する様子が増えていきます。言葉の発達に重要な、指さしをするようになるのもこの時期です。
1歳~
はじめて意味のある言葉をお話しします。はじめての言葉は、「ママ」「パパ」「ワンワン」などが多いようです。
1歳6か月~
ぽつぽつと増えてきた単語の数は、50語を過ぎたあたりから、増える速度が加速します。これを「語彙爆発」といいます。多い時には1日に10語もの新しい言葉を覚えた、などのエピソードも。はじめての言葉は、ものや人の名前が多い傾向にありますが、語彙が拡大すると、「マンマ」「ネンネ」など、子ども自身の要求や気持ちを言葉で表す言葉表現すること、「ナイナイ」のように様子や状態を表す言葉なども増えていきます。
2歳~
語彙爆発の時期を迎えてしばらく経つと、二語文をお話しはじめます。「ママ・だっこ」「ワンワン・ネンネ」のように、2つの単語を続けてお話しするように。また「大きい」「小さい」のような様子を表す言葉や、赤、青、黄色、など色を表す言葉の獲得が進みます。
「二語文」から三語文へ
3歳前後になると、「ママ・りんご・たべる」「ぼく・車・ほしい」など、三語文をお話しはじめます。この時期には、<が・を>のような助詞はまだあまり付きません。また、文の末尾は「~しちゃった」や「~したかったんだもん」のようには自由自在には変化せず、単語と単語を続けてお話しするような文が多いです。ほかには、テレビのCMやお気に入りの動画などから覚えたセリフやフレーズを丸覚えして、真似をするような様子も見られます。
3歳半ごろから、いくつもの単語をつなげた文をお話しできるようになり、ときに間違いながらも、助詞<が・で・に・を・の>を文のなかで使うようになっていきます。
4歳を過ぎると、徐々に文の形が整っていき、「〇〇だったから、〇〇しちゃったんだよ」のように、複数の文と文を繋げて複雑な意味を表現するようなことも増えていきます。また、認知発達に伴い、過去のことやこれからの予定について、物語の話についてなど、今目の前にないことや実際には経験していないことについての会話も楽しめるようになっていきます。
「二語文」から言葉を増やすには
言葉の発達は個人差が大きく、みんながぴったりと同じように進むわけではありません。しかし、周りの同年代の子どもがもう二語文で話しているのに、自分の子どもがお話ししないと心配になるでしょう。
言葉の発達は、生まれ持った力と環境の相互作用によりはぐくまれていきます。生活環境を整えたり、周囲のはたらきかけに工夫を加えることにより、うまく引き出していくことができるかもしれません。
もし、子どもが二語文をまだお話ししない、お話しすることが少ないという場合は、次のようなはたらきかけを試してみてください。
「二語文」を促そう:パパママはひとつ付け足して楽しく会話を
たとえば子どもが「マンマ」と単語で話してくれたら、パパママは「マンマ・たべようね」のように、ひとつ言葉を付け足して二語文で返事をしましょう。二語文をお話ししていたら、パパママは三語文で返事をします。
ことばがけが長すぎるとかえって子どもの理解力を越えてしまうので、あくまで“ひとつ”付け足すのがポイントです。子どもよりも少しだけ長い言葉をキャッチボールのように返すことで、子どもは会話の中で無理なくお手本の表現に触れることができ、言葉の力をはぐくんでいきます。