【目次】
・赤ちゃんの言葉の発達段階
・赤ちゃんの言葉を促す方法
・言葉が遅いときはどうする?
・赤ちゃん言葉は控えるべき?
赤ちゃんの言葉の発達段階
赤ちゃんは成長するにつれて少しずつ言葉を話すようになります。その早さについては身長や体重と同様に個人差があるものです。一般的な目安を知るためにまずは言葉の発達段階を見ていきましょう。

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最初は喃語から
赤ちゃんの言葉は、喃語(なんご)と呼ばれる言葉から始まります。喃語は赤ちゃんの発声練習のようなもので、生後2~3か月頃(※1)から「あー」や「うー」といったような、まだ言葉にならない声を発し始めるのが一般的です。
※1 出典:馬場一雄「月齢別 心をはぐくむ育児−赤ちゃんライフ」
1歳頃から単語を話せるように
1歳頃になると喃語は少しずつ減っていき、意味のある単語を発するようになります。「ママ」や「まんま」など、日常的に接するものの言葉をよく話す機会が増えます。また、指を差しながら単語を発するなど、言葉と行動で自分の意志を伝えられるようになります。いろいろな物に触れることで言葉のバリエーションはどんどん増えていく時期です。さらに1歳半頃になるとごはんを食べる前に「いただきます」など、状況に応じた言葉を出せるようになります。
2歳ごろから2語〜3語話せるように
単語がたくさん出るようになり、そのバリエーションが増える時期です。2歳頃には「わんわん、いた」や「まんま、ちょうだい」などの2語文が話せるようになります。2語文が出るようになると、そのうち「ママ、おもちゃ、とって」などの3語文も出るようになります。
赤ちゃんの言葉を促す方法
赤ちゃんがスムーズに話せるように導くには、ママやパパはどんな行動をとれば良いのでしょうか。赤ちゃんの言葉を促す方法を紹介します。

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たくさん話しかける
赤ちゃんの言葉を促すのに最も良い方法は、たくさん話しかけることです。しかも、テレビやDVDなどの一方的な言葉のシャワーでなく、子どもがなにか言ったら肯定して頷く、繰り返すなど相手の反応が大事です。ごはんを食べておいしそうな反応をしていたら「おいしいね」と声をかけてあげるなど、気持ちを代弁するような話しかけはとても効果的です。また、お散歩中などは、「いいお天気だね」や「タンポポ、かわいいね」など、目にしたものについて赤ちゃんに話しかけましょう。月齢が低いうちは反応が薄いかもしれませんが、繰り返しさまざまな事柄について話しかけることで、徐々に反応してくれるようになります。
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赤ちゃんの興味に共感しよう
赤ちゃんが興味を持っている物について、共感して反応するのも、言葉を促す重要なポイントです。例えば、赤ちゃんが犬を指差したら、「わんわんだね」と言葉にしてあげましょう。赤ちゃんが発した言葉に一言付け加えるのもおすすめです。車を見て「ブーブー」と反応するときは、「ブーブー、速いね」や「ブーブー、車だね」などと応えましょう。赤ちゃんの表情や目線を見れば、赤ちゃんがどこを見ているか、何に注目しているかが分かるため、それに応えるようにするのが効果的です。
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絵本で言葉を教える
言葉を教える重要なツールなのが、絵本です。絵本の読み聞かせは言葉の発達を促す上、情操教育にも役立つでしょう。赤ちゃんが発しやすい言葉で構成された絵本などもあるため、言葉の発達状況に応じて選びましょう。読み聞かせをすることで、親子で物語を共有し、コミュニケーションも取れます。また、単純な絵と言葉だけのものからスタートしたものが、いつしか文章を使った物語を理解できるようになるなど、絵本を通して子どもの成長を感じることもできるでしょう。
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言葉が遅いときはどうする?
「同じ年頃の赤ちゃんは2語文を話しているのに、自分の子どもはまだ単語しか話さない」など、他の子に比べて言葉が遅いと感じると、不安になります。では、言葉が遅い場合にはどのような原因が考えられるのでしょうか? 言葉が遅いと感じたときの対処方法も紹介します。

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考えられる原因とは? まずは耳の「聞こえ」を確認してみる
発語(言葉を話し始めること)が遅い場合、障害が疑われるケースもあります。まず一つめは、耳の聞こえが悪い場合です。赤ちゃんは言葉を耳から聞いて覚えるため、耳の聞こえが悪いと言葉の発達が遅れてしまいます。言葉だけでなく、音への反応が鈍い場合には注意が必要です。また、発達障害などの障害が隠れているかもしれません。言語だけでなく、他の部分で気になる点がないか、赤ちゃんの様子をチェックしてみましょう。
他にもこんなケースが
話しかけが少なかった場合など、赤ちゃん自身が言葉を聞く機会が少なくなると言葉の発達が遅れるケースがあります。また、赤ちゃんが話す前に親が要求を満たしてしまうことも、話す機会を失い、言葉の発達に影響がある恐れも。赤ちゃんの中には性格的なものであまりしゃべらない、というケースも考えられます。赤ちゃんであっても、おしゃべりが好きな子とそうでない子がいます。そういった場合には、無理に話しをさせようとしないことが大切です。乳児は定期的に健診がありますが、その際に言葉の遅れを指摘されるかもしれません。気になる点がある場合は、専門家に相談してみましょう。相談の結果、様子を見ても問題ないとされるケースもありますし、その後の対策も立てやすくなります。
ゆっくり見守ることも大切
言葉の発達についてはある程度の目安はありますが、個人差もあります。1歳半頃までほとんど言葉を発しなかった子が、2歳頃になったら急におしゃべりになったなどのエピソードもたくさんあるため、ゆっくり見守ることも大切です。こちらの言葉を理解している様子なら焦ってしゃべらせようとするのではなく、子どものペースに合わせてあげましょう。しっかり話しかけてコミュニケーションを取り、言葉をたくさんインプットしてあげることがポイントです。
赤ちゃん言葉は控えるべき?
きちんとした言葉を話すようになるためには、赤ちゃん言葉は控えるべきという意見もあります。では実際、赤ちゃん言葉は言葉の発達に影響するのでしょうか?

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赤ちゃん言葉とは
赤ちゃん言葉とは、ごはんのことを「まんま」、車のことを「ブーブー」など、わかりやすく表現した言葉です。赤ちゃんは口や舌の動きが未発達なため、大人のようにスムーズに言葉を発することができません。しかし、マ行やバ行などは比較的楽に発音できるため、赤ちゃん言葉にはそういった音が多く使われているのが特徴です。
コミュニケーションをサポートできる
いずれは大人の言葉を覚えなければいけないなら、赤ちゃん言葉ではなく、最初から大人の言葉で話した方が良いのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし赤ちゃん言葉は、赤ちゃんが発しやすく覚えやすい言葉です。ママやパパが赤ちゃん言葉で話しかけたり、赤ちゃん言葉を話した子どもに反応したりすることで、上手にコミュニケーションが取れるかもしれません。言葉はコミュニケーションを取るための手段ですが、赤ちゃん自身がママやパパとのやり取りを楽しいと思うことで、言葉の発達にもつながります。逆に発音が難しい大人の言葉を使うことで、言葉への苦手意識ができてしまうかもしれません。赤ちゃん言葉は、親子のコミュニケーションをサポートしてくれるツールだと捉えてみてはいかがでしょうか?
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監修
森戸やすみ
一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、