絵本で言葉を教える
言葉を教える重要なツールが、絵本です。絵本の読み聞かせは言葉の発達を促す上、情操教育にも役立つでしょう。赤ちゃんが発しやすい言葉で構成された絵本などもあるため、言葉の発達状況に応じて選びましょう。読み聞かせをすることで、親子で物語を共有し、コミュニケーションも取れます。また、単純な絵と言葉だけのものからスタートしたものが、いつしか文章を使った物語を理解できるようになるなど、絵本を通して子どもの成長を感じることもできるでしょう。
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言葉が遅いときはどうする?
「同じ年頃の赤ちゃんは二語文を話しているのに、自分の子どもはまだ単語しか話さない」など、他の子に比べて言葉が遅いと感じると、不安になります。では、言葉が遅い場合にはどのような原因が考えられるのでしょうか? 言葉が遅いと感じたときの対処方法も紹介します。
考えられる原因とは? まずは耳の「聞こえ」を確認してみる
発語(言葉を話し始めること)が遅い場合、障害が疑われるケースもあります。例えば、耳の聞こえが悪い場合です。赤ちゃんは言葉を耳から聞いて覚えるため、耳の聞こえが悪いと言葉の発達が遅れてしまいます。言葉だけでなく、音への反応が鈍い場合には注意が必要です。また、発達障害などの障害が隠れているかもしれません。言語だけでなく、他の部分で気になる点がないか、赤ちゃんの様子をチェックしてみましょう。
他にもこんなケースが
話しかけが少なかった場合など、赤ちゃん自身が言葉を聞く機会が少なくなると言葉の発達が遅れるケースがあります。また、赤ちゃんが話す前に親が要求を満たしてしまうことも、話す機会を失い、言葉の発達に影響がある恐れも。加えて、赤ちゃんの中には性格的なものであまりしゃべらない、というケースも考えられます。赤ちゃんであっても、おしゃべりが好きな子とそうでない子がいます。そういった場合には、無理に話をさせようとしないことが大切です。
乳児は定期的に健診がありますが、その際に言葉の遅れを指摘されるかもしれません。気になる点がある場合は、専門家に相談してみましょう。相談の結果次第でその後の対策も立てやすくなりますし、様子を見ても問題ないとされるケースもあります。
ゆっくり見守ることも大切
言葉の発達についてはある程度の目安はありますが、個人差もあります。1歳半頃までほとんど言葉を発しなかった子が、2歳頃になったら急におしゃべりになったなどのエピソードもたくさんあるため、ゆっくり見守ることも大切です。こちらの言葉を理解している様子なら焦ってしゃべらせようとするのではなく、子どものペースに合わせてあげましょう。しっかり話しかけてコミュニケーションを取り、言葉をたくさんインプットしてあげることがポイントです。
赤ちゃん言葉は控えるべき?
きちんとした言葉を話すようになるためには、赤ちゃん言葉は控えるべきという意見もあります。では実際、赤ちゃん言葉は言葉の発達に影響するのでしょうか?
赤ちゃん言葉とは
赤ちゃん言葉とは、ごはんのことを「まんま」、車のことを「ブーブー」など、わかりやすく表現した言葉です。赤ちゃんは口や舌の動きが未発達なため、大人のようにスムーズに言葉を発することができません。しかし、マ行やバ行などは比較的楽に発音できるため、赤ちゃん言葉にはそういった音が多く使われているのが特徴です。
コミュニケーションをサポートできる
いずれは大人の言葉を覚えなければいけないなら、赤ちゃん言葉ではなく、最初から大人の言葉で話した方が良いのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし赤ちゃん言葉は、赤ちゃんが発しやすく覚えやすい言葉です。ママやパパが赤ちゃん言葉で話しかけたり、赤ちゃん言葉を話した子どもに反応したりすることで、上手にコミュニケーションが取れるかもしれません。言葉はコミュニケーションを取るための手段ですが、赤ちゃん自身がママやパパとのやり取りを楽しいと思うことで、言葉の発達にもつながります。逆に発音が難しい大人の言葉を使うことで、言葉への苦手意識ができてしまうかもしれません。赤ちゃん言葉は、親子のコミュニケーションをサポートしてくれるツールだと捉えてみてはいかがでしょうか?
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イラスト/(C)Shutterstock.com
監修
森戸やすみ
一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在はどうかん山こどもクリニックを開設。著書に『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』(内外出版社)など。